介護職に興味があるけど、介護業界はブラック企業が多い、労働環境が悪いなどのイメージを持つ人も多くいます。
しかし、ホワイト企業なら介護職に挑戦してみたい!と考えている方もいるのではないでしょうか。
実際の介護業界はブラック企業ばかりではなく、業界全体が労働環境を改善しているので、安心して働けるホワイト企業も増えているのです。
この記事では、介護業界の実情や優良企業の特徴、探し方を解説していきます。

介護職に興味があるなら介護ワークに相談を!
介護業界ではホワイト企業が増えていて、介護職員への待遇の改善を進めています。そのため、今の働く環境に不満がある方は転職を考えてみるのも一つの方法です。
介護職で転職を検討している方は、介護業界に特化した介護ワークで仕事を探してみませんか?一人ひとりの希望条件や働き方などをヒアリングし、条件に合う仕事の提案を行っています。転職に関する相談だけでも受け付けているので、1月・2月に仕事をスタートさせたい方はぜひ一度ご相談ください。
目次
介護業界はブラック企業が多いといわれる理由
まず、介護職はブラック企業ばかりだというイメージを持たれるそもそもの原因と、実際のところはどうなのかを見ていきます。
希望休が取りづらい
介護業界は希望休が取りづらいイメージが根付いています。
特に入所施設では365日24時間体制での介護が求められるため、不定休になりがちだったり、土日祝でも出勤が必要になるケースがあります。
実際には、ほとんどの施設で有給休暇や毎月決まった数の希望休を提出できるようになっています。
しかし、人手が不足している事業所では希望する日に休みが取れないこともあり、ブラックだという印象につながってしまうのです。
残業が多い
介護業界は残業が多いというイメージがありますが、実際には想像以上に残業が少ない業界です。
※引用:公益財団法人介護労働安定センター「令和3年度年度介護労働実態調査」
56.3%と半数以上の無期雇用職員が「残業なし」と回答しており、有期雇用職員では「残業なし」の割合は65.8%にのぼります。
実態調査によると、正規職員の1週間当たりの残業時間の平均は1.7時間で、1日当たり20分程度です。
しかし、人手不足が原因で残業が多くなってしまう事業所が一定数あるのもまた事実です。
人手不足
介護業界では、深刻な人手不足が原因で希望休が取りづらい、残業が多くなるなど、より労働環境が悪くなるという悪循環に陥っています。
逆に言えば、職員配置にゆとりがある事業所であれば、十分に働きやすい環境だということです。
人手不足の理由としては、介護が必要な高齢者の人口の急激な増加、介護を担う若者の人口の減少が進んでいることがあげられます。
※参考:厚生労働省HP「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について 別紙2」
また、介護職は仕事の大変さに対して社会的評価が低く、若い世代や未経験の人が参入しにくいという背景もあります。
給与が少ない
介護業界は他の職業と比較すると収入が少ないといわれていますが、実際は政府の取り組みにより年々給与は増えています。
【介護従事者等の平均給与額の状況(月給・常勤の者・職種別)】
令和3年9月 | 令和2年9月 | 差額 | |
---|---|---|---|
介護職員 | 32万3190円 | 31万5410円 | 7780円 |
看護職員 | 36万9760円 | 36万3260円 | 6500円 |
生活相談員・支援相談員 | 33万6830円 | 32万8700円 | 8130円 |
※参照:厚生労働省HP「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」P14
また、同資料の「第4表 給与等の状況、サービス種類別」によると、49.7%もの事業所が前年度より給与を引き上げており、今後も給与面に関する改善が期待できます。
介護業界の環境改善のための政府の施策
介護業界のブラックなイメージは、人手不足が主な原因でそのほかの様々な問題を引き起こしており、現在は改善している部分もあることを解説しました。
そこで、そもそもの原因である人手不足を改善するため、政府も様々な施策を行っており、実際に給与面では数字に反映されています。
ここでは、介護業界の働きやすさ向上のために現在行われている施策を紹介します。
処遇改善加算
処遇改善加算とは、キャリアパスの仕組みづくりや職場環境の改善を行った事業所に、介護職員の給与に充てるためのお金を政府が支給するという制度です。
「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」によると、全国の介護事業所のうち94.1%が処遇改善加算制度を利用しています。
それだけ多くの事業所が職場環境の改善に取り組み、今後は給与も上がっていくと考えられます。
政府による賃上げの実施
2022年2月より実施されている施策で、処遇改善加算のⅠ~Ⅲを取得した事業所に勤める介護職員(パートやアルバイトも含む)の月給を約9000円の賃上げをするというものです。
対象期間は2022年2月~9月までとしていますが、10月以降も継続的に賃金の改善を行っていく方針です。
ロボット・AI・ICTなどの活用
介護業界では、ロボットやAI、ICTの導入を推し進めています。
たとえば、記録管理やケアプランの作成、投薬管理、複雑な給与計算、勤怠管理といった事務作業をデジタル化することで、職員の負担を減らすことができます。
これで直接的な介護に集中できるようになり、事務作業のために残業をする必要もなくなります。
ほかのスタッフとの情報の共有がしやすく、データをうまく活用することで俗人化を防ぎ、職員の介護スキルの底上げも期待できます。
ほかにも、見守りシステムで利用者が自室にいるかどうかのチェックをするなど、デジタル技術によって仕事の効率化を図っています。
くわしくは、厚生労働省ホームページ「介護現場におけるICTの利用促進」をご覧ください。
ホワイト企業を見分けるポイント
ホワイト企業が増えている介護業界ですが、ブラックといわれるような環境の事業所がまだまだ存在しているのは確かです。
ここでは、ホワイト企業を見分けるポイントを見ていきます。
自分の希望の働き方に合った企業を検討する材料にしてみてください。
ワークライフバランスが整っている
ホワイト企業かどうか見極める基準の一つとして、ライフワークバランスが整っていることがあげられます。
特に確認しておきたいポイントは以下の3点です。
-
(1)残業時間
一般的な企業の1か月あたり平均残業時間は約25時間、介護業界の1か月あたり平均残業時間は約8時間程度と計算できるので目安にしましょう。
(2)年間休日
一般的な企業の年間休日は110日、年間休日120日以上の企業はホワイト企業の可能性が高いといえます。
(3)離職率
介護職の離職率の平均は15%ほどなので、離職率が高いと職場環境が悪い可能性があります。また、ベテランスタッフが在籍しているかどうかも注目してください。
それぞれの事業所の残業時間や年間休日、離職率はハローワークの求人票で確認できます。
ほかにも、厚生労働省が公開している「介護サービス情報公表システム」にも従業者情報が記載されているので参考にしてみてください。
厚生労働省認定マークを取得している
厚生労働省認定の証であるユースエール認定やくるみんマークの表示がある企業は、ホワイト企業である可能性が高いです。
ユースエール認定制度
ユースエール認定は、若者の雇用や教育を積極的に行っている企業の証明になるマークです。
以下では、ユースエール認定要件を一部紹介しています。
- 新卒者の正社員として就職した人の離職率が直近3事業年度で20%以下
- 「人材育成方針」と「教育訓練計画」を策定している
- 正社員の月平均残業時間が20時間以下かつ月平均残業時間が60時間以上の職員がいないこと
- 直近3事業年度で、男性の育児休暇等取得者が1人以上もしくは女性の育児休暇等取得率が75%以上
ユースエール認定取得のためにはこれらを含むさまざまな要件を満たす必要があるので、取得している事業所は働きやすい環境だといえます。
ユースエール認定要件については、こちらの厚生労働省「ユースエール認定制度」をご覧ください。
くるみんマーク
くるみんマークは、子育てしやすい環境作りに力を入れている企業だと認定されたことを証明するマークです。
以下では、くるみん・トライくるみん認定基準の一部を紹介します。
- 男性の育児休暇取得率が10%以上、その割合を厚生労働省のウェブサイトで公表すること
- 女性の育児休暇取得率が75%以上、その割合を厚生労働省のウェブサイトで公表すること
- 3歳から小学校就学前の子どもを育てる労働者について、育児休暇や時短就労の制度を設けていること
くるみん認定のためにはこれらの厳しい要件を満たす必要があるので、取得している事業所は働きやすい環境だといえます。
認定基準やくわしい仕組みについては、こちらの厚生労働省「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、くるみん認定・トライくるみん認定・プラチナくるみん認定を目指しましょう!!!」をご覧ください。
キャリアアップがしやすい
ホワイト企業の特徴として、キャリアアップのしやすさがあげられます。
具体的には、資格取得支援や研修制度、昇進昇格制度が明確に示されているかどうかをチェックしてみましょう。
また、処遇改善加算の申請をしている事業所であれば、キャリアアップしやすい環境が整っている可能性が高いといえます。
なぜなら処遇改善加算の申請には、キャリアパスと給与形態の整備をすることや、研修の機会を設けることなどのいくつかの要件を満たす必要があるからです。
処遇改善加算はⅠ~Ⅴまでありますが、数字が少ないほど手当の金額が大きくなり働きやすい環境が整っているので、目安の一つにしてみてください。
スタッフや施設の雰囲気が明るく清潔感がある
施設見学や面接の際にチェックしておきたいポイントは、その施設のスタッフが明るく和気あいあいとした雰囲気があるかどうか、清潔感があるかどうかです。
介護の仕事では職員同士の連携が重要なため、職員同士の関係性によって離職につながることも多くみられます。
また、清潔感のない施設は人手不足で掃除が間に合っていない可能性が高いので、避けたほうがいいでしょう。
「介護サービス情報公開システム」などで職員の人数や施設の規模を事前に確認しておくのもおすすめです。
ブラック企業を見分けるポイント
ブラック企業を見分けるポイントもおさえておくと、より働きやすい職場の求人を見つけやすくなります。
ここでは、ブラック企業の求人の特徴を見ていきます。
常に求人がある・募集人数が多い
求人募集を常に出している、規模に対して募集人数が多すぎる事業所は、離職率が高く定着率が低いブラック企業の可能性があるので気を付けましょう。
業務内容や経営側、あるいは在籍スタッフなどに何か問題があり、職員が定着しにくくなっていて人手不足の事業所の可能性があります。
しかし、施設の規模の拡大のためにそのような募集をしている場合もあるので、施設のHPなどで情報収集してみるのもおすすめです。
相場よりも給与が高すぎる・低すぎる
周辺の事業所と比べて、給与があまりにも高すぎたり低すぎたりする事業所には注意しましょう。
高すぎると、人材不足を補おうと給与を高く設定している可能性があります。
低すぎると処遇改善加算の等級が低い事業所、処遇改善加算がない事業所かもしれないので、気を付けましょう。
雇用契約があいまい
求人を見たときに様々な手当、夜勤の有無、年間休日などの待遇について詳細に書かれていない事業所はブラック企業の可能性が高いです。
待遇についてあいまいにする企業は、給与や休日、昇進・昇給についてもうやむやにする恐れがあります。
ほかにも、給与にみなし残業時間が多く含まれている場合もあるので、確認しておきましょう。
ただし、派遣求人では事業所を特定できる情報を載せることができないので、待遇面についてくわしく知りたい場合は派遣会社に問い合わせてください。
介護業界はこれからどうなっていく?
介護業界は超高齢社会化にともない需要がどんどん高まり、市場規模が大きくなっています。
今後はさらに介護職の必要性が高まるため、定着率や働きやすさを向上させることで介護職の人口を増やそうとしている傾向が強いといえます。
また、ICTなどのデジタル技術の活用も進んでいき、作業の負荷が軽くなるので介護に集中できます。
※ICT……通信技術を活用したコミュニケーション
もちろん、応募してきた人を全員採用するわけではありませんが、年齢・性別・学歴を問わず介護職になりやすいような環境ができていくことが予想されます。
介護職をやってみたいという意欲のある方は歓迎されやすいので、資格取得を目指したり、資格取得支援のある事業所の求人をさがしてみるのがおすすめです。
よくある質問
ここでは、介護業界のホワイト企業についてよくある質問を紹介します。
ホワイト企業を見つける方法を教えてください
ホワイト企業をどう定義しているかは一人ひとり違います。
ですが、残業時間や年間休日数のような勤務体制、キャリアアップ制度、施設内の環境などが整っているかを確認することで、働きやすい環境かのおおよその判断ができます。
「ホワイト企業を見分けるポイント」で解説しているので、気になる方はご覧ください。
ブラック企業と思われる求人の特徴はありますか?
確実にブラック企業だと判断ができるものはありません。
ですが、傾向として気を付けた方が良い特徴は、求人を常に出しているところや、給与が極端に高かったり低かったりするところ、求人の詳細が記載されていない求人などがあります。
気になる方は「ブラック企業を見分けるポイント」の解説をご覧ください。
まとめ
ブラック企業が多いと思われがちな介護業界ですが、その原因は深刻な人手不足にあり、人手不足によって働きにくさを助長している状況です。
しかし、実際には政府の施策で給与面をはじめとして労働環境が大きく改善されており、働きやすい現場が増えています。
ホワイト企業はワークライフバランスが整っている、キャリアアップしやすい、厚生労働省の認定マークを取得している、施設の雰囲気が明るく清潔などの特徴があります。
反対にブラック企業は常に求人がある、相場よりも給与が高すぎる、または低すぎる、雇用契約があいまいなどの特徴があるのです。
介護業界は今後さらに需要が高まり、自動化や待遇の改善や人員確保のためにどんな人でも介護職になれる、続けやすくなるような取り組みが進むことが期待されます。
介護職で働きたいと思っている方は、挑戦してみてくださいね。

自分に合う施設を探したいなら介護ワークがおすすめ!
一人で求人を探すのは情報収集が大変で、何から調べたら良いのかわからず転職活動が進まないことがあります。とくに、求人の中でもホワイトな職場を希望する場合は、さらに条件が絞られるので難しくなります。
転職エージェントの介護ワークでは、希望条件にマッチする求人の紹介を行っています。ライフスタイルに合わせた働き方や、将来を見据えた働き方も提案できるので、お気軽にご相談ください。