介護士の仕事は大変なのに、給料が低いと感じることがある方はいます。

施設や職種によって平均給料は変わりますが、ほかにも自分で給料アップを目指せる方法があります。

ここでは、介護士の年収や月給をいろいろな視点から紹介していきます。

そして、介護職で給料を上げる5つの方法についても解説しているので、今よりも収入を増やしたい方はぜひ参考にしてください。

介護の仕事で給料を上げる方法を一緒に考えてみませんか?

介護業界は、他の業界に比べて給料が低いといわれています。ですが、資格を取得する、夜勤に入るなど、給料を上げる方法はいくつかあります。

それでも、1人でその方法を探すことが大変な方は、介護業界に力を入れているウィルオブ介護に相談をしてみませんか?専任コンサルタントが希望条件をうかがい、1人ひとりに合う働き方の提案をさせていただきます。

介護士の平均年収・月収

介護士の年収や月収の平均を、各カテゴリーに分けて紹介します。

介護職で将来どのように働いていくか、介護の仕事を始めるべきかなどを検討する参考にしてください。

※今回は、常勤者(フルタイムで週5日勤務している者)と非常勤者(常勤の条件に合わない者)で分けています。

職種別

介護士の仕事は幅広く、職種によって給与額も変わってきます。

以下に2つの表がありますが、それぞれ常勤者と非常勤者で分けています。

【令和3年度 常勤者(月給)平均給与額】
職種 月給 想定年収
介護職 31万6610円 331万6120円
看護職員 36万9210円 384万8020円
生活相談員・支援相談員 33万8370円 353万260円
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士または機能訓練指導員 35万80円 365万4160円
介護支援専門員(ケアマネージャー) 35万3560円 369万7120円
事務職員 30万1940円 311万8280円
調理員 25万9270円 267万4860円
管理栄養士・栄養士 31万1190円 317万6280円

参照:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(P.144)」

【令和3年度 非常勤者(月給)平均給与額】
職種 月給 想定年収
介護職 19万8520円 217万1440円
看護職員 20万4380円 228万8460円
生活相談員・支援相談員 29万820円 320万5740円
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士または機能訓練指導員 29万5880円 335万7260円
介護支援専門員(ケアマネージャー) 22万7200円 250万3200円
事務職員 19万7230円 216万9260円
調理員 14万580円 158万1340円
管理栄養士・栄養士 21万5830円 226万2360円

参照:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(P.144)」

やはり、勤務時間や手当なども影響するため、常勤と非常勤では大きく給与に差が出ていることがわかります。

さらに、日給や時給で働いている場合は、働いた分しか給与が出ないので差は大きく出てしまうのです。

長期的に見れば、常勤で働くことを目標にした方が収入は増えます。

しかし、非常勤の場合は自分ができる範囲のシフトで仕事ができるため、どちらの働き方が良いか検討をしてみましょう。

保有資格別

介護士は、保有している資格によってできる仕事が変わるので、給料にも差が出ます。

ここでは、保有資格で給料を比較していきますので、自分が求める資格を探す参考にしてください。

【令和3年度 常勤者(月給)平均給与額】
月給 想定年収
介護福祉士 32万8720円 394万4640円
社会福祉士 36万3480円 436万1760円
介護支援専門員 36万2290円 434万7480円
実務者研修 30万7330円 368万7960円
介護職員初任者研修 30万510円 360万6120円
保有資格なし 27万1260円 325万5120円

参照:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(P.182)」

【令和3年度 非常勤者(時給)平均給与額】
月給 想定年収
介護福祉士 12万8320円 153万9840円
社会福祉士 12万6100円 151万3200円
介護支援専門員 12万3820円 148万5840円
実務者研修 11万400円 132万4800円
介護職員初任者研修 10万6010円 127万2120円
保有資格なし 11万4910円 137万8920円

参照:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(P.186)」

(1)介護職員初任者研修
(2)介護福祉士実務者研修
(3)介護福祉士
(4)ケアマネージャー

また、資格があるとリーダーを任されたり役職を与えられたりするので、より高い給料で働ける可能性が高まるのです。

今回比較した資格以外にも介護職の資格はあるので、こちらの「介護職で役立つ資格25種類を一覧で紹介!取得方法やメリットも解説」もあわせてご覧ください。

雇用形態別

介護の仕事は、正社員だけでなくパートやアルバイト、派遣社員としても働くことができます。

雇用形態別でどのくらい給料差が出るか、まとめていきます。

【雇用形態別月給・年収(2023/12/1時点)】
月給 想定年収
正社員 約26万6666円 約320万円
派遣社員 約24万5280円 約294万円
パート・アルバイト 約18万3040円 約219万円

※参照:求人ボックス「給料ナビ-介護士

雇用形態によって勤務時間や日数などが変わるため、大きな差が出ています。

しかし、雇用形態によって働き方にメリットがあるので給料面だけでなく、自分に合う働き方も考慮して介護職での働き方を検討することをおすすめします。

資格によっては、複数の資格を通らないと取得できないものもあるので、自分が取得したい資格について調べておく必要があります。

たとえば、未経験の方がケアマネージャーを目指す場合、以下の順番で資格を取得することをおすすめしています。

性別・年齢別

勤務時間や職種などによって性別や年齢で給料に差が出る傾向があります。

介護職でもその差は多少なりともあるので、平均的にどのくらい違い出ているか一覧でまとめていきます。

【令和3年 常勤者(月給)平均給与額】
年齢 男性 女性
全体 33万5460円 30万6590円
29歳以下 29万7240円 28万7400円
30~39歳 34万130円 30万5860円
40~49歳 35万5700円 31万510円
50~59歳 33万2670円 31万5760円
60歳以上 28万6900円 29万2710円

※参照:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(P.188)」

いずれの年代でも、男性の方が少し高い平均となっています。

しかし、これはあくまでも全体の平均なので、働き方によっては月給アップを目指すことも可能です。

この記事でも「給料を上げる方法」で解説しているので、ぜひ参考にしてください。

施設別

働く施設によっても給与は変わるので、働きたい施設にも注目してみましょう。

規模や方針などで差はあるものの、平均的な目安として確認をしてください。

【令和3年度 常勤者・非常勤者(平均給与額)】
常勤者(月給) 非常勤者(月給)
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) 34万5590円 20万2950円
介護老人保健施設(老健) 33万8390円 28万9050円
介護療養型医療施設(介護療養病床) 28万7070円 ―――
介護医療院 30万7550円 21万5610円
訪問介護事業部(ホームヘルプ) 31万4590円 20万1120円
通所介護事業部(デイサービス) 27万8180円 17万3190円
通所リハビリテーション事業所(デイケア) 29万7980円 21万8830円
特定施設入居者生活介護事業所(ケアマネージャー) 31万9760円 23万1250円
小規模多機能型居宅介護事業所 28万9520円 23万5270円
認知症対応型共同生活介護事業(グループホーム) 29万1460円 18万9600円

参照:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(P.147)」

特別養護老人ホームや老健のように24時間体制の介護や身体的負担が高い施設だと給与が高い傾向にあります。

デイサービスや小規模多機能型居宅介護事業所などは、介護をする時間が日中であったり、24時間体制でも短期だったりするので、給与がその分低い傾向になるのです。

施設によって必要とするスキルや資格が変わってくるので、将来働きたい施設を決めて資格取得などを目指すのも給与を増やす方法だと言えます。

勤続年数

介護を必要とする方への気遣いや、体力面で大変だと言われている介護士として働く方の中には、給与が低くて続けるのが難しいと辞めて転職検討することもあります。

ここでは、勤続年数に応じてどのくらい給与が上がっていくのかを見ていきます。

【令和3年度 常勤者(月給)平均給与額】
月給 想定年収
1年(勤続1年~1年11か月) 27万7350円 332万8200円
5年(勤続5年~5年11か月) 30万9610円 371万5320円
10年(勤続10年~10年11か月) 31万8980円 382万7760円
15年(勤続15年~15年11か月) 33万9230円 407万760円
20年以上 37万8010円 453万6120円

参照:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(P.164)」

【令和3年度 非常勤者(時給)平均給与額】
月給 想定年収
1年(勤続1年~1年11か月) 10万9770円 131万7240円
5年(勤続5年~5年11か月) 10万8370円 130万440円
10年(勤続10年~10年11か月) 11万7520円 141万240円
15年(勤続15年~15年11か月) 11万3110円 135万7320円
20年以上 10万9330円 131万1960円

参照:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(P.176)」

常勤も非常勤も、どちらでも勤続年数が長くなると給与も高くなる傾向が出ています。

ですが、あくまでも1つの施設で長く働くことが重要なので、普段から精神的にも肉体的にも負担を軽減するよう対策が必要です。

きついと感じたときに少しでも改善する方法については、こちらの「介護職はきつくてやってられない理由とは?解決策も紹介」をあわせてご覧ください。

給料を上げる方法

給料を上げる方法-イメージ画像


これまで、平均給与を紹介してきました。

ですが、あくまでも平均的なものなので、自分が働いている施設だと給与が低めだという方もいます。

そこで、今よりも給料を上げたい方に給料アップの方法を5つ紹介します。

給料が高い施設に転職

もし、今働いている施設での働き方で給料が上がる見込みがない場合は、より給料が高い施設への転職を検討してみましょう。

似たような仕事でも、施設が違うと待遇や給与設定などが変わるため、いろいろな施設の情報を比較することは重要です。

派遣であれば派遣会社の担当者に相談をすることで対応をしてもらえますし、ハローワークや転職エージェントなどに相談をするとアドバイスをもらいながら仕事を探せますよ。

資格取得を目指す

未経験や無資格からでも介護の仕事を始められますが、やはり資格がある方が重宝されて待遇も良くなります。

資格を保有しているということは、それだけの知識を持っているという証明にもなるので、責任ある仕事を任せられるようになります。

また、資格によってできる仕事も変わってくるため、自分がどんな仕事をしたいかを検討してから資格を取得するための準備を進めていきましょう。

介護職の資格については、こちらの「介護職で役立つ資格25種類を一覧で紹介!取得方法やメリットも解説」でくわしく紹介しているので、あわせてご覧ください。

1つの施設で長く働く

勤続年数でも話しましたが、長く働けば働くだけ高くなっていく傾向があります。

また、役職についたり別の資格を取得したりすることで、さらに給料を上げられる可能性が高まります。

ですが、必ずしも上がるわけではないので、長く働いても上がらない場合は別の施設への転勤を考えることをおすすめします。

介護士は長く働ける仕事でもあるため、日頃からストレス発散や体を休めたりしてケアをしていきましょう。

夜勤シフトを入れる

24時間体制の介護を行う施設であれば夜勤もあるので、日勤だと給料が低いと感じる方は夜勤の担当をすることも検討してみましょう。

午後10時~翌朝5時までは、労働基準法で賃金が日勤の25%以上割り増しされる深夜割増賃金があるため、日勤よりも給料が高くなる傾向になっています。

また、それに加え施設によって設定金額は変わりますが、夜勤手当も加算されます。

働いている会社で夜勤手当はどのくらい出るかを確認し、シフト変更の相談をするのもおすすめです。

もちろん、別の施設に転職する場合にも夜勤手当がどのくらい出るか見ておくと、実際自分が夜勤で出るとなっても賃金で不満を抱える可能性が低くなりますよ。

介護士の夜勤については、「介護士の夜勤の仕事内容とは?勤務時間やスケジュール例、働くメリット・デメリット、働き方や給与も解説」でも解説しているので、あわせてご覧ください。

別業界に転職する

どうしても介護職で年収アップを目指しにくい方は、別の業界への検討するのも1つの手段です。

介護士で給料を上げようと資格を取得するための勉強をする時間が必要ですし、施設を変えてもあまり変わらないこともあります。

別業界であれば、そもそもの平均給与が高いところもあるので、そちらに転職をすることで給料アップを狙えますよ。

介護業界以外からの転職でおすすめの業界については、こちらの「介護職はきつくてやってられない理由とは?解決策も紹介」で紹介をしています。

もちろん、未経験の業界だと大変なこともあるので、別業界への転職はよく検討してから仕事を探しましょう。

そもそも給料が低い理由とは?

これまで給料の平均額や給料アップについて話をしてきましたが、介護職の給料が低い理由も知っておくと転職の参考になります。

ここからは、介護職の給料が低い理由について解説していきます。

介護報酬に上限がある

介護職員の給料は施設や事業所で勝手に変えて良いもではなく、施設や事業所でどのようなサービスを行ったかで変わります。

そのため、給料が低いからすぐに上げろと言われても上げることができず、仕事量に比べて給料が低い状況が続いてしまうのです。

出ている求人が多い

介護職は人手不足の現状が続いてしまうため、求人数は一年を通して多く出されています。

高齢者は今後も増えていって人手不足は続いていくので、繁忙期など関係なく求人は安定していくと予想されます。

このことから、わざわざ時給を上げたりして人材を募集する必要がなく、ほかの業種比べて給料は低い傾向にあるといえるのです。

専門性が重視されていない

介護の仕事の中には無資格や未経験からも始められるものもあるため、専門性があまり重視されていないことがあります。

もちろん、介護職はケアマネージャーのように資格が必須の職種も多いので専門性が高い仕事です。

しかし、専門性よりも「介護の仕事をしたことがなくても挑戦しやすい」「無資格のままでも働き続けられる」といった要素が強く印象づいてしまっているのが現状だといえます。

内部留保が多い

内部留保とは、利益から施設や事業所の安定した運営のために内部で蓄積するものを指します。

そのため、内部留保の金額によって介護職員への配当金が減ってしまう分、給料も減ってしまうのです。

施設や事業所が赤字

そもそも、施設や事業所の運営が赤字であれば、支払われる給料も少なくなります。

転職をする場合は、運営があまり上手くいっていない施設や事業所を避けて転職先を検討しましょう。

施設の運営状況は転職エージェントが把握していることもあるため、気になる方は施設について質問をしてみてください。

今後の介護職員の給料はどうなる?

厚生労働省が発表している「令和2年度 介護労働実態調査の結果」によると、無期雇用職員で月給の方の場合、所定内賃金や賞与が増加しています。

介護職の賃金は、調査が始まった平成28年度から年々増加しているので、今後も改善が期待されます。

また、2022年2月~9月の間は「福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金」という福祉や介護職員の処遇改善を目指した交付が行われています。

これは、各事業所の総報酬とサービスごとに設定している交付率から算出される交付金です。

事業所や交付率によって交付額が変わるのですが、平均的に福祉や介護職員の1人あたりの月額は9,000円相当になるため、給料が上がります。

そして10月以降は、臨時報酬の改定を行って同じような措置を継続する予定なので、一時的なものではなく継続した改善が行われます。

よくある質問

ここからは、介護職の平均年収・月給に関して質問形式でまとめていきます。

介護職はなぜ給料が低いのですか?

さまざまな要因がありますが、介護業界の給料が介護報酬の上限が定まっていることや内部留保の金額が多くて支給される分が減ってしまうことなどがあげられます。

ほかにも、専門性が重視されていないことや求人数が一年を通して多いことによって、給料額を上げなくても運営できている現状も要因の一つと言われています。

給料が低い理由をくわしく知りたい方は、こちらの「そもそも給料が低い理由とは?」をご覧ください。

給料を上げる方法はありますか?

給料が低い理由を見ると、こちらでは対策のしようがないように思えますが、給料を上げる方法はあります。

平均の給料が高い職種の仕事や資格取得を目指す、なるべく長く働ける環境に転職をするなど就労者側でもできることをやってみましょう。

すぐに結果が出るものは今よりも給料が良い職場への転職なので、転職を検討している方は転職エージェントに相談をしてくださいね。

ほかにも「給料を上げる方法」でくわしく紹介をしているので、参考にしてください。

まとめ

介護士の月給や年収をいろいろな角度から比較をしてきましたが、やはり資格を保有していたり勤続年数が長くなったりすると給料が上がってく傾向だったといえます。

ほかにも、施設を変える、夜勤を入れる、役職に就く、資格を取得するなどで給料アップを目指す方法があります。

ですが、将来的に目指している収入に届かない、身体や精神的に難しい場合は、別業界への転職をする方法もあるので、自分に合うやり方で給料を上げていきましょう。

給料を上げることにより、自分が希望している年収に近づくこともできるので、今回の介護士の月給・年収を参考にどのように働くか検討してみてくださいね。

給料アップを目指したいならウィルオブ介護に相談を!

介護士として給料を上げるには、資格取得や夜勤に入るなどいくつか方法がありました。ですが、そのうちどれが自分に合った働き方なのかわからない方もいます。

ウィルオブ介護では、一人ひとりの希望条件から仕事の紹介や働き方の提案をしていくので、給料アップを目指した働き方もできます。未経験の方からでも始められる仕事もあるので、気になる方は一度ご相談ください。

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