「介護福祉士実務者研修」とは、介護能力をより高めていくために取る資格のことです。初心者向けの介護資格としては、「介護職員初任者研修」というものが存在していますが、介護福祉士実務者研修はそれよりもランクアップした資格です。

取得することで、介護の国家資格である「介護福祉士」の受験資格を得ることもできますから、転職しスキルアップしたい方は意識しておきたい資格です。介護福祉士実務者研修を取る条件や取得のメリット、取ればどんな転職ができるかを確認しておきましょう。

介護福祉士実務者研修とは?

まずは、介護福祉士実務者研修の概要を確認していきましょう!

専門的なスキルを持っていることを証明する資格

介護福祉士実務者研修とは、「専門的なスキルを持っている」ことを証明する資格のことです。「介護福祉士実務者研修」を有していることで、介護分野唯一の国家資格「介護福祉士国家試験」の受験も可能になってきます。

介護の研修・資格としては「介護職員初任者研修」と呼ばれるものが存在しますが、こちらは介護の基礎や最低限抑えておかなくてはならないスキルを獲得するのを目的としています。

介護職員初任者研修について詳しく紹介しています。あわせて読んでみてください。

一方、「介護福祉士実務者研修」はより幅広い専門的なスキルを身に着け、最終的に幅広い利用者に対する介護提供能力を獲得することを目標とします。かつて存在していた資格であるホームヘルパー資格では1級に相当します。

この介護福祉士実務者研修の到達目標は、2年以上の養成課程を持つ「介護福祉士」養成校の到達目標と同等ですから、持っていれば介護のプロとして、多くの職場で評価されるといえるでしょう。

豊富なスキルがあることを証明するので転職に有利!

介護福祉士実務者研修を持っていれば、介護の専門的知識があることを証明できるので、転職でかなり有利になります。

たとえば、最近の介護の現場ではたん吸引や経管栄養といった技能が求められていますが、介護福祉士実務者研修を持っていればこれらのスキルがあることを証明できます。

介護の技能だけでなく、介護の現場で必要となるコミュニケーション技術といった介護業界に関連する知識を習得していることも証明できるので、訪問介護サービスのコーディネート業務などを行う「サービス提供責任者」としても活躍することができます。

通称「サ責」のサービス提供責任者については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

サービス提供責任者は、訪問介護事業所に配置が義務づけられているので、それだけ活躍の場が広がるという意味を持ちます。介護福祉士実務者研修は自身の活躍の場を増やし、転職のチャンスを広げることができるといえるでしょう。

介護福祉士実務者研修を取得するメリット

介護福祉士実務者研修を取得するメリットとしては以下のようなものがあります。

介護に関する高い技術を身につけることで給与アップが見込める!

介護福祉士実務者研修を取得するには450時間のカリキュラム修了が必須です。時間だけを見ると、かなり長期間に渡るので尻込みをする人も多いでしょう。

しかし、このカリキュラムによって実務経験だけでは習得できない技能はもちろん、実地で培ってきた知識を体系化できます

近年、高齢化が進んだことで専門性の高い技能を持つ介護士が求められていますから、活躍の場が広がり転職がしやすくなるメリットがあります。

さらに、資格手当による給与のアップも望めます。今の職場での待遇がよくなるだけでなく、より良い条件の職場に転職することも可能です。

サービス提供責任者になれる!

介護福祉士実務者研修を取得すれば、介護の実務経験の有無に関わらず「サービス提供責任者」になることができます。

サービス提供責任者とは、訪問介護事業所の利用者とケアマネジャーやヘルパーとの関係をつなぎ、サービスの計画や利用調整をする仕事 です。

サービス提供責任者は、訪問介護事業所に必ず一人は配置しなくてはならない規則があるにも関わらず、資格を持つ人材はまだまだ不足しています。ですので、介護福祉士実務者研修を取得すればサービス提供責任者としても活躍でき転職が楽になります。

加えて、介護士とサービス提供者の月収差は4万円ほどあります。給与面の条件が良くなるメリットがあるといえるでしょう。

国家資格の介護福祉士の受験資格が得られる!

介護福祉士とは、介護業界唯一の国家資格です。介護福祉士の国家資格があれば、かなり転職が楽になりますし、高収入・好待遇の求人も狙えます。

ただし、介護福祉士の受験資格は年々厳しくなってきていて、「専門学校などでの2年間の教育課程を経ていること」などの条件が課されています。

しかし、介護福祉士実務者研修を修了していて、なおかつ、現場での実務経験が3年あれば介護福祉士の受験資格が得られるだけでなく、実技試験が免除されます。国家資格につながる資格というメリットもあるのです。

たん吸引や経管栄養の知識が身につく


高齢化が進行する昨今、「たん吸引」や「経管栄養」を必要とする人が増えてきました。このような背景もあって、これまで医療行為とされてきた「たん吸引」や「経管栄養」について、介護福祉士実務者研修の資格がある介護職員は、一定の条件のもとで実施が可能になりました。

在宅や老人ホームでは、たん吸引や経管栄養ができる介護職員のニーズがかなり高くなってきています。ですから、介護福祉士実務者研修を修了し、これらの技能を身につけておけば、就職や転職のときには非常に有利になるメリットがあるのです!

介護福祉士実務者研修の資格所持者が活躍できる職場

介護福祉士実務者研修の資格所持者は、老人ホーム、訪問介護事業所、デイサービス、グループホームといったすべての介護現場で活躍できます。「たん吸引」や「経管栄養」といった医療行為もできますので、介護の職場の第一線で働くこともできるでしょう。

さらに、介護福祉士実務者研修の資格があれば、サービス提供責任者として介護現場のキーパーソンになることもできます。

介護福祉士実務者研修の資格を活かした転職をしたいのならば、「介護福祉士実務者研修」といったワードを入れて求人検索をすると、好待遇の求人に出会うことができます。

さらに、介護福祉士実務者研修の資格取得のための講座が受けられるスクールの中には、それぞれの適正にあった求人や転職先を紹介してくれるスクールもあります。ですから、就職・転職サポートもしっかりと受けたいならば、それらのフォローもしてくれるスクールを探すようにしましょう。

介護福祉士実務者研修の資格取得条件と難易度について

介護福祉士実務者研修は、高卒や中卒といった学歴に関係なく受験可能です。介護経験もなくても可です。誰でも受験できるので、資格取得条件と難易度について確認しておきましょう。

資格取得条件

資格取得条件は、450時間のカリキュラムを修了し、試験や課題をクリアすることです。通信講座でも、スクーリングで直接授業を受けなくてはなりません。その後、実技試験や課題提出をし、合格判定を受ければ資格を取得できます。また、介護資格などを持っていれば、受講時間が一部免除されることもあります。

案外難しい?!取得の難易度

取得の難易度は低いです。課題や試験の結果が悪くても、課題の再提出や追試があり合格するまで挑戦できます。

ですので、取得が難しいということはありません。あえていうと、カリキュラムを修了するために450時間もの時間を捻出する方が大変だといえるでしょう。

通常、4ヶ月~6ヶ月程度かけてカリキュラムを修了する傾向にあるようです。

介護福祉士実務者研修を取得してより優位な転職をしよう!

介護福祉士実務者研修は450時間ものカリキュラムを受講しなくてはならない大変さもあります。

しかし、取得することで、老人ホームのフロアリーダーなどとして、介護業界のキーパーソンとして活躍することが可能です。

資格手当てがつく場合も多いので、給与のアップや好待遇の職場への転職も十分に期待できます。難易度自体は低いので、ぜひ、挑戦してみるようにしてください。