介護保険を使えるサービスは、合計で26種もあります。

サービスの内容は、自宅に訪問するサービスから介護用具を貸与・購入できるものまでさまざまです。

保険内・外の介護サービスをきちんと理解し、自分にぴったりのサービスを選ぶようにしましょう。

保険内の介護サービス26種

保険内の介護サービスとしては、合計で26種あります。

これら26種を形態ごとに分類すると以下のようにわけられます。

自宅に訪問するサービス6つ

自宅に介護スタッフ等が訪問して行うサービスです。以下の6つがあります。

  • 訪問介護・・・訪問介護員が利用者の自宅を訪問し、入浴、排泄、食事などの身体介護や生活援助を行うサービスです。
  • 訪問入浴介護・・・看護職員と介護職員が浴槽を積んだ車で利用者の自宅を訪問して、入浴の介助を行います。
  • 訪問看護・・・看護師が利用者の自宅を訪問し、診療の補助業務を行います。
  • 訪問リハビリ・・・ 利用者の身体機能の維持回復及び日常生活の自立を助けるために、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士といったリハビリの専門家が利用者の自宅を訪問し、リハビリテーションを行います。
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護・・・緊急時の対応などを日中夜間通じて24時間、介護と看護のサービスを受けられます。
  • 夜間対応型訪問介護・・・定期巡回や通報システムによるオペレーションセンターサービスなどを活用した夜間専用の訪問介護を受けられるサービスです。

施設に通うサービス5つ

高齢者が日帰りで施設に通い利用するサービスです。

  • 通所介護・・・通所介護事業所(デイサービス施設)で食事、入浴などの日常生活上の支援や、機能訓練などの支援を日帰りで受けることができます。
  • 地域密着型通所介護・・・通所介護事業所で、日常生活上の支援などを受けることができるサービスで、入浴や送迎といったサポートを受けられます。
  • 通所リハビリテーション・・・介護老人保健施設や医療施設といったリハビリができる施設で、日常生活上の支援や生活行為向上のためのリハビリテーションを、日帰りで受けられるサービスです。
  • 認知症対応型通所介護・・・認知症の方を対象にした通いの介護事業所で、機能訓練、専門的なケアなどを日帰りで受けられます。
  • 療養通所介護・・・難病、認知症、脳血管疾患後遺症等の重度要介護者又はがん末期患者を対象にしたサービスで、自立した日常生活を送ることができるよう、自心身機能の維持回復のためのケアを日帰りで受けることができるサービスです。

短期間の宿泊によるサービス2つ

高齢者が決められた日数だけ施設に宿泊して受けるサービスです。

  • 短期入所生活介護・・・特別養護老人ホームなどの福祉施設に短期間入所し、機能訓練などを受けます。
  • 短期入所療養介護・・・介護老人保健施設や医療施設などに短期間入所し、医学的管理のもとで機能訓練などが受けられます。

訪問・通い・宿泊を組み合わせたサービス2つ

訪問・通い・宿泊の利点を組み合わせたサービスです。

  • 小規模多機能型居宅介護・・・通いのサービスを中心にしつつも、場合によっては訪問のサービスや泊まりのサービスを組み合わせたプランを提供してもらえます。
  • 看護小規模多機能型居宅介護・・・医療的なケアを必要とする利用者に対して、医療ケアと小規模多機能型居宅介護と訪問看護を組み合わせたサービスを提供します。

施設で生活するサービス5つ

施設に日数を決めずに滞在し、生活することができるサービスです。

  • 特定施設入居者生活介護・・・介護保険の指定を受けた有料老人ホーム等で、日常生活上の支援や介護を受けられるサービスです。
  • 介護老人福祉施設・・・常に介護が必要で在宅での介護が困難な利用者が、入浴、排泄、食事等の介護や機能訓練などを受けられるサービスです。
  • 介護老人保健施設・・・病状が安定した利用者が、在宅に復帰できるようにリハビリテーションを中心とする医療ケアを行うサービスです。
  • 介護療養型医療施設・・・長期間にわたる療養や介護が必要な場合に入所し、医療ケア、介護、機能訓練等医療サービスが受けられます。
  • 介護医療院・・・医療と介護の必要がある利用者を対象として、「日常的な医学管理」や「看取りやターミナルケア」等の医療サービスを行います。

地域密着型の入居施設で受けられるサービス3つ

介護が必要になっても住み慣れた地域で生活が継続できるように、地域に密着した施設に入居して利用するサービスです。

  • 地域密着型特定施設入居者生活介護・・・介護保険の指定を受けた地域密着型の施設で、日常生活上の支援や介護を受けられます。
  • 認知症対応型共同生活介護・・・認知症の方が、 5~9人単位で、家庭的な雰囲気のもと共同生活をし、日常生活上のケアや介護を受けられます。
  • 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護・・・入所定員30人未満の地域密着型の施設で、可能な限り自立した日常生活を送ることができるように支援を受けられます。

福祉用具を使うサービス2つ

車いすなどを利用するサービスです。

  • 福祉用具貸与・・・車いす、歩行器などの福祉用具を借りる(レンタル)ことができるサービスです。
  • 特定福祉用具販売・・・排泄用具や入浴用いすなどを購入したとき、購入費の支給を受けられるサービスです。

介護の相談・ケアプラン作成に関するサービス

介護の相談・ケアプラン作成のためのサービスです。

  • 居宅介護支援・・・介護サービスを必要とする方が適切にサービスを利用できるよに、サービスを提供する事業所等との連絡・調整等を行い、ケアプランを作成するサービスです。

保険外の介護サービスとは

保険外の介護サービスとしては、暮らしのお手伝いが該当します。

たとえば、以下のようなサービスは保険外です。

  • 趣味のための外出介助/旅行の付き添い
  • 金銭の管理
  • 契約書の記入代行
  • 同居する家族の洗濯、調理、買い物、布団干し
  • 介護サービス利用者以外の家族の部屋の掃除
  • おせちなどの特別な料理の調理
  • 大掃除といった特別な掃除
  • 庭の草むしりや樹木の手入れ
  • ペットの世話
  • 来客対応

以上のようなサービスは、介護保険外サービスです。

実費負担で家事代行業者などに依頼をする必要があります。

【介護職で働く人向け】働きやすい介護サービスの選び方

働きやすい介護サービスの選び方とは、そのサービスの特質をしっかりと意識し、選択するということです。

たとえば、入所型の介護サービスならば、ベテランスタッフも多く存在しているので、介護系の資格を取得しておらず、働きながら学びたい人におすすめできます。

さらに、通所型の介護サービスならば、一部の施設を除いて、夜勤がないので、日中に仕事を終えたい人は働きやすいでしょう。

自分がどんなサービスをしたいのかをしっかりと意識をしておけば、自然と働きやすい介護サービスを見つけることができるでしょう。

転職エージェントに相談してみるのもおすすめです。

こちらの記事で介護士が実際に利用した転職サービスをまとめていますので、ぜひご覧ください。

【利用者向け】介護サービスの選び方

介護は突然、必要になることもあります。

その結果、あまり自分で考えずに、すべてをケアマネジャーに任せてしまうことが多いでしょう。

しかし、どの介護サービスを利用するかは、自分自身でもしっかりと考えておく必要があります。

選ぶ基準として大切になるのは、どんな日常生活を送らせてあげたいかということです。

住み慣れた地域で過ごさせてあげたいならば、地域密着型のサービスがおすすめになります。

なるべく自宅で過ごさせてあげたいのならば訪問サービスや通所サービスがおすすめです。

介護が必要な高齢者とどんな生活を送りたいのかを明確にし、ケアマネジャーと一緒に、介護サービスを選んでくださいね。

おわりに:介護サービスの理解は、利用する際も転職する際も必要になる

保険内の介護サービスは合計で26種類あります。

サービスは、施設に通うサービスや介護職員に自宅に来てもらう訪問介護サービスなど、さまざまな種類に分類することが可能です。

サービスには、それぞれ特色があります。

ですので、働く際には、そのサービスがどのようなもので、自分がしたいことと一致しているかを確認する必要があるでしょう。

さらに、サービスを選ぶ時も、そのサービスを利用することでどのような日常を送れるかを考えておく必要もあります。

サービスを理解して、サービス利用や転職をするようにしてください。

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