どの業界においても、転職者が面接で必ずと言っていいほど聞かれるのが、前職または現職からの「転職理由」です。

それは、介護業界も例外ではありません。

転職理由を他の質問に比べて重要視する職場は多いので、上手に伝えることが出来なければ、 面接通過が難しくなってしまう場合もあります。

ここでは、介護職経験者が転職する際にどのような転職理由を伝えるべきか、どんな内容が担当者の気持ちをつかむのか、よくある理由とダメな理由をあげて説明していきます。

転職理由で悩まれている方は、是非参考にしてくださいね。

転職理由には避けた方が良いものがあります

転職理由によっては採用担当者に悪い印象を与えてしまうことがあるので、言い方に気を付けて伝えるようにすることが大切です。

ウィルオブ介護では、求人の紹介だけでなく、履歴書や面接のアドバイスを行っているので転職理由の伝え方や作成するポイントなどを学ぶことができます。ほかにも、資格取得支援制度の適用や入職後のサポート体制が整っているので、転職を検討している方は是非ご相談ください。

介護職で多い転職理由5選

よくある転職理由を知ることで、自分はどのような理由で退職をするのか目安をつけることができるため、転職理由が書きやすくなりますよ。

今回の転職理由は、介護労働安定センターが発表している「令和3年度介護労働実態調査」のデータをもとに上位にあるものを参考にしています。

職場の人間関係トラブル

介護の現場では、上司や職員、利用者や利用者家族など多くの方と接する機会が多くあります。

そのためトラブルも起こりやすく、それを苦に職場を離れる方もいるのです。

精神的にストレスがかかってしまいますし、仕事にも影響が出てしまうこともあるので性別や職種に関係なく上位にあげられています。

結婚・妊娠・出産・育児などの生活変動

とくに女性に多い理由で、力や体力が必要となる場面がある介護職では早めに休職や退職をする傾向があります。

これは、もともと介護職員は女性が多いことも上位にある要因の一つともいえるでしょう。

また、施設によっては産休・育休などに対する体制が整っているところがあるので、体制が整っている施設への転職を検討する方もいるのです。

将来への見込みが立たない

介護職は、介護職員初任者研修や介護福祉士などの資格を取得することで幅広い業務に携わることができますし、専門性の高い職種に就くこともできます。

ですが、資格取得に必要となる実務経験を積むのに数年かかることがあるので、将来に不安を抱くようになって転職を考えるようになります。

介護業界では待遇改善のための対策が進められていますが、施設によっては待遇が低いところもあるので、現状のまま働き続けても将来に見込みがないと感じてしまうのです。

収入が少ない

やはり、収入が少ないと不安を感じて転職するといった考えを持つ方は多く、転職理由としても上位に挙げられています。

収入を上げるには、資格を取得して専門性が高い職種を目指す、役職に就くなどの方法がありますが、より給料が高い施設への転職が一番早く給料アップを目指せます。

介護士の平均年収や月給について知りたい方は、こちらの「介護士の平均年収・月給はどのくらい?」をあわせてご覧ください。

今よりも良い職場や仕事があった

これまでの内容が含まれていますが、様々な要素を考慮して今の職場に不満がある場合は、今よりも良い環境で働きたいと考えるため、転職理由として上位にあります。

仕事内容や待遇面などの直接的な影響だけでなく、施設の方針や経営理念などの大きな部分で自分に合わないと働きづらいと感じ、仕事のモチベーションが下がってしまいます。

そのため、より自分に合う働き方ができる環境や仕事を見つけるために転職を決意する方がいるのです。

面接官が転職理由を聞く理由

面接官のイメージ


面接官は、履歴書を見て施設に合うかを検討します。

そのため、求人情報や施設の方針に合っていないと採用されにくくなるので、どのような人材を求めているかを知っておくと転職理由を書く方向性が見つけやすくなります。

面接官が応募者のどのようなところを知りたいか、気になるポイントがどこかなどを以下でまとめて紹介します。

【面接官が知りたい4つのポイント】
  • 長く働いてもらえるだろうか?
  • 丁寧に仕事をこなしてくれるだろうか?
  • 周囲とのコミュニケーションはうまくとれるだろうか?
  • 自分のミスをしっかり認めて成長できるか?
【面接官が気にしている4つのポイント】
  • すぐに辞めてしまうのではないか
  • 仕事へのスタンスが甘くないか
  • 周囲のスタッフと良い関係を築けるだろうか
  • 不平・不満が多く、他人のせいにしがちな性格ではないか

転職理由を話すときは、このような面接官が気にしている点をふまえて答えるのが大切です。

応募者について面接官が何を気にしているかに注目してみると、面接で回答する内容も考えやすくなりますよ。

転職理由を伝える5つのポイント

これまで介護職に多い転職理由や面接官が何を気にして聞いているかを解説してきたので、ここからは面接や履歴書で転職理由を伝えるときのポイントを紹介します。

介護職だけでなく、別の業界への転職でもいえることなので参考にしてください。

前職の情報や悪口を言わない

面接時に前職はどうだったかを聞かれることがありますが、このときにどこまで伝えて良いか悩まれる方は少なくありません。

雇用契約の際にも言われていると思いますが、施設や会社の情報は他では話さないようにしましょう。

面接官も話せる範囲で良いと考えているので、前職で公開している情報までであれば問題ないといえます。

また、前職について話していくと熱が入って愚痴や悪口につながってしまうことがあります。

前職の愚痴や悪口は良い印象を与えないので、話の流れで言わないように気を付けてください。

嘘をつかない

経歴や経験などに不安があり、採用されるためにと誇張したり嘘を言ったりすると、それがばれたときに信頼を失うことになります。

それだけでなく、嘘をついて採用されたとしても業務についていけなくなる可能性があるので、仕事を続けることが困難になって自分を苦しめてしまいます。

自分のためにも、嘘はつかずに正直にありのままを話すようにしましょう。

ネガティブな理由はポジティブに言い換える

退職理由には良い印象や悪い印象を与える理由があるため、事実だとしても伝え方に注意する必要があります。

あまり良くない理由だったとしても、言い方や考え方を変えることによってポジティブな内容に変えることができます。

まずは自分が転職を決めた理由を書き出して、それがどんな受け取られ方をするか考え、面接官に悪い印象を与えずに伝えられる書き方を検討して書くようにしてください。

社会人としてのマナーを守る

基本的なマナーが守れていないと印象が悪くなってしまう恐れもあるため、細かいところまで気を配ることを意識してください。

たとえば、履歴書であれば資格や職歴などを正式名称で書くようにしたり、相手が読みやすい文字の大きさを意識する、手書きの場合はボールペンで書くなどがあります。

面接では面接官と対面するので、身だしなみや姿勢、言葉遣いなどに気を付けて失礼が内容にしましょう。

もし、マナーができているか不安な方は、転職エージェントによっては面接対策や履歴書の添削などを行っているので相談してみるのもおすすめですよ。

仕事に対して前向きな姿勢を見せる

未経験の場合はとくに、介護職に対して前向きな姿勢を見せることをおすすめしています。

求人によっては介護未経験の方を受け入れているものがあるので、介護職に対して関心があり、前向きな姿勢で働いてもらえる方が採用される傾向があります。

ほかにも、介護職に関心があれば長く働いてもらえるという期待も込められているので、介護職のどのような部分に関心があるのかなどを事前にまとめておきましょう。

ポジティブに言い換える方法と例文

前項目で話したように、ネガティブな理由でもポジティブに言い換えることで面接官に悪い印象を与えずに転職理由を伝えることができます。

実際にどのような言い方ができるか、例文をいくつか紹介していきます。

さらにくわしく理由を書くコツを知りたい方は、こちらの「介護の転職で志望動機を書く5つのコツ」をご覧ください。

職場が合わなくて別の職場に転職したい

人間関係などがうまくいかなくて、転職をしたいと考える人は多いですが、その場合も前職の同僚や先輩の悪口を言うことはやめましょう。

以下のように、介護職員としてスキルアップしたいと考えたから、といった理由を考えて、志望動機としてまとめましょう。

【例文】

これまでは、訪問介護の施設で3年間勤めてきました。3年間勤めたことで介護スキルは向上したとは思うのですが、1人で様々な業務をこなすうちに「自分の介護は一人よがりなものになっていないか」と悩むようになりました。ですので、配置人数を多めに設定し、入居者一人ひとりに合った介護を実践されている貴社で、自身も介護士としてスキルアップしていきたいと考え、前職を退職しました。

勤務体制に不満があるので転職したい

介護業界は慢性的な人手不足状態にあるため、無理なシフトを組んでいるようなブラックな施設もあるかもしれません。

ブラックな労働環境に嫌気がさして、ホワイトな施設に転職したいと考える方もいます。

そんな方は、以下のように転職を希望する施設のチーム制やホワイトな環境などをほめて、質の高い介護をしたいから転職を考えたと主張するようにしましょう。

【例文】

これまで××の施設で3年間勤めてきました。以前の職場でも、先輩や同僚のケアを見て、介護スキル向上を目指すことができていました。しかし、より質の高いケアを提供できる介護職員になりたいと考え、チーム制での教育・指導体制が整っている貴社で質の高いケアを学びたいと思い、前職場を退職しました。

資格取得の評価をしてもらえなくて転職したい

介護の資格を取れば、多くの施設ではその分だけ資格手当をつけてくれますが、ブラックな施設の中には資格取得の努力を認めてくれないケースもあるのです。

その場合は、「資格手当がほしい」とアピールするのではなく「資格を活用したい」ということをアピールし、転職した理由としましょう。

【例文】

これまで介護スキル向上を目指し、さまざまな資格を取得してきました。しかし、前職の××施設では取得した資格を活用する機会が少なかったので、〇〇資格が活用できそうな貴社で働きたいと思うようになり、前職場を退職しました。また、ステップアップや保有資格に応じて評価される体制が整っている点にも魅力を感じました。

印象が良くない転職理由

転職しようと思う理由は「介護職で多い転職理由5選」で話したような、生活の変動や人間関係のトラブルなどの仕方ないものがあります。

しかし、中には給料や福利厚生などの待遇面や仕事が嫌になったなどの不満を理由に転職を決意する方もいます。

伝え方によっては、この不満が身勝手で転職する理由にふさわしくないと判断されることがあるのです。

どのような転職理由が印象を悪くするか、一例を紹介します。

人間関係や仕事への不満

よくやる理由で述べた人間関係のトラブルは業務上起こってしまうことなので、理由としては正当とみなされます。

ここでいう人間関係や仕事への不満は、単純に気に入らない人がいた、思った仕事と違っていたなどの個人的な不満です。

ストレスを感じるような大きな負担であれば良いのですが、なかにはちょっとした意見のぶつかり合いや気に入らないなどの理由ですぐに辞めてしまう方がいます。

すると、新しい職場でうまくやっていけずにすぐに辞めてしまうのではないかと面接官は不安になります。

仕事が嫌になった

これは、未経験の方で介護職について知らない方が抱える可能性があります。

介護職は誰でも挑戦しやすい仕事ではありますが、実際に働くと力仕事を担当したり介護士のサポートや介助業務で動いたりすることが多いため体力を使います。

そのため、思っていた以上に大変で仕事が嫌になることがあり、すぐに辞めてしまう方がいるのです。

なるべく長く介護職で働いてもらいたいと面接官は思っているので、介護職に対して前向きな方に良い印象を持つ傾向があります。

収入や待遇面に満足しなかった

仕事以外でも不満を持つことがあります。

給料や昇給などの収入や職場で適用されている福利厚生が、自分が求めているものと違うとより良いところへの転職を検討することがあります。

もし、それが理由だったとしても面接官に正直に話すと、収入や待遇面が良いところがあればすぐに仕事を辞めてしまいそうだとあまり良い印象を持ってもらえません。

とくに理由がない

一番問題な理由が、とくに理由がない場合です。

良し悪しに関係なく、これまで話してきた人間トラブルや仕事などに対する不満や、キャリアアップや新しい仕事への挑戦など前向きな理由がないのは印象を悪くする要因です。

採用したとしても、いつどんなことをきっかけに辞めてしまうかわからないため、面接官が選びづらい理由とも言えます。

必ず、何かしらの理由を考えるようにしましょう。

転職先の職場を選ぶポイント

実際に転職を検討する際、自分が働きやすい職場を選びたいと考える方は多くいます。

手当たり次第に確認していくのは大変なので、ある程度要点を絞って調べることをおすすめします。

なかでも、以下のポイントに注目すると条件がある程度絞れますよ。

  • 未経験から始められるか
  • 研修や勤務体制が整っているか
  • 介護職でやりたいことを明確にする
  • 複数の介護施設を比較
  • 転職活動が難しいなら転職エージェントに相談

さらに、施設の特徴を知っておくと自分に合う傾向がわかりやすくなるので、こちらの「介護職で働きやすい施設の特徴」とあわせてご覧ください。

よくある質問

ここでは、転職理由についてよくある質問を紹介します。

転職理由は正直に書いた方が良いですか?

履歴書や面接では、嘘偽りなく書くことが大切ですが、前職の悪口や強い自己解釈のような伝えることを控えた方が良い内容があります。

マイナス要素となる部分は言い方を変えてマイナスと思われないように伝えましょう。

経歴や保有資格などは正直に記載をし、名称も略さずに正式なものを書くようにしてください。

ほかにも「転職理由を伝える5つのポイント」では転職理由を書くポイントを紹介しているのであわせてご覧ください。

転職理由に文字数制限などはありますか?

重要なことは、伝えたいことを相手に伝わりやすい言葉で書くことです。

転職理由や志望動機は一般的に、200文字~300文字くらいだといわれているので、目安として意識しておきましょう。

ですが、無理に文字を増やそうとすると内容に一貫性がなくなる恐れがあるため、一度下書きをして文字数や内容の確認をしてから清書することをおすすめします。

まとめ

介護職に就いている人が転職をする際には、今現在働いている施設の嫌な部分が見えて辞めるということが大半かと思います。

介護職員としてスキルを身につけ、経験を重ねていけば仕事へのプライドも高くなりますし、どうしても納得できない部分が出てくるのです。

しかし、転職理由としてそのような部分を正直に伝えても、転職先の面接官には良い印象は与えられないのが実際です。

以前働いていた所の不満や愚痴を相手に伝えるのではなく、自分が転職先でできることややりたいことを自分の言葉で相手に伝えるようにしましょう。

介護職の転職理由で悩まれている方はウィルオブ介護にご相談ください

転職理由は、伝え方で印象が変わるので、自分の言葉でどう伝えるかを考えることが大切です。それでも、理由を考えることが苦手な方は、転職エージェントに相談してみませんか?

ウィルオブ介護では求人の紹介だけでなく、転職に関するサポートも行っているので履歴書の添削や面接のアドバイスなどにも対応しています。転職理由以外でも仕事の悩みや疑問に関する相談をしたい方にもおすすめなので、ぜひ一度お問い合わせください。

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