高齢化が進む日本において、大きな需要拡大が予想されている介護業界。しかし成長産業である一方で、まだまだ人手不足なのが現状です。

介護施設への人材紹介業務を担当されているAさん(仮名)に、「現場の仕事から見る介護職に向いている人の特徴」をご紹介します。

「介護業界に関心があるけれど、本当に仕事が続けられるかどうか不安だ」という方はご参考にされてみてはいかがでしょうか?

Q. 求職者とお会いした際に、最初にチェックするところはありますか?

持ち物

求職者の方に書類をお渡しさせていただくのですが、その際にカバンをきちんと閉めるかどうかを見るようにしています。

「大切なものが入っている」という認識があれば、絶対カバンの口を閉めるはずなんです。もしそれができていないようであれば、重要なものが入っているという意識が薄い人なんだなと感じます。

Q. 介護職に向いている人は、志望動機や目標にも違いがあるのでしょうか?

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意外に思われるかもしれませんが「この人は大丈夫かな?」と思ってしまう求職者の方が、仕事を長く続けていただける傾向にあります。

「続けていけるか不安なんです」と就業前にお話しされていた女性が職場に馴染み、長期間勤務していただいたケースもありました。

対照的に自己主張の強い方や、介護に対して崇高な志をお持ちの方は、続かないケースが見受けられることもありました。

「まだまだキャリアが浅く、施設の皆さんにいろいろ教えてもらう立場にある」という姿勢が、仕事を続けるためには大切です。

Q. 介護職を通じて社会貢献をしたいと考えているのですが、実現するのは難しいでしょうか?

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素晴らしい理念を掲げて運営されている施設でも、人手不足などの理由でやむを得ず、模範的ではない介護が行われているケースもあり、このような現場に触れると、ギャップを感じてしまう方も少なからずいらっしゃいます。

一概に「社会貢献」といっても、高齢者の介護以外にも障害者福祉、児童福祉、地域福祉などのさまざまなジャンルがあります。ご自身がどのジャンルで活躍したいのかを応募前にきちんと考えられてみるのも良いのではないでしょうか。

Q. 続いては実際の施設勤務に関する質問です。介護施設で一番難しい仕事は何ですか?

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キャリアがある介護士の方が、揃って「難しい」とお話しされるのは「食事介助」です。

どんなにベテランの介護士でも、「また一緒の食事かよ!」とご利用者に言われたら傷つくことには変わりありません。

そして、食事は「食べる」という意志が必要です。そのため「嫌いなものを食べたくない」という方を説得し、介助す場合などは、大変な労力が必要になります。

Q. その他にも施設で難しい仕事はありますか?

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体力的に一番大変なのは「入浴介助」です。滑りやすい浴槽で、何人ものご利用者の入浴をサポートするには神経を使うので、大変な場面もあります。

対照的に、一見大変そうに見える「排泄」は、一度仕事に慣れてしまえばスムーズにいく場合が多いです。

Q. 「排泄」は慣れるまでが大変だと思いますが、どのようにすれば良いでしょうか?

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実際、「排泄」に抵抗がある方は多いと思います。しかし「排泄」の中には、オムツやトイレなどのさまざまなバリエーションがあるので、バリエーションを持たせながら仕事を覚えてもらう方針の介護施設が多いのではないでしょうか。

「排泄」は、業務を通じて徐々に抵抗が薄れ、「仕方ない」と理解できるようになってきます。

例えば「オムツ」の業務しか担当させないような場合は、介護士からの苦情にもつながる可能性があるので、慎重に対応している施設が多いように感じます。

Q. 異性の介護を担当するケースもありますか?

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施設によっては異性の介護を担当する場合もあります。一方で、絶対に同性同士で介護するようなシフトを組む施設もあり、どの施設も異性の介護に関しては、非常に気を遣って運営されているケースが多いです。

特に、男性介護士が女性の利用者に対応するのはハードルが高いので、行わないケースがほとんどです。女性介護士による男性利用者への対応も、ある程度関係が深くなってからという場合が多いですね。

Q. 介護士に向いている人を見極めるとっておきのポイントはありますか?

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面接に来られた際に、求職者の歩き方を絶対に見るようにしています。多くの方は履いている靴の外側が減っているのですが、介護の仕事を長く続けられる方は歩幅が狭く靴の内側が減っているケース場合が多いです。

普段の歩幅が狭いことにより、ゆっくり歩かれるお年寄りの方とも歩くペースが合わせやすいことが、この原因ではないかと推測しています。

たった5秒で介護職に向いているかどうかを見極める、一番簡単な方法ですね。

Q. 他にも介護職向きの人に見られる特徴はありますか?

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介護職として活躍される方には話のスピードが遅いという特徴があります。

話し方は遅いものの、質問にはしっかり答えられるコミュニケーション能力がある人、仕事の期限などをきちんと守る人などが多いように感じます。

介護施設では、聴力が落ちている高齢者と会話をする場面が多く、ゆっくりとしたペースで会話をしないといけません。

自然にお年寄りのペースにあった会話が身についているという点で、ストレスを感じにくい部分もあるのではないでしょうか?

終わりに

介護施設の増加などにより、介護業界への就職や復職を考えられている方も多いと思います。どんなに高い理想や志を持っていても、それを実現するためには現場での活躍が必要不可欠です。

もし介護業界での就職をお考えのようでしたら、今回ご紹介させていただいた「介護職に向いている人」の特徴を参考に、どのような職種が適しているか、ご自身でじっくりと見極められてみてはいかがでしょうか。

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