介護職の有給は取りづらい印象が強いこともあり、働いても休みが取れるか不安に思う方はいます。

たしかに、介護職は利用者の状況によって対応しなくてはならないことや人手不足であることから取得しづらい施設もあります。

しかし、働く人で条件を満たしていれば取得できる休暇なので、取得する権利があるのです。

この記事では、介護職の有給休暇を取得している現状や取得しづらいといわれる原因、取得しやすくする方法などを解説していきます。

介護職員として働いていて有給休暇の取得に悩まれている方や、これから介護職で働こうと考えている方は有給休暇を取得する際の参考にしてください。

有給休暇を取得しやすい職場で働きませんか?

介護職員として働いている方もこれから始める方も、有給休暇を取得して働きたいのであれば、取得しやすい施設を選ぶことをおすすめします。

ウィルオブ介護では、介護職に特化しているので施設や職種などの希望条件に合わせた仕事の提案が可能です。相談だけでも可能ですので、転職を検討されている方はぜひお問い合わせください。

介護職の有給休暇について

まずは、有給休暇制度の仕組みや介護職での取得率などを解説していきます。

自分がどのくらい取得できているかを振り返り、これからの対策を立てる目安にしてください。

有給休暇を取得する条件と日数

有給休暇は正社員しかもらえないと思っている方もいますが、実は派遣やパート・アルバイトなどの雇用形態に関係なく条件を満たせば取得が可能です。

働き方・休み方改善ポータルサイト」によると満たす条件は2つあり、入社から6か月間の継続勤務をしていることと、全労働日の8割以上の出勤をしていることです。

正確な付与日数は会社によって異なりますが、一般的には勤続年数によって付与日数が変わるので下記の表を参考にしてください。

【通常労働者の付与日数】
【週所定労働日数が4日以下かつ週所定労働時間が30時間未満の労働者の付与日数】

このように、フルタイムの労働者や週4日以下や短時間の労働者に対しても年次有給休暇は出るので、自分がどのくらい取得しているかを確認しておきましょう。

介護職の取得率

有給休暇の取得日数について話しましたが、実際に取得している状況を業界別で見ていきます。

【労働者一人平均年次有給休暇の取得状況】
業種 平均付与日数 平均取得日数 平均取得率
令和3年調査計 17.9% 10.1日 56.6%
医療・福祉 16.4日 9.9日 60.3%
情報通信業 18.6日 11.7日 63.2%
製造業 18.6日 11.7日 62.6%
建設業 17.8日 9.5日 53.2%
卸売業・小売業 17.5日 8.7日 49.5%

※参照:厚生労働省「令和4年就労条件総合調査の概況

業種別に見ると、医療・福祉業界は取得率が60.3%で全体平均よりも高い結果だったので、休みを取りづらい印象とは違うことがわかります。

また、同じ資料の年次有給休暇の取得率の年次推移をみると、全体的に平成27年(2015年)より上がり続けていて有給休暇の取得がしやすい状況だといえるのです。

介護職はとくに、人手不足や労働環境の改善に向けの施策が進められているので、今後も改善していくと予測されます。

有給休暇の取得は義務化されている

2019年4月から有給休暇は年5日の取得が義務付けられていて、対象となるのは年次有給休暇が10日以上付与されている労働者です。

そのため、これまで有給休暇を取りづらいと感じていた方も安心して取得することができるようになりました。

有給休暇を取得する際は職場や業務の状況を見て、上司に相談をしていつ取得するかを決めるようにしましょう。

介護職で有給を取得しづらい理由

有給休暇は対象となる労働者であれば休みを取る権利があるのに、休みを取る申請がしづらいと感じるのか原因を知ることで取得しやすくなる可能性があります。

ここでは、介護職で有給休暇を取得しづらい理由について解説していきます。

現場で取得しにくい雰囲気が出ている

施設形態にもよりますが、介護の現場は何が起こるかわからないのでいつでも対応できるようにしておく必要があります。

そのため、つねに忙しい状況で休みを取るタイミングがわからず有給休暇の取得の申請がしづらいのです。

また、施設から有給休暇の取得方法を教えてもらえていなかったり、忙しくて休みを取りたいと相談ができかったりして、有給休暇の取得方法がわからない場合もあります。

そういうときは、一言でも良いので上司や先輩に相談をしてみましょう。

人手不足で言いづらい

介護業界では、慢性的に続いている問題の一つに人手不足があります。

人手が足りていない施設の場合、一人が担う業務が多くて一日でも抜けると施設に迷惑をかけてしまう恐れがあると感じて休みを取りづらくなります。

その場合は、取得する方法を変えることで有給休暇の取得がしやすくなるので、状況に応じて工夫をしてみてください。

有給休暇を取得する方法

ここからは、有給休暇を取得しづらいと感じている方が少しでも取得しやすくなるようなコツを紹介していきます。

有給休暇の取得で悩まれている方は、取得するときの参考にしてください。

早めに希望を伝える

急に伝えると現場や利用者に迷惑をかけてしまうため、前もって有給休暇を取る日を伝えておきましょう。

前もって申請をしておくことで業務の調整ができるので、休みを取ったとしても対応してもらえます。

もちろん、自分がやってもらうだけではなく、ほかの人が休みを取ったときには協力をすることも大切です。

また、施設によっては有給休暇を申請する手順を定めているところもあるので、規則を確認してそれに準ずるようにしてください。

繁忙期を避ける

基本的にいつ有給休暇を取っても良いのですが、施設によってイベントやレクリエーションの開催のような忙しくなる時期は避けるようにしましょう。

忙しいときは人手が必要なので、そこで休まれてしまうと現場の負担が増えてしまいます。

これは強制ではありませんが、少しでも周囲への影響を考えてしまう方は取得時期をずらすことがおすすめですよ。

一気に消化をしない

有給休暇を取る暇がないからと、どこかで一気に消化をしようと考える方がいますが、一気に消化をすると逆に迷惑になることがあります。

休む期間が長いとそれだけ人手が足りない期間も長くなり、代わりに業務をしてもらう職員の負担が増えるのです。

そうならないためにも、普段からこまめに有給休暇を消化していくようにしてください。

転職を検討する

施設や現場によっては工夫をしても取得しづらく、個人ではどうにもならないこともあります。

その場合は、もっと有給休暇を取得しやすい環境が整った施設への転職を検討もおすすめですよ。

施設形態や雇用形態など幅広い選び方ができるので、一人で転職先を探すことが難しい場合は介護職に特化した転職エージェントに相談をしてみましょう。

おすすめの転職エージェントについては、こちらの「介護の転職を攻略!おすすめの転職サイト15社を特徴別に比較」を参考にしてください。

取得しやすい施設の特徴

前の項目で有給休暇を取得しやすい施設への転職もおすすめと話をしましたが、どのような施設有給休暇を取りやすいかわからないものです。

ここでは、有給休暇を取得しやすい施設の特徴を紹介するので、転職を検討している方はぜひ参考にしてください。

介護職員が多い施設

介護職で有給休暇を取得しづらい理由」でも人手が足りないと休みが取りづらいと話をしました。

そのため、施設内で働く介護職員が多い施設を選ぶようにすることで一人が担う業務負担が軽減され、休みの間に代わってもらいやすくなります。

有料老人ホームのような大型施設だと介護職員も多く、休みが比較的取りやすい傾向があります。

有給休暇の消化に力を入れている施設

施設によっては、介護職員の職場環境の改善をするための環境づくりに力を入れているところもあります。

福利厚生や勤務体制などを確認して、有給休暇も取得しやすい対策を取っている施設であれば取得しやすいといえます。

転職などで仕事を探すときには、施設の待遇面や職場環境などもしっかり確認をして自分に合うかを検討していきましょう。

よくある質問

ここからは、介護職での有給休暇取得に関する疑問を質問形式で解説していきます。

有給休暇は取得しなくてはなりませんか?

2019年4月からは、年5日の有給休暇を取得することの義務化がされているので有給休暇の取得が必要です。

もちろん、有給休暇は取得する権利があるので予定や体調などに合わせて上手に使うことをおすすめしています。

有給休暇については、こちらの「介護職の有給休暇について」をご覧ください。

休みの申請がしづらいときの解決方法はありますか?

職場や利用者に迷惑がかからない取り方をすることを考え、取得の申請をしましょう。

たとえば、有給休暇を予定している日に近すぎると休む間の業務を代わってもらう引継ぎがうまくいきませんし、現場の調整が難しいので迷惑がかかってしまいます。

また、余裕をもって有給休暇を取るにしても一気に5日間休んでしまうと、業務を代わってもらう期間が長くて逆に負担をかけてしまう恐れがあります。

ほかにも「有給休暇を取得する方法」で解説しているので、これから有給休暇の取得を取る予定の方は参考にしてください。

まとめ

介護職は休みを取りづらい印象を持たれている方は少なくありませんが、実際は有給休暇の取得状況は改善してきているためそこまで取りづらいとは言い切れません。

2019年4月からは有給休暇を年5日取得することが義務化されていこともあり、どの業界でも有給休暇の取得がしやすくなっています。

しかし、有給休暇を予定している日が近かったり、忙しい時期などの場合は取得が難しいこともあるため、職場の状況を見つつ余裕をもって申請をしましょう。

個人で工夫をしても有給休暇の取得ができないのであれば、有給休暇を取得しやすい施設への転職を検討するのも効果的です。

有給休暇は働く人に与えられた権利なので、上手に活用して体に負担をかけない働き方を目指していきましょう。

有給休暇の活用ができる施設で働きたいならウィルオブ介護に相談!

施設によって異なりますが、有給休暇の取得に力を入れているところもあります。そのため、上手に有給休暇を活用しつつ仕事をしたい方は施設選びも大切です。

ウィルオブ介護は介護職に特化しているので、施設に関する情報も保有しています。希望条件に近い施設の中から一人ひとりに合う働き方の提案も可能です。有給休暇が取れないと悩まれている方は、ウィルオブ介護に相談しながら転職を検討してみませんか?

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