介護職は身体的な負担が大きく、若い世代が活躍しているイメージを持つ方がいます。

近年では、40代・50代のミドル世代だけでなく60歳以上のシニア世代が働いている施設も増えていて、定年退職後のセカンドキャリアとして人気です。

しかし、実際には年齢が採用に影響するか、何歳まで働けるのか、体力的・時間的に勤務可能かなど不安に思う方もいます。

この記事では、介護職に年齢制限があるのか、中高年の方が介護業界で働くメリットや気を付けること、転職するときのポイントについて解説していきます。

ミドル・シニア世代が介護職を目指すなら派遣登録がおすすめ

介護業界は需要が高い定年退職後に再就職することが可能です。その中でも派遣雇用は年齢制限や定年が設けられておらず、より長く働けます。

「ウィルオブ介護」では、50歳以上でも未経験・経験者に関係なく転職の成功実績があります。介護の現場にくわしい担当者がサポートをしますので、転職を検討されている方は相談だけでもしてみませんか?

介護職は何歳まで続けられる?

結論から言うと介護職にはとくに年齢制限は設けられておらず、何歳まででも働くことができます。

正社員雇用については定年が60~65歳になっている施設が多いですが、定年後も嘱託や非常勤、臨時職員、アルバイト、派遣などさまざまな形での勤務が可能です。

介護業界が幅広い年齢を対象に職員の採用を行う理由としては、業界全体が深刻な人手不足に悩まされていることがあげられます。

厚生労働省「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」によると、2025年度には約32万人、2040年度には約69万人の介護職員が不足するといわれています。

年々介護を必要とする高齢者は増え続けているのに対し、介護職員の人数の確保が追い付いていないのが現状です。

また、介護職では年齢よりも人柄を重視しての採用を行う傾向があるので、介護職に挑戦したい気持ちや社会貢献したい熱意がある人は働くチャンスがある業界です。

介護職員の平均年齢

では、実際介護職員の平均年齢はどうなっているのかデータを見ていきます。

【労働者年齢階級 介護職員全体】
30歳未満 6.5%
40歳未満 14.8%
50歳未満 23.9%
60歳未満 23.9%
70歳未満 18.8%
70歳以上 6.5%
無回答 5.4%

※参考:令和3年度介護労働実態調査「事業所における介護労働実態調査 結果報告書」P87

令和3年の調査では介護職員全体の平均年齢が50.0歳となっており、とくに40代・50代の割合が半数近くとかなり多い傾向です。

また、60代・70代以上の職員の割合も25.3%(およそ4人に1人)と高く、介護業界は高齢になっても十分活躍できる環境だといえます。

20代・30代の割合は21.3%(およそ5人に1人)と60代・70代以上の職員よりも低く、介護業界では雇用の面で若いから優遇されることはありません。

中高年が介護業界で働くメリット

前項目のデータから20代・30代の若い世代の介護職員は意外と少なく、40代・50代が多く活躍していることがわかりました。

このような傾向がみられるのは、介護現場では40代・50代のミドル世代だからこそ活かせる強みやメリットがあるためです。

ここではミドル・シニア世代が介護業界で働くメリットを見ていきます。

利用者とコミュニケーションが取りやすい

利用者である高齢者とコミュケーションを取るときに、ミドル・シニア世代の持つ社会人経験が役立つ場面があります。

たとえば、相手の希望を汲み取る能力や幅広いジャンルの一般教養など、これまでに積んできた経験は大きな武器です。

ほかにも子育てや家事、昔流行したものの話題など、プライベートも含めて共通の話題があるため、利用者の安心感が生まれやすいのです。

また、体力の低下や老眼など同じ悩みを持つミドル・シニア世代だからこそ利用者の気持ちに寄り添うことができ、信頼関係を築くことにつながるのです。

働き方が選べる

介護職では正社員以外にもパート、アルバイト、派遣などで短時間労働も可能なため、それぞれのライフスタイルに合った働き方を選ぶことができます。

また、雇用形態の面以外でも介護職は施設形態ごとに特色が異なっているので、自分ができること・できないことに合わせての職場選びも可能です。

自分の体力や生活時間との兼ね合いを見ながら無理なく長く続けることができるのが介護職の魅力の一つだといえます。

同年代の職員が多い

「介護職員の平均年齢」のデータからもわかるように、介護現場では40代・50代の介護職員が多く働いているため同世代がなじみやすい環境です。

同世代の介護職員と一緒に働けることで、わからないことの質問や職員同士のコミュニケーションが取りやすく、安心感を持てるのです。

スタッフ間の仲が良いことでスムーズな業務につながり、ストレスが少なく長く続けやすくなります。

今後のための知識が身につく

介護職に転職することで、身体介助の技術はもちろんのこと、介護に関する制度や仕組み、介護現場の状況をくわしく知ることができます。

たとえば自分の親が介護を必要としたときに、これらの知識があることで介護を受けるための煩雑な手続きを円滑に進めることができます。

介護の知識は仕事だけではなく、自分自身や親が介護を受けるときにも役立ち、プライベートでも活かせるものです。

中高年が介護業界で働くときの注意点

40代から70代までのミドル・シニア世代が介護職として働くことのメリットは多く、年齢を気にせず働くことが可能です。

しかし、人生経験豊富なシニア世代だからこそ新しい環境で働くときに意識するべきこともあります。

ここでは、中高年がこれから介護業界で働くときに気を付けておきたい注意点を解説していきます。

職場のルールやマナーを守る

どの業界や職種にも言えることですが、まずは職場のルールやマナーを覚えましょう。

とくに、中高年の場合はこれまで働いてきた職場に慣れてしまっていることで、今までと違うルールやマナーに戸惑う可能性があります。

しかし、職場が違えば仕事内容やルール、習慣も違ってくるため新しく覚えなおすことを心がけてください。

年功序列の考え方を捨てる

中高年がこれから介護職に挑戦していくとなると、上司や先輩スタッフは自然と年下が多くなってしまう可能性があります。

しかし、自分のほうが年上だからと言って、年下の上司や先輩スタッフの指示にいらだちを覚え、衝突してしまうと良好な関係を築くことはできません。

年功序列の考え方を捨て、自分より年下の相手に対しても謙虚な気持ちで接することが大切です。

利用者や職員の顔と名前を覚える

介護の現場では、スタッフや利用者とのコミュニケーションが重要になってきます。

そのためには、入職したら一緒に働くスタッフや利用者の顔と名前を覚え、会話をしやすい状態にしましょう。

覚えるのが苦手な人はメモを常に携帯し、一人一人の名前や特徴、話した内容、人柄、性格などを記録することで覚えやすくなりますよ。

スマホやタブレットの操作に慣れておく

近年ではスマートフォンやタブレット、PCなどのデバイスを活用し、利用者の情報を管理している介護施設が増えています。

介護業界に限ったことではないですが、今後長く働き続けることを視野に入れて電子端末の基本的な扱い方を身に付けておく必要があります。

高度なスキルが求められるわけではないので、就職・転職前には家族や友人に協力してもらい、メールやLINEを送ってみるなどの練習をしておきましょう。

体力的にきついときは無理をしない

シニア世代になってから介護職に挑戦する方は、20代・30代の若い世代と共に働くことになり、体力的に若い世代の介護職員についていけない場面が出てきます。

体力的にきついと感じたことについては正直にできないと職場に伝え、自分の得意分野を中心に業務ができるようにしていきましょう。

自分も周囲もできることやできないことを把握しておくことで、職場全体の働きやすさにつながりますよ。

中高年が介護業界に転職する時のポイント

ここでは、ミドル・シニア世代が介護業界への転職を成功させるためのポイントを紹介します。

大規模な事業所がおすすめ

初めて介護業界で働く方は、できるだけ規模が大きく大手企業が運営している施設を検討するのがおすすめです。

小規模の施設は一人当たりの負担が大きく、教育体制も整ってないことが多いため経験者向けの傾向があります。

規模の大きな施設は職員の年齢層が幅広く、勤務する介護職員も多いことでシフトの融通が利きやすく、しっかりと指導を受けることができますよ。

取得資格で介護への意欲をアピール

介護職が未経験であっても事前に資格取得をすることは可能なので、これから介護職を目指すのであればまず資格取得を目指すのもおすすめです。

資格を取得することによって書類選考や面接のときに介護への意欲をアピールができるため、介護経験がなくても採用される確率が高まります。

とくに、基本的な介護の知識が身に付く介護職員初任者研修を取得しておくと実際に介護現場で働く時にも安心感を持てますよ。

希望する働き方を明確に決めておく

介護職への転職の準備をするときには、施設形態・勤務時間・雇用形態などの希望条件を明確に絞っておくと求人が探しやすくスムーズです。

  • 体力的、時間的にどのくらい働けるのか
  • 夜勤可能か
  • 職場の雰囲気
  • 希望の休暇日数
  • 勤務形態(正社員かそれ以外か)

これらの条件について具体的に設定しておくことで、自分の希望する働き方の施設が分かってきます。

また、自分の中でどの条件を優先して求人探しをするかを考えておくと、より希望の条件に近い求人が見つかりやすくなりますよ。

謙虚な姿勢を見せる

介護職では、これまでの経歴や学歴よりも人柄を重視して採用を行う傾向があります。

とくに、ミドル・シニア世代については利用者に対する姿勢だけでなく、若い世代からの指示を受け入れられるか、人の意見を聞けるかが面接で見られるポイントです。

介護は一人で行うものではなく、ほかの介護スタッフや医療職スタッフとチームで行うので、謙虚さや柔軟性を持って面接や業務に臨みましょう。

よくある質問

では、これまでの内容を参考に、不安を感じるポイントを質疑応答形式で解説していきます。

介護の仕事に年齢制限はありますか?

結論からいえば、年齢制限はありません。

「介護職員の平均年齢」で話しているように40代・50代が一番多く、60代・70代以上でも活躍している介護職員は多いのです。

また、介護業界は幅広い年齢の人材を受け入れているので、年齢に関係なく挑戦しやすい傾向もあります。

つまり、始めやすく長く働ける仕事の一つだといえるのです。

介護業界で長く働くためのコツはありますか?

どの業界でも同じことを言えますが、職場が変わるとルールも変わるのでそれに対応していく柔軟性があると、環境が変わっても働き続けやすくなります。

また、第二の人生として介護職に転職する場合は、年齢によっては年下の上司がつくことがあります。

そのため、年功序列の考えがあると年下から教わることにストレスを感じる場合があるので、年下の上司がついても受け入れられるような気持ちでいられるようにしましょう。

ほかにも、こちらの「中高年が介護業界で働くときの注意点」でくわしく解説しているので、気になる方はご覧ください。

まとめ

介護職では基本的に年齢制限がなく、若い世代だけでなくミドル・シニア世代も多く活躍しています。

定年は一般的な企業と同じように60~65歳の事業所が多いですが、定年退職後にも再雇用や嘱託、パートアルバイトや派遣雇用などで働き続けることが可能です。

介護職の平均年齢は50歳、もっとも多い年齢層は40代・50代となっており、60代以上も多く活躍していることから、年齢に関係なく長く働ける業界だといえます。

これまでの人生経験を活かして利用者に寄り添った介護をすることができるのが、ミドル・シニア世代の強みです。

体力的に不安な業務が出てくることもありますが、その時にはきちんと職場に共有し、ほかの職員と協力しながら取り組んでいきましょう。

介護職に興味がある方は、ぜひ挑戦してみてくださいね。

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