グループホームって何をするの？グループホームで働く現役の介護職員に仕事内容や一日のタイムスケジュールを聞きました。これから介護現場への就職を考えている人や、 グループホームへの転職を検討中の方は必見です！
お勤めのサービス形態、職種を教えて下さい
グループホームという認知症の方が共同で生活する施設で、介護職員として働いています。 グループホームというのは、聞きなれない人もいるかもしれませんが、認知症の人が共同で生活することで、認知の具合を抑えるという目的を持った施設で、 できることがあれば本来の介護職員の仕事をやってもらうなどして、認知症を食い止めるために、介護職員が工夫をして、生活をして頂いています。
お普段のお仕事内容と一日のタイムテーブルを教えて下さい
普段の仕事は、「見守り」「入浴介助」「調理」「食事介助」の4つです。
まずは、見守りです。これは徘徊などをする利用者様が転ばないようにするために見守っていたり、利用者様が不安定になって不穏な行動をとられた時に対応したり、 利用者様がより良い生活ができるようにレクリエーションをやったりします。
次に入浴介助ですね。これはそのままです。やはり、認知症の方となると、入り方がわからなくなったり、滑って転ぶ危険性があったりする危険性があります。 自立して入浴ができる方もいるのですが、それは稀です。そのため、入浴を介助して、体を洗ったり、服を脱がせたり、着せたりします。
調理に関しては、グループホームのメリットで温かいご飯を食べられるという点があります。これはプロの調理担当の人がやっている施設もあれば、 介護職員が行っている施設もあります。私のところでは、その日のリーダーがおり、そのどれに担当するのか決めます。
最後に、利用者様の状態によっては「食事介助」をすることもあります。 認知症によって食べるという行為がよくわからなくなってしまっている方や、パーキンソン病などで体が固まっている方などがいれば、食事の介護をします。 ただ、これを過度にやってしまうとますます食事の仕方がわからなくなることもありますので、基本は自立して食べて頂くということになります。
一日のタイムテーブルとしては、夜勤が朝食を作り、日勤が昼食までのレクリエーションを行います。 入浴の日であれば、午前中に入浴介助を行います。そして、昼食は利用者様と一緒に取ります。午後からはお菓子を召し上がって頂きます。 それまでに散歩などレクリエーションができればします。そして、18時になると日勤が上がり、夜勤にバトンタッチして、夜勤は眠れないで徘徊する人の睡眠補助をしたり、 何か不審なことが起こらないか見守りしたりします。
お職務の中で、最も重視している点は？
認知症を悪化させずに、その利用者様の幸福度を高めてもらうことです。 医療用語ではＱＯＬというのですが、こうした幸福度を高めることで、認知症も防ぐ事ができますし、よりその人が充実した暮らしを送ることができます。 一番に思うのは、利用者様が幸せに生きてほしいということです。幸せの感じ方は人それぞれですが、少しでも多くの利用者様に幸せになれるように、ＱＯＬを高められるように、努力をするべきだと思っています。
また、利用者の方の中には、生活保護を受けて余分なお金がないのに「有名な病院に連れて行ってくれ」というような物理的に無理な要求をされる人もいます。 そういった人にどれだけ上手く納得してもらえるかなど試行錯誤をしています。さらに、お年寄りとは頑固なもので、よく喧嘩をしたり、暴言を吐いたりします。 そうした事態にならないように、席を変えたり、なだめたりして、落ち着いた生活を送れるように、心がけています。
お仕事のやりがいは？
介護の仕事は給料も安いですし、精神的にもストレスを抱えやすいです。 肉体労働で重い利用者様を抱えなくていけないので辛いという意見はよく聞きますが、渡しの場合は、それはあまり感じませんでした。 仕事のやりがいはやはり利用者様に「ありがとう」と言われる時でしょう。 認知症になって口癖のようになっている人もいますし、中には暴言ばかり吐く人もいます。 そうした中で、「ありがとう」ときちんと言われる機会があると、やはりこれからもやって行こうと思うようになります。
