介護職で未経験が働くには？できる仕事や転職方法など解説

介護の仕事は、専門的な知識やスキルが必要な印象があるため未経験から始められるか不安な方は少なくありません。

実は、介護職は年齢や経験に関係なく始めやすい職種の一つといわれています。

そのため、未経験の方を受け入れている施設も多く、未経験や無資格でも介護職への転職ができるのです。

この記事では、未経験から介護の仕事を始めるために必要な知識や転職方法などを解説していきます。

未経験から始めることに不安がある方やこれから転職活動を始めようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

また、未経験の中でも無資格である方は、こちらの無資格から介護の仕事が始められるかを解説している記事を参考にしてください。

未経験でも介護職で働くことは可能？

介護の仕事は年齢や経験に関係なく始められるので、未経験や無資格でも挑戦できます。

始めやすいだけでなく、未経験の方に求めるスキルがあるためそれを希望して求人を出している施設もあるので現場で活躍することも可能です。

未経験に求められること

未経験から始めた場合、介護の知識を持っていない方は少なくないため、施設では専門的な知識やスキル以外の部分で期待していることがあります。

何を求められているか、その一部をまとめて紹介します。

• コミュニケーション能力
• 細かい気配り
• 現場での対応力
• 介護について関心を持っている

人と接することが多い介護の現場では、コミュニケーション能力や対応力が必要になっていくので必要とされているスキルです。

状況に適した対応をするためには介護の知識が必要となるため、介護職に対する関心や勉強をする姿勢を持ち続けられるとさらに良いといえます。

介護施設の利用者が不安なく過ごせるように細かいところまで気を配ることも大切で、利用者に寄り添った介護ができることは介護士として望まれる傾向があります。

介護の経験やスキルは現場で働くことで自然と身に付くため、自分ができることや得意とすることが何かを明確にして仕事に活かしていきましょう。

未経験だと給料は低い？

未経験から始めると給料が低いのではないかと考える方もいますが、一概に未経験だから低いとはいえません。

職種や雇用形態、保有資格、施設などによっても変わるため、ここでは勤続年数を参考に給与を比較していきましょう。

参照：厚生労働省「令和３年度介護従事者処遇状況等調査結果（P.164）」

保有資格や施設などの給与差を知りたい方は、こちらの介護士の平均年収や月収をあわせてご覧ください。

未経験でもできる介護の仕事

ここからは、未経験でもできる介護の仕事を紹介します。

主な業務は介護士のサポートのため未経験ができる仕事が制限されているので、以下の業務を担当することが多い傾向があります。

• 介護施設内での身体介助業務
• シーツ交換などの環境整備
• 送迎業務
• 身体介護（介護士の指導つき）

未経験や無資格の場合は利用者の体に触れる介護ができないとされていますが、施設や状況によっては介護士の指導があれば身体介護も可能です。

しかし、基本は直接的な介護業務ができないため、専門的な介護もしたい方は現場での経験を積んで資格取得を目指すことをおすすめします。

未経験から始めやすい施設の特徴

介護の業界では、勤務先となる施設や事業所によっても働き方が変わるので、業務内容と一緒に確認をしておきましょう。

とくに、未経験からでも始めやすい施設や事業所の特徴があるので、転職先を探す場合はそれを目安に仕事を探してみてください。

施設の特徴をくわしく知りたい方は、別記事の介護職で働きやすい施設の特徴で解説しているので、あわせてご覧ください。

未経験に向けた研修や環境が整っている

未経験だと基本的な知識やスキルが備わっていない方もいるので、施設によっては研修や資格取得に向けた教育体制が整っているところを選ぶのがおすすめです。

施設全体で教育する方針があると、未経験の方へのフォローができる職場環境ができていることが多いため、安心して働くことができます。

求人情報に未経験を受け入れていることを表記してあるところは教育体制が整っている傾向があるため、それを目安に探してくわしい情報は問い合わせてみてください。

規模が大きな施設

施設の規模が大きいと、それだけ介護士の人数も必要になるため一人が担当する業務の負担が減ります。

そのため、働き方に余裕が持てて業務中にわからないことを先輩介護士に質問しやすくなります。

また、現場で即戦力として求められる可能性も低くなるので、最低限の知識やスキルを身につけてから働きたい方におすすめの施設です。

勤務体制が希望する働き方に合う施設

介護職と聞くと、残業や夜勤があって大変な印象を持つ方もいますが、実際は施設によって勤務体制が変わるので一概に大変とは言えません。

それは、24時間体制の施設であればシフトによって夜勤が入りますし、業務によっては残業が必要になることもあるからです。

もし、自分が希望する働き方が決まっているのであれば、希望する働き方ができる勤務体制を選ぶようにしましょう。

たとえば、夜勤が難しいのであれば日中だけのデイサービスのような施設が向いていますし、夜勤があっても大丈夫であれば24時間体制の施設を選ぶのもおすすめです。

無資格の場合は資格取得がおすすめ

未経験の中には無資格の方もいますが、2024年4月からは認知症介護基礎研修の受講が完全義務化されることにより、無資格のまま働き続けることは難しいといえます。

しかし、この研修は6時間ほどで修了するため一日で取得ができます。

介護職の資格で最初に取得すべき介護職員初任者研修が130時間ほどかかることに比べると短時間で取得できるため、無資格の場合は資格取得をおすすめします。

無資格の方で今後の働き方に不安がある方や認知症介護基礎研修について知りたい方は介護職での無資格の働き方をあわせてご覧ください。

未経験から介護職に転職するポイント

これまでは未経験や無資格での働き方について解説をしてきましたが、ここでは未経験からの転職で気を付けるポイントを紹介します。

知識やスキルがなくて不安な方はこのポイントを参考に、転職活動を進めていきましょう。

未経験を受け入れている求人を探す

求人情報の時点で未経験を受け入れていることがわかる施設であれば、自分が未経験だと認識してもらえます。

求人情報にはほかにも条件が記載されていることもあるため、そちらも見ておいてください。

未経験でも保有している資格によっては受け入れてもらえるところもあるため、経験は浅いけど資格だけは持っているといった方にもおすすめの探し方です。

最初から未経験だとわかっている状態で履歴書の作成や面接を行うことができるため、専門的知識やスキルがなくては採用されないといった不安要素は軽減されますよ。

施設で教育体制が整っているか

未経験から始めやすい施設の特徴でも話しましたが、未経験だと介護職の知識やスキルが足りていない方が多いため教育体制が整っているかは重要です。

基本的な知識を身につけるだけでなく、将来的なキャリアアップに向けた働き方もできるため長く働きたい方は注目しておきましょう。

ただ、施設によっては求人情報にそのような部分を記載していないところもあるので、気になる場合は直接問い合わせるか転職エージェントに相談をしてください。

未経験であることを伝える

介護職だけではありませんが、転職活動をするときは自分ができることやできないことを正直に話すことで無理のない働き方を目指すことができます。

見栄を張ったりできないことをできると嘘を言ってしまうと、自分の印象を悪くするだけでなく嘘をつく人だと判断されて転職活動にも悪い影響を与えてしまうのです。

介護業界は経験や年齢に関係なく始められる仕事なので、未経験であることを素直に話すようにしましょう。

自己分析をしてできることをアピール

自分がどのような働き方を希望しているかを明確にするには、自己分析が必要です。

求人を探すときにはいくつか条件を指定した方が探しやすくなりますし、面接時には自分ができることをアピールすることができるようになります。

介護の知識やスキルがない代わりに自分ができることを明確にし、介護の現場でどのように活かせるかをアピールすることで採用される確率が高まります。

施設が求めている人材の傾向を調べつつ、自分が持つスキルが現場で活かせる施設を選ぶようにしましょう。

転職エージェントやハローワークに相談

これまで話してきたポイントをチェックしても、介護職の求人は数多くあります。

そのため、一人で希望条件に合う求人を探すことは難しいので、転職活動に悩まれている方は転職エージェントやハローワークなどの転職支援サービスの活用がおすすめです。

とくに、転職エージェントであれば介護職に特化した会社があるので、介護職で働くためのサポートを受けることができます。

求人情報だけでなく履歴書の書き方や面接対策、将来的に必要となる資格などについても相談ができるので介護職についての知識が少ない未経験に向いています。

転職エージェントを活用したい方は、介護職の転職エージェントおすすめ15社比較やコツを紹介している記事があるので、そちらをあわせてご覧ください。

よくある質問

ここでは、介護職に未経験で転職を検討している方が持つ疑問を質問形式で答えていきます。

未経験で不安に思う要因に対しても答えているので、転職をするか悩まれている方はぜひ参考にしてください。

経験や年齢に関係なく働けますか？

介護職は年齢や経験などに制限がないため、未経験でも無資格でも働けます。

資格がないとできない業務があるので制限はされてしまいますが、介護士のサポートをメインとした働き方が可能です。

未経験で働くことができる理由については、こちらの「未経験でも介護職で働くことは可能？」をご覧ください。

未経験から介護の仕事を始めるコツはありますか？

転職ができてもそのあとの働き方に関する不安を持たれている方は、求人情報の時点で未経験を受け入れている施設を選ぶようにしましょう。

未経験の方を教育する体制や資格取得などのサポート制度が整っている可能性が高いので、転職後も安心して働けます。

ほかにも未経験からでも安心して働ける施設に転職するためのコツがあるので、こちらの「未経験から介護職に転職するポイント」をご覧ください。

未経験だと給料は低いのですか？

介護職の給料は「未経験だと給料は低い？」の項目でも話したように、勤続年数や職種などのさまざまな要因で変わってきます。

未経験で無資格からだと低めだとは言えますが、幅広い職種へのキャリアアップを目指せるので給料アップを目指したい方は資格取得をおすすめしています。

介護職の平均的な給料については、介護士の平均年収や月給についてくわしく解説をしている記事をご覧ください。

資格はある方が有利ですか？

介護職では、人柄や介護に対する姿勢などで採用されることがあるため、資格がないから絶対に不利になることはありません。

しかし、施設によっては資格の有無を気にしているところもあるため、場合によっては資格があると有利になることもあります。

少しでも採用される可能性を高めたい方は、資格を取得してからの転職がおすすめです。

また、2024年4月からは認知症介護基礎研修の修了が完全義務化されるため、無資格のまま働くことが難しくなります。

転職をすると決めたら、資格を取得することを考慮しながら転職活動を進めていきましょう。

無資格で転職を考えている方は介護職で無資格から働く方法を解説している記事を、介護の資格について知りたい方は介護の資格一覧を紹介している記事をご覧ください。

介護職に向いていないと仕事を続けるのは難しいですか？

介護職で働こうと思うきっかけの中には、人の役に立ちたい、コミュニケーションをとるのが好きなど好意的なものである方が多くいます。

そのため、好意的な理由がないと続けられないと思う方もいますが、実際はそんなことはありません。

未経験に求められることでも解説をしたように、求められることを活かす働き方ができれば介護職で働くことも難しくはありません。

向いている人の傾向が気になる方は、介護の仕事に向いている人の特徴8選を参考にしてください。

まとめ

この記事では、未経験から介護職に転職することができるかについて話をしてきました。

結論としては、未経験でも無資格でも転職は可能です。

しかし、施設によっては未経験に向いていないこともあるため、転職の時には未経験を受け入れる体制が整った施設を選ぶようにすることをおすすめします。

ほかにも、自己分析をしてアピールポイントを見つけたり、介護職に特化した転職エージェントに相談をしながら探すなどの転職に活かせるポイントがありました。

未経験でも介護職に関心がある方や転職したい方は、記事の内容を参考に転職することを検討していきましょう。