介護職で働こうと考えたとき、介護の仕事を続けられるか長く働く仕事として選んで大丈夫かなど不安になる方がいます。
また、介護職に転職をする前に介護業界の現状や将来性を知ることで、自分の働き方を検討することができます。
この記事では、介護職の現状や将来性、介護職への転職などについて解説をしていきます。
介護職への転職で悩まれている方は、是非ご覧ください。
介護の仕事は需要があり、介護職員の働く環境も改善されつつあります。今後もさらに働きやすい環境になっていくと予測される将来性がある仕事です。
ウィルオブ介護でも介護の仕事がしやすくなるためのサポート体制が整っています。現場にくわしいエージェントが希望条件に合う求人を紹介しているので、未経験や無資格の方も安心して働けます。早く仕事をスタートさせるためにも気になる方は、是非ご相談ください。
目次
介護職の現状
介護職に転職をする前に、介護業界の現状を把握しておきましょう。
そのことを考慮して転職活動をすれば、自分に合う働き方に近付けるようになりますよ。
要介護認定者数
介護を必要とする方は、年々増えていて利用者に対して介護職員が足りていない状況が続いています。
実際にどのくらい利用者がいるのか厚生労働省「介護保険事業状況報告」で発表されているので、一覧でまとめていきます。
【令和2年 要介護・要支援認定者数(全国男女計)】区分 | 第一号被保険者 | 第二号被保険者 |
---|---|---|
要支援1 | 94万8954人 | 1万2188人 |
要支援2 | 92万9624人 | 1万9593人 |
要介護1 | 138万17人 | 2万1104人 |
要介護2 | 113万9021人 | 2万6787人 |
要介護3 | 88万7351人 | 1万8271人 |
要介護4 | 83万4279人 | 1万5530人 |
要介護5 | 56万9407人 | 1万6118人 |
総数 | 668万8653人 | 12万9591人 |
※参照:厚生労働省「令和2年度 介護保険事業状況報告(全国計)」
厚生労働省の「令和元年度 介護保険事業状況報告(全国計)」によると、要介護・要支援者の第一号被保険者は655万8324人、第二号被保険者は12万7958人でした。
令和元年度と令和2年度を比べるといずれも増加しているため、今後はさらに多くの介護職員が必要とされることがわかります。
介護職員数
実は、介護職員の数は年々増えています。
厚生労働省が発表している「介護職員数の推移」によると、2018年度は194.4万人でしたが、2019年度には210.6万人となります。
サービス事業所や施設の傾向は以下の通りです。
【介護職員系列別】系列 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 |
---|---|---|---|---|
全体 | 189.9万人 | 195.1万人 | 194.4万人 | 210.6万人 |
訪問系 | 51.4万人 | 50.8万人 | 55.5万人 | 54万人 |
通所系 | 32.3万人 | 33.2万人 | 33.9万人 | 34.6万人 |
入所系 | 93.1万人 | 95.7万人 | 97.9万人 | 99.9万人 |
小規模多機能型住宅介護など | 6.5万人 | 7万人 | 7.2万人 | 7.5万人 |
※参照:厚生労働省「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について-介護職員数の推移」
ですが、介護職員だけでなく要介護支援認定者の数も増えているので、人手不足までは解消できていないのです。
2019年度の介護職員が210.6万人に対し、要介護認定者数は667万人でした。
事業所でも人手不足は感じているところが多く、全体で60.8%が人手不足を感じているという結果が介護労働安定センターの令和2年度介護労働実態調査でも出ています。
年齢
介護の仕事を始めるための年齢制限はなく、施設によっては定年後まで働けるのでいつでもチャレンジすることができます。
また、40代や50代からの転職は可能か悩まれている方もいますが、実は介護職で活躍する方の年齢は40代以上が多いのです。
【介護労働者の年齢割合】年齢層 | 割合 |
---|---|
30歳未満 | 6.8% |
30歳以上40歳未満 | 15.9% |
40歳以上50歳未満 | 24.5% |
50歳以上60歳未満 | 23.3% |
60歳以上70歳未満 | 17.9% |
70歳以上 | 5.9% |
無回答 | 5.8% |
※参照:介護労働安定センター「令和2年度介護労働実態調査の結果」
介護業界では、年齢以外にも未経験や無資格の方も挑戦しやすくなっているので、長く働く中で保有資格や経験に応じたスキルアップも目指せますよ。
賃金
介護業界が待遇改善を行っていることもあり、賃金は上がってきています。
介護労働安定センター「令和2年度介護労働実態調査の結果」によると、月給の場合は所定内賃金が243,135円で前年度よりも8696円増加しています。
賞与も62万6094円と上がっていて、前年度よりも26万5688円の増加となりました。
また、介護職は幅広い働き方があるので、仕事内容によって給料が変わってくるので、どのような差があるのかを一覧で確認をしておきましょう。
【職種別平均給与額(常勤者)】職種 | 平均給与額(月給) |
---|---|
介護職員 | 31万6610円 |
看護職員 | 36万9210円 |
生活相談員・支援相談員 | 33万8370円 |
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士又は機能訓練指導員 | 35万80円 |
介護支援専門員 | 35万3560円 |
事務職員 | 30万1940円 |
調理員 | 25万9270円 |
管理栄養士・栄養士 | 31万1190円 |
※参照:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(P.144)」
介護職で収入を上げたい方は、資格取得をして自分が目指す職種で働くことをおすすめします。
職種によって必要な資格がありますので、くわしくはこちらの「介護職で役立つ資格25種類を一覧で紹介!取得方法やメリットも解説」を参考にしてください。
離職率
介護職は大変な仕事だという印象で離職率も高いと思われるかもしれませんが、介護職の離職率は年々減少傾向にあります。
※参照:介護労働安定センター「令和2年度介護労働実態調査の結果」
ですが、採用率の下がり幅が大きかったことに比べ、離職率は緩やかな減少なので、今後も人材不足が続くと予測されます。
離職率が減少している理由として考えられることを、次の項目で解説していきます。
待遇は改善しつつある
これまで介護職の減少を話してきた中でも少し出ていますが、待遇改善が行われている部分もありました。
すでに処遇改善のため、介護職員処遇改善加算や介護職員等特定処遇改善加算などの介護の経験や技能に応じた加算額の適応や職場環境の改善などを行っています。
これに加え、2022年2月からは介護職員処遇改善臨時特例交付金も始まったことにより、今後も介護職員への待遇が改善されていくと考えられます。
この処遇改善に関する内容は、こちらの「介護職員処遇改善加算とは?改正で変わったことや要件など解説」でくわしく解説しているの、あわせご確認ください。
介護職の今後や将来性は?
これらのことを踏まえて介護職の今後や将来性ですが、まだ要介護認定者が増えていることもあるため、介護職の需要は高まっていくと予想されます。
また、収入の増加や離職率の減少など、現状を改善するための改善が行われている結果が出てきているので、今よりも介護職員への待遇が良くなると期待されています。
要介護認定者が増えて大変になると思われる方もいますが、同じように介護職員も増加傾向にあり、今後も介護職員が必要となる状況が続きます。
そして、介護職を始めるためには年齢や経験、保有資格などは関係ないためこれから始めたい方におすすめの職業です。
ですが、より良い条件で働くためには資格取得は必要となるので、早めに介護業界でやりたい仕事を見つけ、必要な資格を取得する必要があります。
これらを踏まえると、幅広い方が始められて資格取得などのスキルアップが目指しやすい介護職は、今後も需要が高まることが予測されるので将来性は十分にあるといえます。
今から介護職を始められる?
介護職に将来性を感じたら、介護の仕事を始めてみようと考える方はいます。
ですが、実際に介護について何も知らなくても始められるかわからず、なかなか挑戦することができない場合があります。
ここでは、介護職を始める前に出てくる疑問について説明していきます。
介護求人の繁忙期・閑散期
やはり、転職活動が活発になる時期だと、採用するためにも求人数は多くなります。
一般的に対象時期は、4月開始に向けて活動を始める1月~3月、下期や年末度に向けた10月の時期が転職の繁忙期と言われています。
逆に、転職活動が落ち着いてしまう5月や12月は閑散期となるので、求人数は通常よりも減ります。
ですが、介護業界は人手不足の状況が続いているので、一年を通して求人数は他業界に比べて多い傾向です。
繁忙期・閑散期を知ることで探せる求人の数に変化は出るものの、つねに求人がある状態なので自分が転職したい時期に合わせて転職活動することをおすすめします。
始めるのに適した年齢
介護の仕事は、利用者様を介護するために体力が必要で若くないと大変だと思われることがありますが、「介護職の現状-年齢」でも話したように年齢に関係なく始められます。
もちろん、年齢が高くなると体力面で不安を感じる方もいますが、施設によって仕事内容や勤務時間などで調整してもらえることもあるので、一度相談をしてみましょう。
また、年齢差があると話が合わないかもしれないと職場環境を気にされる場合も、施設や転職エージェントなどに確認しておくのもおすすめです。
キャリアアップを目指せる?
介護職でキャリアアップを目指すことは可能ですが、実務経験や適した資格が必要です。
業務内容によって必要となる資格が変わるため、やりたい仕事で資格が必要な場合はそれを取得する必要があります。
また、資格によっては一定期間以上の実務経験がなくては受けられないものもあるため、資格取得を目指す際は受講条件も確認しておきましょう。
くわしいキャリアアップの流れや必要な資格については、こちらの「介護職のキャリアアップとは?必要な資格や方法、職種について解説」をご覧ください。
退職金の有無
介護業界は賃金が低い印象を持たれている方もいるため、退職金などの待遇面は大丈夫か疑問に思われる方もいます。
施設によって変わりますが、退職金制度はあります。
退職金制度といっても導入している制度で支給額や支給方法などが変わるので、くわしくは「介護職でも退職金はもらえる!支給条件や金額の相場など解説」をご覧ください。
介護の仕事を目指すには?
介護職の現状や将来性も含めて検討をした結果、介護職の仕事をしたいと思った方は転職を目指しましょう。
ここからは、介護の転職を目指すコツを紹介していくので、介護職に転職したい方は是非参考にしてください。
未経験から介護の仕事への転職を目指している方は、こちらの「介護職は未経験・無資格からも可能?できる仕事や有資格との違いなど解説」も是非ご覧ください。
介護の仕事を知る
まず、介護の仕事がどのような内容かを知らなくては、探すきっかけが見つかりません。
介護の仕事は、介護を必要としている方の日々の生活を過ごしやすくするための介護を行います。
-
【具体的な仕事内容】
- 食事介助:食事中のサポート、食後の口内ケアなど
- 入浴介助:入浴準備、衣類の着脱、体や髪を洗うサポートなど
- 排泄介助:トイレの移動、おむつ交換など
- 移乗介助:ベッドや車いすへの移動サポート
要介護認定の数値によって介護の内容が変わってくるので、自分の経験や保有する資格などから選ぶことが大切だといえます。
仕事を探す際に目安としやすいのが資格の有無なので、資格がなくてもできる仕事や出来に仕事を以下でまとめました。
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【無資格でもできる仕事】
- 介護士のサポート業務
- 施設内や個室などの環境整備
- 食事の配膳
- 送迎業務 など 【資格が必要な仕事】
- 身体に触れる介護業務
- 訪問介護 など
細かい業務内容は施設によって違うので、事前に確認をしておきましょう。
年齢や経験に関係なく始められる
介護職の現状でも話をしましたが、介護の仕事は年齢制限がないので年齢に関係なく働き始めることができます。
また、施設によっては定年後も働き続けられるので、長く働きたい方におすすめの仕事です。
経験に関しても未経験から始められる仕事があるので、未経験や経験が浅くて業務に不安がある方は、未経験を受け入れている求人を選ぶようにしましょう。
施設によって内容は変わりますが、研修や仕事を教わることができる環境などの未経験を受け入れる環境が整っている場合が多いので、安心して仕事に臨めますよ。
働き方の選択肢が多い
正社員だけでなく、派遣社員やパートなど働き方の幅も広いので自分に合う働き方を選ぶことができます。
そのため、ライフスタイルに合わせた働き方をしたい方や派遣社員やパートなどのシフト調整がしやすい働き方を、フルタイムで働きたい方は正社員を選ぶようにしましょう。
もし、経験が浅くて不安な場合は、派遣社員やパートから始めて自信がついてから正社員を目指す方法もありますよ。
自分に向いている働き方がわからない場合は、転職エージェントに相談をしながら探すのがおすすめです。
希望条件に合う求人を探してもらえますし、転職エージェントによっては転職の際に必要となる履歴書の添削や面接時のアドバイスなどのサポート体制も整っています。
まずは介護職員初任者研修を取得
介護業界で長く働きたい方は、介護職員初任者研修を取得しておくと良いですよ。
基本的な知識や技術を学べますし、介護の求人は資格の保有を必須としているところもあるので、幅広い仕事に挑戦することができます。
介護業務の中には、特定の資格が必要になることもあります。
そういった仕事を目指したい方は、取得条件を確認して資格取得を目指すようにしてください。
介護職の資格にはどのような種類があるのかを知りたい方は、こちらの「介護職で役立つ資格25種類を一覧で紹介!取得方法やメリットも解説」で解説しているのであわせてご覧ください。
よくある質問
ここでは、介護職で働くうえでよくある質問を紹介します。
介護職は未経験や無資格から始めると大変ですか?
介護の仕事には、未経験や無資格の方からも始められるものがあるので、無理なく始められます。
最初は覚えることや慣れない仕事で大変ではありますが、研修制度や先輩介護士にわからないことを聞いたりすることもできるので安心して働けますよ。
未経験や無資格から始めたい方は、まずはこちらの「介護職の現状」で今の介護業界について知っておくと仕事探しの参考になるので気になる方はご覧ください。
介護職で長く働くために何をすれば良いですか?
自分がどのような働き方をしたいかを明確にし、自分に合う仕事を見つけることが大切です。
スキルアップを目指したい方は、資格を取得してできる仕事の幅路広げましょう。
介護に関する知識や技術も学べるので、介護職で長く働きたい方は介護職員初任者研修の資格を取得するのがおすすめです。
ほかにも、介護職で働くためのポイントを「介護の仕事を目指すには?」で解説しているので、あわせてご覧ください。
まとめ
介護業界の将来性を知るために、この記事では介護職の現状や今後についてなどを解説してきました。
介護の仕事は需要がある一方で、人手不足や介護職員の働く環境への問題が慢性的に続いているので、大変な仕事だと感じて転職を躊躇する方もいます。
ですが、少しずつではありますが、介護職員の賃金や働く環境などは改善されつつあるので、今後はさらに働きやすい環境になっていくと予測されます。
今後も介護の仕事は必要とされる状況が続くので、求人数も1年を通して安定した募集が出されていきます。
未経験で介護職への転職を検討されている方は、まずは未経験を受け入れている施設で介護の現場を経験し、長く続けても良いと思えるようになったら資格取得を目指しましょう。
現役の方でこれからどんな転職をすれば良いか悩まれている方は、転職エージェントに相談をすれば希望条件に合う求人を紹介してくれるので、自分に合う働き方を目指せますよ。
介護職の現状や将来性を考慮し、自分が介護職で働けるかを検討して希望する働き方ができるような転職活動をしてくださいね。
介護職は今後も働く環境の改善が進められて、需要も続くことから将来性がある仕事だといえます。長く働くために介護職への転職を検討されている方は、介護に特化した転職エージェントで仕事を探してみませんか?
ウィルオブ介護では、介護の現場にくわしいエージェントが希望条件に近い求人を提案しています。資格取得支援や履歴書の添削、面接のアドバイスなども行っているので、転職で不安がある方は是非一度ご相談ください。