介護タクシードライバー(ケアドライバー)とは、ひとりで公共交通機関に乗ることや外出が困難な高齢者や障害者が利用できる、介護タクシーのドライバーのことです。
介護タクシードライバーは、50歳をすぎてからでも雇ってもらえる事が多く、40代・50代歓迎の求人もあるので正社員で転職を考えている人にもおすすめの仕事です。
介護タクシードライバーは、未経験からでも採用されやすく、資格を取得してノウハウを学ぶと開業することができるため、収入アップにもつながります。
この記事では、介護タクシーの概要や介護タクシードライバーの仕事や収入、必要な資格などをくわしく紹介していきます。
目次
介護タクシードライバーとは?
介護タクシードライバーとは、公共の交通機関の利用が困難で、一人で外出することが難しい高齢者や障害者介護タクシー車両を用いてサポートします。
主な仕事の役割は、利用者を通院に送迎する際の乗降介助、身体介助です。
介護タクシーは身体介護が含まれていることから介護職員初任研修以上の資格が必須なので、運転だけではなく介護車両の機能も知っておきましょう。
日本は高齢化が進み、介護を必要とする人たちが今後さらに増えていくことから、車イスの利用の方や寝たきりの方の移動手段として需要が高くなっていくことが予測されます。
40代や50代からの転職はきつい?
40代・50代で介護業界に転職しようと考えている方はいます。
介護の仕事は年齢関係なく始められるので、40代・50代だけでなく未経験の方もチャレンジしやすいといえます。
しかし、介護タクシーの場合は普通運転免許が必須なので、持っていない方は取得してから転職をしましょう。
また、介護職員初任者研修を必要とする施設もあるため、資格を取得することをおすすめします。
転職をする際は必要なものがあるので人によっては大変とも言えますが、普通運転免許証を持っていれば転職がきついわけではないため、気になる方は是非挑戦してみてください。
介護タクシーと福祉タクシーの違い
実は、介護タクシーと似ている福祉タクシーもあるため、介護タクシードライバーを目指している人の中には混同してしまっている場合があります。
ここからは、二つのタクシーの特徴を解説していくので間違えないようにしましょう。
介護タクシー
「介護タクシードライバーとは」でも話をしましたが、通院など公共の交通機関の利用が困難な方のために送迎の乗降介助や身体介助の介護サポートを行います。
また、介護タクシーは車両自体の名称ではなく、介護サポートを行うための福祉車両の通称です。
そのため、普通自動車免許以外にも介護職員初任者研修の資格が必要なので、介護職員初任者研修の資格がない場合は取得をしてから転職を検討することをおすすめします。
介護タクシーを利用される方は、以下内容の条件があるので確認をしておきましょう。
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- 自宅、有料老人ホーム、ケアハウスサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)などで生活している
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- 1人で公共の交通機関に乗る事ができない方
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- 要介護1~5の方
【利用目的】
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- 通院(受診やリハビリ)
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- 本人が行かなくてはならない用事(補装具、補聴器、メガネなどの調整や買い物)
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- 預金の引き出し
- 選挙や日常生活に必要な申請や届け出 など
福祉タクシー
介護タクシーと違い、介護サポートを含まずに送迎や福祉車両を利用する際の運転を行うことが仕事です。
一般常用旅客自動車運送事業(福祉限定)のことを指し、介助をしなくても済むように車いすのまま乗降できる設備が整った車を活用しています。
介護サポートをしないので介護職員初任者研修の取得は必須ではなく、未経験からでも始めやすい仕事の一つです。
また、福祉タクシーは利用の目的に制限がないことから買い物や旅行など、個人で予約をして幅広い場面で活用することが可能です。
介護タクシードライバーに必要な資格
介護タクシードライバーとして働きたい、個人で開業したい時、必須になる資格があります。
介護タクシードライバーに必要な資格は、普通運転免許第二種と介護初任者研修以上の資格が必要で、国土交通省各運輸局の事業許可を取得しましょう。
各資格について詳しくは以下のとおりです。
普通自動車二種免許
介護タクシーは料金を対価として載せて走るので、介護タクシードライバーの仕事をする時は、必ず普通自動車二種免許が必要になります。
普通自動車二種免許の資格を取得するにはいくつかの条件があり、この中の1つでも満たしていないと受験資格がなくなってしまいます。
- 満21歳以上で、他の第二種免許をすでに受けているか、第一種免許取得者で運転経歴が3年以上経過している
- 視力が片眼0.5以上、両眼0.8以上である
- 赤、黄、青(緑)が識別できる
- 補聴器を使用せずに日常の会話を聴取できる
介護職員初任研修(旧ホームヘルパー2級)
介護職員初任研修とは、2013年までにホームヘルパー2級と呼ばれていた資格の事です。
介護タクシーは通常のタクシーとは違い、介護サービスも行うタクシーなので介護保険タクシーの乗務員としてお仕事をするには必須の資格です。
介護タクシーのドライバーの業務のみなら必須の資格ではないですが、ケアドライバーとして働くには、乗降介助ができるように介護スキルを身に着けておく必要があります。
介護スキルの資格はいくつかありますが、安心した信頼を得るためには介護職員初任研修(旧ホームヘルパー2級)がおすすめの資格です。
介護職員初任者研修の資格は、ハローワークの求職者支援訓練を利用すれば、受講料無料で資格を取得することができます。
資格スクールで介護職員初任者研修を受講するとなると、10万円前後の受講料がかかります。
ですが、求職者支援訓練を利用すると教材費など含めても1~3万円で受講する事ができるのでお得に資格を取得する事が可能です。
要件を満たせば、さらに月10万の受講手当と通所手当がもらえることもあり、ハローワークの就業サポートもあるのでメリットが多くあります。
介護タクシーサービスで、より良いサービスを提供するのに役立つ資格があります。
ユニバーサルドライバー研修、ハートフルアドバイザー研修、サービス介助士、普通救命講習の資格を取得すると、仕事の幅を広げることができますよ。
介護職員初任者研修の資格については「介護職員初任者研修とは?」で解説しているので、あわせてご覧ください。
介護タクシードライバーの収入は?
介護タクシードライバーの収入は、地域や勤務先によって違いがあり、個人と企業では収入も違ってきます。
求人ボックスのデータを参考に介護タクシードライバーの平均給料を以下にまとめます。
雇用形態 | 平均時給 | 平均月給 | 平均年収 |
---|---|---|---|
正社員 | 2489円 | 39万円 | 478万円 |
派遣社員 | 1597円 | 25万円 | 306万円 |
アルバイト・パート | 1039円 | 16万円 | 199万円 |
※参照:求人ボックス給料ナビ「介護ドライバーの仕事の年収・時給・給料」(2023/12/1時点)
介護タクシードライバーは、個人で営業する個人介護タクシーと企業に勤める企業介護タクシーがあります。
企業に勤めている介護タクシーは、収入も安定していて仕事に困ることもないので将来的にも安心です。
安定して収入を得たい人には企業で介護タクシードライバーとして働いて収入を得ることをおすすめします。
月給制の場合は、たくさん稼働しても収入は変わりませんが、歩合制の場合は頑張れば頑張るほど収入がアップするので、収入を増やした人には歩合制がおすすめです。
介護タクシーは、法人では車両1台から開業をする事もできるので、独立を望んでいる人も多くいます。
車両を増やしていく事で高収入を得ることもでき、最初は個人で開業してその後法人化することもできます。
個人で独立して介護タクシーをするには、最初は軌道にのるまで時間がかかるので収入も安定しません。
ですが、車両を増やすことにより収入を増やすことも可能です。
利用者と信頼関係を作り、より良いサービスを心がけていれば安定した顧客がつき、収入が増えて仕事の範囲が広がり、将来性も期待できるようになっていきます。
介護タクシードライバーとして働く方法
これまで介護タクシーのドライバーについて解説をしてきましたので、ここからはどうすれば働けるかを紹介していきます。
これから転職しようと考えている方は、是非参考にしてください。
施設や事業所で働く
転職をするとき、介護タクシーのドライバーとして働くことを前提に仕事を探します。
施設や事業所によってはドライバーの求人を出しているところがあるので、そこに応募をして働くことがおすすめです。
もちろん、介護士として働いている場合は今の職場で介護タクシーのドライバーの応募をしていないか調べることであまり職場環境を変えずに働くことができますよ。
介護職員初任者研修と運転免許証を保有していれば、未経験でも受け入れているところがあるので、条件を確かめて転職をしてみましょう。
一人で探すことが難しい場合は、介護職に特化した転職エージェントに相談することで早くに見つかる可能性もあるので選択肢に入れておいてください。
個人で介護タクシーを開業
施設や事業所で働くことに不満がある場合は、個人で介護タクシーを開業することもできます。
開業するには事業所の解説に必要な許可を取らなくてはなりませんし、車両や事務所なども用意しなくてはならず、簡単とは言えません。
しかし、介護職員初任者研修と運転免許証を保有していれば開業の申請ができるので、自分で介護タクシーの事業をやりたい人は開業を目指すのもおすすめです。
よくある質問
ここでは、介護タクシードライバーについてよく見かける質問について紹介していきます。
介護タクシーに必要な資格はありますか?
普通自動車一種免許があれば介護ドライバーとして働けます。
また、介護を必要とする方を乗せて運転をするので、介護職員初任者研修も必要となります。
必須としているところもありますので、取得しておくことをおすすめします。
資格についてくわしくは「介護タクシードライバーに必要な資格」で解説しているので、あわせてご覧ください。
介護タクシードライバーはどんな仕事ですか?
介護タクシードライバーは、公共の交通機関の利用が困難な高齢者様や障害者様を送迎するための介護タクシーの運転や乗降サポートなどを行っています。
運転をするので普通自動車二種免許のような資格が必要ですが、利用者様をサポートする仕事なのでやりがいを感じる仕事です。
介護タクシードライバーの仕事については、「介護タクシードライバーとは」でも解説しているので、あわせてご覧ください。
まとめ
2025年頃の日本は、団塊の世代が75歳以上に達することにより、介護や医療費などの問題が急増すると予想されています。
高齢になるとも、筋力が低下し歩くのも困難になり、自力での病院の通院が難しくなっていきます。
都会に住んでいて歩いて数分で行ける場所でも、車イスや寝たきりの生活を送っている人にとっての病院の通院はとても労力がいるものです。
核家族化や高齢が進むと公的なサービスを受ける人が多くなり、通院手段で介護タクシーを利用する患者も増えていくと予想されます。
とくに、過疎地などではバスも少なく介護タクシーは高齢者の足として活躍しています。
高齢者の生活をサポートする介護や福祉関係の需要は年々高くなっているので、身体の不自由な人や高齢者の移動手段に介護タクシーはますます必要不可欠なものになっていきます。
介護タクシーは独立して開業するのも低資金で始めることができ、移動やガソリンなどのコストも大きく抑えることができます。
そのことから、参入しやすい業種でもあり収入を増やすことができる職業です。
加齢になり身体が不自由になり、外出手段がなくなると高齢者は長い時間自宅にこもる事が多くなり、認知症やうつ病などを発症する事もあります。
今後、ますます介護タクシーが増えると高齢者が外出するチャンスが増え、また外に行ってみようという意識にかわってきます。
高齢者の外出を増やす手助けができる介護タクシーの仕事で人の役にも立て、自分の収入のアップのためにも是非介護タクシードライバーを目指してみませんか。
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介護タクシードライバーになるには、普通自動車免許以外にも介護職員初任者研修の資格が必要です。しかし、介護の仕事をしたいのであれば、ドライバーでなくても介護士として働いてみませんか?
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