少子高齢化が進むなか、需要が拡大している介護業界。労働環境の整備も進み、今後も需要拡大が予想される成長産業ですが、活躍の場が用意されているからこそ、働く環境や自身の働き方についてしっかりと軸を持っておきたいものです。

過去5年間の介護業界の有効求人倍率の推移

有効求人倍率

参考:「介護人材の確保について」社会保障審議会福祉部会 福祉人材確保専門委員会調べ

実際、介護業界の求人倍率は2011年の1.31から1.82に拡大しており、自分自身が何をしたいのか考えておかないと、「気づいたら活躍場所がなくなっていた」という事態になりかねません。

今回は、転職を検討されている介護士の方に、あなたの能力が十分に発揮されない可能性がある危険な介護施設を、面接で見極める方法をご紹介させていただきます。

いくら素晴らしい理念や設備を備えていても、これからご紹介させていただくようなことがあったら、就職を検討し直したほうがいい施設かもしれません。求人募集をみた時に慎重に見極めるようにしましょう。

住民やスタッフから見る就職してはいけない施設

悩む中年女性

面接を受けに行ったときすれ違う施設周辺の住民や運営に携わるスタッフなどからも、面接を受ける施設の評判を知ることができます。ここでは、設備や施設の環境などから見える就職してはいけない施設の兆候をご紹介させていただきます。

1. 施設が近所の人に知られていない

最寄りの駅やバス停から施設に向かうまでの間に「◯◯(施設名)はどこにありますか?」と近所の人に尋ねてみましょう。もし複数の人に聞いても誰も知らなかったら、その施設は注意が必要かもしれません。

例えば地域に根付いたデイケア施設の場合なら、毎日利用者の送り迎えをする自動車が周辺地域を走っており、自然と施設名が周辺住民の目に触れるため、名前や場所を知っているはずです。地域の人に存在が知られていない施設は、きちんとした運営が行われていない可能性もあるので要注意です。

2. 募集要項と面接時の説明に違いがある

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ほとんどの場合、面接時に人事担当者から施設についての説明を受けると思いますが、もし募集要項と面接時の説明、施設情報に違いがあったら注意が必要です。

例えば、従業員数、施設の受け入れ人数などに大きな違いがあったなら、その施設は施設基準を偽って運営している可能性があります。違法施設は何かしらの問題を抱えており、長く働くのが難しい環境である場合が多く、短期退職は経歴に傷がついてしまう恐れもあります。施設を見極めるために、面接ではこのような細かい所にも気を配るようにしましょう。

違法施設の実例

東京都のホームページには、実際に下記介護保険法に基づき指定取消が行われた施設と、その事由、処分内容が書かれていました。行政のホームページも施設を見極めるのに有効な場合があるので、確かめるようにしましょう。

・ 人員基準違反
・ 虚偽の報告
・ 虚偽の指定申請
・上記処分事由による、6か月間の新規利用者の受入れ停止

参考:東京都ホームページ

3. スタッフの笑顔がぎこちない

面接で施設に訪問した際、行き交うスタッフの挨拶がなかったら、その施設は注意が必要です。挨拶に覇気がなかったり、笑顔がぎこちない場合にも、何かしらの複雑な事情を抱えている施設の可能性が高いと言えるでしょう。面接でどんなに魅力的な条件を提示されたとしても、冷静に対応しましょう。

4. スタッフが猫背

スタッフの姿勢にも施設を見極めるヒントが隠されています。もし、すれ違ったスタッフが猫背だったら注意が必要かもしれません。

一般的に介護職員は、施設利用者の方に目線まで腰を落として話しかけます。しかし日々の業務に追われ余裕のない介護福祉士は、施設利用者と身体を屈めて話すようになり、徐々に猫背が癖になってきます。職員が猫背で、座り方が浅い状態で施設利用者と話をしていたら、注意が必要な施設かもしれません。

5. 否定語は危険信号!スタッフの言葉遣いに注意

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面接に行った時、施設でスタッフの「ダメ」「なんでそんなことするの?」と言ったような否定語や叱り口調の言葉が聞こえたら就職を考え直した方がいいかもしれません。

介護施設で生活する高齢者は若い時よりも繊細である場合が多く、より丁寧な言葉遣いが求められます。感情的な言葉が聞こえたら、利用者の立場を考えた運営が行われていない可能性があり、より厳しく施設を見極める必要があります。

設備から見る就職してはいけない施設

シャンデリア

設備などからも面接を受ける施設の実態をうかがい知ることができます。ここでは、設備や施設の環境などから見える就職してはいけない施設の兆候をご紹介させていただきます。

6. 汚れた高級シャンデリアがある

設備が必要以上に豪華だった場合には、冷静な見極めが必要です。きちんとした運営が行われていない施設ほど、介護に関係のない備品が豪華な傾向があります。実際に過去の事例では、入居者の預金を横領していた高級介護施設が問題になったこともありました。

シャンデリアや、高級そうな絵画、その他ホテルのような豪華設備があり、これらが埃をかぶっていたら衛生管理が行き届いていない可能性もあり、介護職として働くにはふさわしい環境ではありません。面接でどんないいことを言われても落ち着いて対応しましょう。

7. 植物が枯れている

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介護施設の中にある植木や植物が枯れていたり、長い間水をあげていない様子が見受けられたら注意が必要です。人手不足で勤務に余裕がないか、日常的に気配りに欠ける介護を行っている施設の可能性があります。いくら最新の設備を備えた魅力的な施設であっても、冷静に対処しましょう。
8.施設内に変な臭いがする場所がある

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施設内に異臭や悪臭のするエリアがあったら注意が必要かもしれません。便臭が漂っている場合が多いですが、このような施設は、適切なオムツ交換が出来ていなかったり、清掃が行き届いておらず、施設運営や衛生面に問題を抱えている可能性があります。このような兆候を見つけたら、他にも怪しいところがないか探してみるようにしましょう。

施設利用者からも見える施設の実態

介護人形

施設利用者の様子からも面接を受ける施設の実態を窺い知ることができます。ここでは、施設利用者から見る、就職してはいけない施設の兆候をご紹介させていただきます。

9. 施設利用者の歯が汚い

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もし面接時、歯が汚い施設利用者と出くわしたら注意が必要です。優良な介護施設の多くは施設利用者の口腔ケアの仕組みが充実しており、歯のきれいな人が多くいるはずです。もし、介護施設の中で歯が汚い利用者に出会ったら、利用者目線のサービスが提供できていない可能性があり、要注意です。

10. 施設利用者の表情が乏しい

充実した介護が行われている施設の多くは、入居されている施設利用者と介護福祉士のコミュニケーションが頻繁で、笑顔が絶えない環境です。

しかし、施設の中で会話があまり会話がなかったり、利用者の表情が乏しかった場合には、就職を考え直した方がいいかもしれません。また人気の少ない施設も、職員の仲が良くなかったり、忙しすぎてご入居者様をあまり相手にしていない施設の可能性があり、冷静な目で見極める必要があります。

終わりに

1日の大半を過ごす職場。転職を考えている介護福祉士の皆さんは、今より少しでも良い環境で仕事をしたいという気持ちを抱いているのではないでしょうか?

面接が行われるわずかな時間だけで働きやすい環境を見極めるのは難しいですが、今回紹介させていただいたような細かい情報にも気を配り、今度こそあなたの理想の施設と出会えるように心がけましょう。

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