「スキマ時間」を通じ、介護施設での一般業務と「助っ人」とのマッチングを行うサービス、スケッター(Sketter)。
2019年の8月にリリースされてから、登録者も登録施設も急上昇中です。
そんなスケッターですが、当初は資金調達に苦戦しており、ローンチの危機がありました。
そんな中、1人の女性がプロジェクトに支援をしたことで、スケッターのプロジェクトが実現したという経緯があります。
今回は、スケッターの「支援者」でもあり、「救世主」でもある、株式会社プラスロボのセールスマネージャーである土光雅代さんにお越しいただきました。
(インタビュアー(左):いろはにかいご編集長 喜田)
(右:土光さん)
MRとしてご活躍していた土光さん。医療従事者として介護業界に思っていたこととは?
喜田:
では、早速土光さんのインタビューを始めさせていただきます。
まずは、ご経歴を簡単にお伺いさせてください。
土光さん:
大学を卒業した後、20代の時に8年間アパレル業界で販売員として働いてました。
30歳の時に製薬業界に転職をして、そこから10年、MRという職種で営業をしていました。
そして40歳になったときに、スケッターに関わることになりました。
喜田:
その際にはもともとスケッターのサービス自体はご存じだったのですか?
製薬会社からスタートアップへの転職となると、かなり大きなキャリアチェンジにも見えますが・・・
土光さん:
はい。ジョインする前に、クラウドファンディングで見つけて支援したのがきっかけですね。
元々、スケッターというサービスをクラウドファンディングで見つける前から、介護業界に対して思うところがいくつかあったんです。
私が製薬業界にいた時、人づてだったり、MRとして扱っている製品が入居者さん向けの製品だったりと、色々なつながりがあってボランティアで介護施設に行くことが何度かありました。
実際に行う業務はボランティアレベルでしたが、お盆休みとかお正月にその数日間介護施設で仕事をしていました。
喜田:
そんなときに介護業界に対して思うことがあったということですね。
土光さん:
はい。その時から、医療業界・介護業界が、言葉が悪いかもしれないですけど閉鎖的というか、他の業界との関わりが少ないなと感じていました。
もっと他の業界と介護業界が関わることになれば、業界の内外に様々な変化がきっと起こるのではないか。そう漠然と感じながら仕事をしていました。
実は、私が介護のボランティアをしていた時には、私にとって衝撃的な、人生を変えるような大きな感動があったり、色々勉強になることが本当にいっぱいあったんです。
そういったところを、「外」の視点からみていくと、きっと他の人も私のように色々勉強になると思っていました。
逆に、他の業界から見ると、「中」の人から見て困っている問題などがあった際、「外」の人間だった私からすると簡単に改善できるんじゃないかと感じることもありました。
初めて見たクラファンでスケッターを発見→即支援へ
喜田:
なるほど・・・その他の業界と介護業界のちょうど中間から介護業界をみていたんですね。
そんな折に、スケッターをクラウドファンディングで見つけられたと。
土光さん:
そうなんです!そんなときに、まさにその思いを、クラウドファンディングで、「具体的にこういうサービスであれば実現できます!」と示されて、びっくりしたんです。
彼らは私より一回りくらい若いんですが、「若いってすごいな!」と(笑)
「こういう視点からなら変えられるんだ!すごい!」と思って、支援した流れです。
喜田:
確か、土光さんの支援がなかったらクラウドファンディング達成できなかったんですよね。
鈴木さん(株式会社プラスロボCEO):
そうですね、スピード的にギリギリだめかな、と最初の10日で思いました。
土光さん:
もちろん自分からしたら安い金額ではなかったのですが、自分一人が使える範囲のお金で世の中が変わるなら、費用対効果がとても高いのではないかと思い、支援したいと伝えました。
喜田:
その時、クラウドファンディング初めて見たんですよね?(笑)
土光さん:
そうなんです!その時はクラウドファンディング自体もあまり知らなくて、普通はそんな大きな金額を支援することはないって後から池田さん(スケッター創業者の一人)から言われました。
でもとにかくその時は、「若い人たちはすごいな」って思ったのと、「私たちは年齢的にある程度様々なことを考えてしまうのに、彼らは若いのに社会貢献を考えていてすごいな」と思ったので、だったら支援したいなと。
喜田:
その時には、スケッターにジョインしようと思っていたんですか?
土光さん:
いえ、支援をした時にはそこまでは全然思っておらず、陰ながら応援しよう、というスタンスでいました。
もちろん関わりたいとは思っていましたが、様々な面から現実的でないと感じ、お気持ちをお伝えする程度でした。
喜田:
どのタイミングでジョインが決まったのですか?
土光さん:
2019年4月くらいですね。前職の早期退職制度を機に、思い切って退職を決意し、ジョインに至りました。
喜田:
思い切った決断をなさったんですね・・・。今はどんなお仕事をされてらっしゃるんですか?
土光さん:
主にセールスとして介護施設さんを回ってスケッターというサービスをご紹介したり商談をしたりしています。加えて、ご登録いただいた施設さんの、サービスに係るフォローアップを行ったりといったこともしています。
喜田:
やはり介護施設というとあまりパソコンの仕様が普及していないイメージがありますね、
土光さん:
おっしゃる通り、介護施設さんはFAXや手書きでほとんどの業務を行っている、というような施設様も多いので、スケッターを通じてそういったシステム関係の部分でもサポートさせていただいています。
スケッターを通じて土光さんが実現したい思いとは
喜田:
それでは最後に、これからスケッターとして成し遂げたいこと、こうやっていきたいことはありますか?
土光さん:
鈴木が言っているように、一億総福祉人を実現したいです。
私は介護施設での仕事の経験がないので、他の人ももっと関わる文化だったり、スタンスだったりを色んな人に持ってほしいというのが、私が成し遂げたいことです。
喜田:
業界内ではなく、外からの人に興味を持ってもらうということですね。
土光さん:
現代日本においては、業界内外問わず、どんな形であれほとんどの人が介護に関わることはあるはずなんです。
そうなったときに、例えば介護度をあげないための知識だったり、介護予防のための知識だったりが一定程度必要になることは自明です。
ただ現状、そんな状況にもかかわらず、「介護」というトピックに対してまだまだ受け身な方が多い。
なので、スケッターを通じて、介護に対してみんながそれぞれの視点・関わり方を持つ、そんな文化を作りたいですね。
喜田:
土光さんがスケッターにジョインされる前と比べて、より現実味が増しているような感じがしますね。
介護業界全体を見るメディア運営者からしても、業界に大きな変化が起きることを期待してしまいます!!
本日はありがとうございました!!!
スケッターへの支援。
MRからスタートアップへの転職。
介護業界に抱いた思いを実現すべく、決断を下してきた土光さん。
変革が強く求められる介護業界において、スケッターへの期待をさらに強めずにはいられないインタビューでした。