介護業界で働かれている人の中には「今の施設より、もっといい施設があるのでは?」とお考えの方もいらっしゃるのでは?
でも、いざ転職すると時間や手間がかかり、失敗のリスクもあるので、なかなか行動に移せていない方も多いと思います。今回は、介護業界で転職活動を行っている方、将来的に転職を考えられている方がどのように転職先を見つけたらいいのかを、実際に介護業界への人材紹介を行っているご担当者の方にお話を伺いました。
目次
- 1 転職を検討される方の動機にはどういったものが多いでしょうか?
- 2 みなさん希望の施設やポジションに就職できていますか?
- 3 職場環境やいじめによる転職者もなかにはいらっしゃいますか?
- 4 転職してもいい法人といけない法人の見極めを教えてください
- 5 育成システムが充実しているかどうかは、どのように見極めれば良いですか?
- 6 「良い法人」の人材育成で魅力的なものがあれば教えてください
- 7 面接の時に「転職してもいい施設」を見極める方法はありますか?
- 8 応募者の方と施設様をマッチングさせる際の紹介基準はありますか?
- 9 介護業界は「給与が低い」というイメージがありますが、本当に給与に反映されるのでしょうか?
- 10 介護業界は「休みが少なく、働きにくい」というイメージがありますが、実際の状況を教えてください
- 11 終わりに
転職を検討される方の動機にはどういったものが多いでしょうか?
介護業界での転職者は大きく分けて2つに分かれています。まずは介護業界で何かを成し遂げたい、やりたいことがあるといった動機が明白な方です。そしてもう1つが、家から近いなどの理由で何となく介護を始め、新しいことが大変だからと介護職を始めるケースですね。一方で、介護施設に定着する人が多いのも後者で、消極的な理由で現在の環境に留まるパターンが多いです。
みなさん希望の施設やポジションに就職できていますか?
介護業界は、まだまだ人出が足りていない施設も多いので、多くの求人募集があります。特に経験者であれば、今後は新規の介護施設も増えていく予定があるので、希望の仕事を見つけやすい状況にあると言えるでしょう。まだまだ人出が足りていない施設が多いので、経験者であれば求人募集はたくさんあります。すぐ見つけられる現状はあります。
職場環境やいじめによる転職者もなかにはいらっしゃいますか?
介護業界は1年間か1年半も勤務すれば転職してしまうのが一般的です。最初は厳しいと感じる仕事であっても、徐々に慣れてきて、一定期間乗り越えると、苦にならなくなることもあります。
いじめに関しても、新しい人がどんどん入ってくるので、対象も変わってくる場合があります。このようなことから転職者の主要な層ではありません。
転職してもいい法人といけない法人の見極めを教えてください
理念を掲げていて、ホームページのなかに研修制度についての記載がある施設は働きやすく、経験が浅い状態で転職しても問題ないでしょう。
そして介護は技術職なので、介護福祉士のような資格者や、特定の講習を受講しないとできない仕事がたくさんあります。最近介護職にも業務拡大された、痰の吸引などが代表例です。
特定の講習を受けたいと思った時に、金銭を負担してくれる法人は「いい法人」だと思って良いでしょう。講習は自分で受講すると数万円の支出が必要なことも多いので、給与が同じでも生活には違いが出てきます。
あとは前回もお話しさせていただきましたが、大きな法人の方が、人材育成のノウハウやシステムが整っていて魅力的だと思いますね。
育成システムが充実しているかどうかは、どのように見極めれば良いですか?
就職を考えている法人のホームページのなかに、育成制度に関する記載があれば、きちんとキャリアアップが見込めると見て良いでしょう。
介護業界は、現場に出ると組織以上に個人の力が必要になることが多いので、個人が成長できるような制度がある施設を選ぶようにしましょう。
「良い法人」の人材育成で魅力的なものがあれば教えてください
例えば、感染症予防などの講習を定期的に受講しないといけないのですが、なかにはきちんと受講していない介護施設もあります。
講師を呼んで就業時間内などにやることも多いのですが、業務効率を上げるために、8時間受講しなければいけない講習を1時間のビデオで済ませてしまうといったこともあるようです。
講習を受けるのは面倒なのでビデオの方がいいという人もなかにはいらっしゃいますが、きちんと講習を受講させてくれる施設で働いた方がスキルも上がります。
施設の視点で見ても、働きやすく人材も定着しやすい環境を作りやすいと言えるでしょう。
未経験者の求職者のなかには、人間関係の煩わしさから小さい施設をご希望される方もいらっしゃるのですが、現場の実情をお話しさせていただいた上で、しっかりした研修プランがあって、より長い期間働ける大規模施設をご提案させていただいています。
面接の時に「転職してもいい施設」を見極める方法はありますか?
まず、ホームページで、新卒を採用している法人さんは、人材育成に関する色々なノウハウを持っているので、働きやすい環境が整っている傾向にあり、比較的おすすめしやすいですね。
新人さんを手がけると自信がつき、能力が上がった手ごたえもあるので、中途採用の方にとっても手応えが感じられるのではないでしょうか。
応募者の方と施設様をマッチングさせる際の紹介基準はありますか?
求職者の方にお伝えいただく希望に沿わないとうまくいくケースが多いです。(笑)これは未経験者、経験者も同様ですね。
勤務地や求職者が置かれる環境など、ご自身の努力でどうにもならない部分は、最重要視させていただきますが、求職者の希望のなかには現実的でない部分もあると思っています。
具体的には給与などが挙げられますが、今は無理であっても、数年間勤務を続ければ数年で希望に届くという場合もあるので、そのようなケースではきちんとご納得いただいた上で、ご紹介をさせていただいています。
介護業界は「給与が低い」というイメージがありますが、本当に給与に反映されるのでしょうか?
介護施設に行くと、比較的高級な自動車が止まっていることがあります。時には高級車がずらりと並んでいると行ったことも珍しくありません。
介護施設は郊外にあることが多いので、自動車は必要不可欠なのですが、高級車に乗れるくらいの収入があるということですよね。
介護業界での仕事を始めて、7〜8年くらいでケアマネや施設長まで上り詰めると、他の業界と遜色ない収入を得ることもできますよ。24時間いつでもお金を作り続けられる仕事なので、目標を持って日々の業務に取り組むのが大切です。
介護業界は「休みが少なく、働きにくい」というイメージがありますが、実際の状況を教えてください
介護業界は「時短勤務制度」が特に整備されています。
例えば女性は結婚や出産がありますが、他業種では育休期間に入って収入がなくなるような時期でも、時短制度でご自身の状況に合わせた仕事ができるので、生涯年収は他業種と比較してもそこまで低くはありません。
一般企業は9〜18時などの場合が多いですが、介護は24時間のなかから時短勤務ができるので、より柔軟に対応できます。
終わりに
高齢化が進むにつれて、成長が予想される介護業界。多くの施設が人材募集を行っているなかで、ご自身がきちんと活躍できる職場を見極めるのが非常に重要です。
今回ご紹介させていただいた事例はごく一部ですが、もし介護業界に勤めていて転職をご検討されているようでしたら、今回のポイントをご参考に、自分にあった施設を探されてみてはいかがでしょうか。