介護講師は、介護の大学や高校などで、介護技術や知識を教えていく職種です。
近年、介護職員の需要が高まっていて介護職員を養成する教育機関も増えつつあることから、今後も需要は高くなっていくことが予想されます。
介護講師になるためには、介護福祉士の国家資格や実務経験が必要です。
しかし、この資格を持っていると、転職の際に選べる職種も増えますし、給与も高くなります。
介護講師になるメリットなどを確認しておきましょう。
目次
介護講師とは?
介護講師とは、その名の通り介護人材を育成する講師のことで、介護職員を養成する学校で介護の技術や法律に関することを指導する存在です。
日本は、少子高齢化がかなりのスピードで進行していっていることもあって高齢者数の増加に伴い、介護が必要となる人も増加しています。
そのため、介護職員の需要もかなり高まっているのです。
厚生労働省「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について(別紙1)」によると、2025年度には約243万人、2040年度には約280万人の介護人材が必要と発表しています。
そのため、介護人材を育成する存在である講師の需要も高まることが予測されています。
好待遇での就職が期待できる職種でもありますが、誤った技術を教えてしまうと多数の高齢者を危険にさらしてしまう存在でもあるのです。
そのため、確かな介護技術と知識が必要になってきます。
- 介護講師とは介護技術や知識を教える存在
- 高齢化の進行によって需要の高まりが期待できる
- 責任感のある大変な職種でもある
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介護講師の役割
介護講師の役割とは、正しい知識や技術を生徒に教えて、介護業界の技術水準の底上げをすることにあります。
講師が誤った技術を教えてしまうと、学んだ人が現場で事故を起こしてしまう可能性もあるのです。
そのようなことを避けるために、介護講師は、自分自身が介護業界で働いた経験があって、介護技術を身につけるための講習会に参加しておきましょう。
他人へと授業することができるように知識やスキルを高めて、介護業界全体の水準向上に貢献するのが大切な役割になるのです。
- 正しい介護知識を指導するのが介護講師の役割
- 間違った知識を伝えないよう自分自身の介護技術も磨かなくてはならない
- 指導を通じて介護業界全体の水準向上に貢献することができる
介護講師の仕事内容
介護講師の仕事内容は、介護技術を指導していくことにあります。
主な仕事内容を簡単にまとめると、以下の通りです。
- 介護職員となる人材の育成
- 知識・技術の伝達
- 新たな知識・制度情報の取得
- サークル対応や保護者対応(教育機関に勤務した場合)
介護技術の習得を目指す人は、年々増加傾向にあります。
このような需要に応えるために、介護講師は、自身の持っている知識や技術を伝えて、人材育成を目指します。
さらに、介護の制度などは毎年変わっていて、介護を楽にしてくれる道具が開発されることもあります。
このような新しいものを生徒に教えてあげられるように、定期的に講習会などに参加し、自身の知識をアップデートしていくことも仕事になるのです。
最後に、介護講師は四大や短大の教授として、介護技術の伝達を行うこともあります。
この場合は、学生への介護指導だけでなく、サークル担当、保護者対応、新入生獲得のための高校訪問などもが仕事に加わってきます。
介護講師のやりがい
介護講師のやりがいとは、自分の経験を伝えられるということにあります。
介護講師になるには、介護の現場で働いた経験が必要になります。
介護の現場で働いていると、「もっと早くにこのことを知っておきたかった」と思うことが多々あります。
このような経験を後進に伝えていくことができるので、多くの人を介護の大変さから救うこともできるでしょう。
さらに、介護の現場で働いていて、苦労した経験や役に立つ情報などを多くの人に伝えていくことも可能です。
短大や四大に就職すれば、学生の部活動の支援を行ったりして貴重な経験ができるのもやりがいにつながっていきますよ。
介護講師が活躍できる施設とは?
介護講師が活躍できる施設としては、主に以下のようなものがあります。
- 福祉系の四年制大学・短期大学
- 福祉系高校の教員
- 介護福祉士養成校の教員
- 実務者研修や介護職員初任者研修の講師
どの施設の講師になったとしても、未来の介護職員を育てるのが仕事である点には変わりません。
ただし、高校や大学の講師になった場合は、クラス担任や部活動参加といった仕事も加わってくることを覚えておきましょう。
介護講師が活躍できる転職先や求人情報の傾向
介護講師の求人は介護職員の求人数よりも数は少ないです。
また、大学や短期大学では、新年度がスタートする4月までに講師は決定しておかなくてはならないので、1月~3月は求人数が少ないです。
しかしながら、今後は新たな求人が出る可能性もありますから求人サイトを定期的にチェックしてみてください。
なお、医療系の求人サイトよりも一般の求人サイトに掲載される傾向にあるようなので、興味がある人は一般サイトの求人や介護系大学の採用ページを確認してみましょう。
介護講師になる方法
介護講師になる方法を紹介するので、事前に確認をしておきましょう。
介護講師に必要な資格
介護講師になるには、資格と実務経験が必要になります。
どの施設の講師になるかによって条件は少しずつ異なりますが、いずれも介護福祉士の資格は必須になります。
養成校の教員になる場合の条件
以下のいずれかの条件を満たしていることが養成校の教員になるには必要です。
- 介護福祉士、医師、保健師、助産師、看護師又は社会福祉士の資格を取得した後、5年以上の実務経験を有する者
- 大学院、大学、短期大学又は高等専門学校において、教授、准教授、助教授又は講師として、その担当する教育に関し教授する資格を有する者
- 専修学校の専門課程の教員として、その担当する教育に関し3年以上の経験を有する者
この条件のうち、最短のものは介護福祉士の資格を取得した後に、介護施設で5年以上の実務経験が必要なので、まずは介護福祉士の資格取得を目指しましょう。
介護初任者研修や実務者研修講師の講師
介護初任者研修や実務者研修講師の講師になるために必要なのは、介護福祉士の資格を取得後、実務経験を5年以上踏むことが条件になります。
福祉系高校の教員
福祉系高校の教員になるには、以下の条件を満たす必要があります。
- 介護福祉士取得後、5年以上の実務経験を有すること
- 介護福祉士の資格を有し、基準を満たす研修を修了した者
介護講師の資格のとり方
介護講師になるには国家資格の介護福祉士資格が必要で、介護福祉士資格を取るには介護福祉士国家試験を受験して合格しなくてはなりません。
受験資格を得るには、以下のうちのいずれかの条件を満たしていなくてはなりません。
- 養成施設ルート……指定された養成施設等を卒業すると受験資格を得ることができます
- 福祉系高校ルート……福祉系高校(2009年度以降入学)で、定められた科目・単位を取得し卒業すると受験資格を得ることができます
- 実務経験ルート……介護施設で3年以上の実務経験を積んで、「実務者研修」を修了すると、受験資格を得ることができます
なお、受験者の9割は、実務経験ルートで受験資格を得ているようです。
介護講師の資格取得のメリット
介護講師の資格を取得するには、介護福祉士資格が必要になります。
介護福祉士資格は取得のための難易度がかなり高いです。
しかし、介護福祉士の資格があれば、給与面で有利になりますし、サービス提供責任者・チームリーダーなどの管理職になれるメリットもあります。
取得することで活躍の場が広がるメリットがあるといえるのです。
介護講師の資格取得のための勉強方法とは?
介護講師になるための介護福祉士の国家試験の合格率は約70%で推移しているので、日ごろから対策をしておけば十分に合格することは可能です。
目安としては、受験予定日の3か月前から、1日1~2時間を目安に勉強をします。
勉強方法としては徹底的に過去問を反復して解き、苦手をなくすようにするとよいでしょう。
よくある質問
ここでは、介護講師(介護教師)になることに関してよくある質問を紹介します。
介護講師(介護教師)になるために何が必要ですか?
講師になるには、介護福祉士としての実務経験が5年以上なくてはなりません。
また、この実務経験は介護士としてではなく、介護福祉士を取得してからなので間違えないようにしてください。
そして、科目によっても必要な実務経験が必要な場合もあるので、事前に確認をしておきましょう。
現場によっては、介護教員講習会や実務者研修教員講習会などへの参加も必要なので、必要な場合は参加が必須です。
ほかにも、必要となる資格を取得するための方法などを「介護講師になる方法」で解説しているので、気になる方はぜひご覧ください。
主な勤務先はどこですか?
主な勤務先は、以下の場所があります。
- 介護福祉士養成校
- 実務者研修や初任者研修の講師
- 福祉学校
また、勤務先だけでなく求人情報については「介護講師が活躍できる転職先や求人情報の傾向」で触れていますので、あわせてご覧ください。
まとめ
介護講師になれば、自分が実務経験を踏む中で得た知識などを後進に託していくことが可能です。
もしも、間違った介護技術を伝えると、業界全体の問題になる可能性もあります。
責任感の伴う仕事ですが、自身の経験を教えていけることには、楽しさややりがいを感じることもできますよ。
なるには、国家資格である「介護福祉士」が必要なので、まずは資格取得を目指しましょう。
介護講師になるには現場経験が必要!
介護講師になるためには、介護職関連の資格取得や現場での経験が必要となります。そのため、現場での経験を積める働き方ができる職場への転職がおすすめです。
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