職場の人間関係や給料事情、体力的についていけないなど、様々な事情で今の職場を離れた環境での仕事を考える方は少なくないでしょう。
しかし、実際に辞めるとなると、とても勇気がいるものです。
とくに介護業界では、スタッフの数が少ないのに自分が辞めては大変なことになる、と二の足を踏んでしまいがちです。
真面目な方ほど、自分の居なくなった後のことを考え、辞められなくなってしまうのです。
転職で自分をステップアップさせたいけど、トラブルは避けたいという方向けに、今回はお世話になった職場に迷惑を掛けずに円満退職する方法を解説します。
目次
退職時に守るべき一般的マナー
介護業界に限らず、退職時には守るべきマナーがあります。
社会人として、一般的に必要とされる退職時のマナーをみていきましょう。
まずは就業規則を確認
それぞれの法人にある就業規則には、退職時のルールが記載されています。
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・退職の意向は概ね○日前に、届け出ること
・退職時の有給休暇の消化について
・退職金について
これらの記述内容を確認し、自分が辞める際の具体的な計画を立てていきましょう。
退職を上司に相談する前に、しっかりと確認しておくことが大切です。
退職の意思は誰に伝えればいい?
職場内の親しい方へ相談したくなると思いますが、必ず直属の上司に伝えるようにしましょう。
人の口に戸は立てられないもので、人から人へ変に伝わって既に皆知っていた、なんて事態になりかねません。
また、苦手だからといって直属の上司を飛ばしてその上の上司に相談することはせず、組織の序列はきちんと守りましょう。
退職後の手続きは?
退職後10日以内に離職票が送付されます。
転職先がまだ決まっていない場合は、健康保険や失業給付の手続きに必要な書類ですので、必ずもらうようにしましょう。
転職先が決まっている場合も、突発的な事情で働けなくなった際など前述の手続きに必要になるのでもらっておくと安心です。
大切な離職票ですが、会社からなかなか届かないといったトラブルがあるので、退職前にいつ頃届くのか、取りに行った方が良いのかなど担当者に確認しておきましょう。
介護業界の退職時の留意点
介護業界で、退職時に特に気を付けなければならない点について紹介していきます。
意思表示の時期
退職の意思は、それぞれの就業規則で決められている日数前に上司に伝えれば良いのですが、職場に迷惑を掛けずに辞めたいのであれば、それ以上前に相談する方が良心的です。
介護職は、例えすぐに新しい人材が入ったとしても、シフト上一人として成り立つようになるまでは時間を要します。
自分の入職当時のことを思い出し、また転職の状況と併せながら、出来るだけ早めに相談しましょう。
周囲からの風当りがきつくなることが心配なら、しばらく伏せてもらうこともできる可能性があります。
引継ぎ
ルーチン業務以外に任されている仕事(委員会の仕事・レク企画・装飾・配車表作り等)があればそれを整理し、後任に引き継げるよう準備しましょう。
使っていた書式や書類はデータとして整理し、紙ベースのものがあればそれと一緒に渡せるようにしておきます。
会社のパソコン内に自分のファイルがある場合も整理しておき、あとから使う人が分かりやすいようにしておくと迷惑をかけずに済みますよ。
介護リーダー等の役職についていた方であれば、抱えている仕事が多いこともあるので、やりっ放しややり残しがないよう注意して臨みましょう。
私物整理
ロッカーなどの私物もきちんと片づけてください。
退職日に、ロッカーにたまっていた書類の山を職場のごみ箱に捨てていくことがないように、少しずつ整理しておきましょう。
個人情報の記載がある書類はシュレッダーにかけるなど、注意が必要です。
挨拶
最終日には、今までお世話になった上司や同僚にきちんと挨拶しましょう。
菓子折りを置いていく、など職場の前例があれば、それにならって用意してください。
また、利用者への挨拶については上司に指示を仰ぐ必要があります。
その事業所ごとに独自の事情があるので、独断で親しい利用者だけに話すということのないようにしましょう。
家族も同様にきちんと挨拶の時期や順序を考え、上司に了承をもらってから動いてください。
転職先は言わない
退職前に転職先が決まっている場合、少なくとも在職中は次の職場についての具体的な言及は避けましょう。
「同じ介護の仕事です」「訪問介護の仕事です」程度にとどめておくことが大切です。
具体的な転職先を言ってしまうと、次はそこの給与や待遇など具体的なことを聞かれてしまい、 返答に困ることになります。
最後まで責任ある行動を
退職が決まってから休みがちになった、仕事に身が入らなくなったなどの状態は人によっては起こりやすいといえます。
そうならないためにも、今まで以上に健康管理を行い、休んで迷惑をかけるたりミスを出したりしないよう集中して取り組みましょう。
辞めていく人間と見られてしまうこともあるので、気を抜かず勤め上げることが大切です。
まとめ
同じ介護業界に転職する場合はもちろん、他業種としても同じ地域に就業するのであれば、どこで関わってくるか分かりません。
研修で同席するかもしれませんし、他事業所として同じ利用者に係ることになる可能性もあります。
円満に退社して終わりではなく、そこで関わった方々と違う場面でも良い関係を続けていきたいという視点が大切です。
最後まで責任を持って仕事をすることがあなた自身の評価につながり、次の仕事でもきっと役立ちますよ。