「存じ上げない」は、「知らない」を謙譲語で丁寧に表現した言葉であり、自分をへりくだることで相手への敬意を示すビジネスシーンに適した表現です。ただし、人に対して使う表現であることや、物事に対しては「存じません」を使うなど、正しい使い分けを理解しておくことが大切です。
また、メールや電話対応、転職活動、介護現場などでは、「恐れ入りますが」「確認いたします」などの一言を添えることで、より丁寧で誠実な印象を与えられます。本記事でご紹介した例文や言い換え表現を参考に、状況に応じて適切な敬語を使い分けてみてください。
目次
「存じ上げない」の意味
「存じ上げない」とは、「知らない」「面識がない」という意味を持つ謙譲語表現です。自分が相手や第三者について知らないことを、へりくだって丁寧に伝える際に使います。
「存じ上げる」は、「知る」「知っている」の謙譲語です。そこに否定の「ない」が付いた「存じ上げない」は、「知りません」をより丁寧にした表現といえます。ビジネスシーンでは、目上の人や取引先、社外の相手に対して、相手への敬意を示しながら「その方のことは知りません」と伝える場合に用いられます。
たとえば、取引先から「〇〇様をご存じですか」と尋ねられた際に、面識がない場合は「申し訳ございませんが、〇〇様については存じ上げません」と伝えることができます。「知りません」と直接言うよりも、柔らかく丁寧な印象になります。
「存じ上げない」を使う相手・対象
「存じ上げない」は、「知る」の謙譲語である「存じ上げる」の否定形であり、自分をへりくだることで相手への敬意を表す表現です。ビジネスシーンでは、取引先や上司などに対して「その方のことは知りません」と伝える際によく使われます。
ただし、「存じ上げない」は誰に対しても使えるわけではありません。基本的には「人」を対象とする敬語表現であり、会社名や商品名、出来事など人以外を対象にする場合は「存じません」や「承知しておりません」などを使うのが適切です。
例えば、以下のように使い分けます。
| 対象 | 適切な表現 |
|---|---|
| 人物 | 〇〇様は存じ上げません。 |
| 会社・企業 | その企業は存じません。 |
| 商品・サービス | その商品は存じません。 |
| 内容・事情 | 詳細は承知しておりません。 |
| 日程・予定 | 現時点では把握しておりません。 |
また、「存じ上げない」は主にフォーマルな場面で使用されるため、取引先や顧客、応募先の採用担当者、介護施設の利用者様やご家族など、敬意を示す必要がある相手とのやり取りに適しています。
一方、同僚や部下との日常会話では丁寧すぎる印象を与えることもあるため、状況によっては「知りません」「聞いたことがありません」「分かりません」などの表現の方が自然な場合もあります。
介護職では、利用者様やご家族から他の利用者様について質問されることがありますが、そのような場面では「存じ上げません」と答えるだけでなく、個人情報保護の観点から回答を控える必要があるケースも少なくありません。必要に応じて「担当者よりご案内いたします」「確認のうえ改めてお伝えいたします」といった表現を添えることで、より丁寧で適切な対応につながります。
このように、「存じ上げない」は目上の人や社外の相手に対して、人について知らないことを丁寧に伝える表現です。対象が「人」であることを意識し、場面や相手に応じて「存じません」や「承知しておりません」と使い分けることが、自然で正しい敬語表現につながります。
「存じ上げない」の使い方と使用場面
「存じ上げない」は、相手や第三者について「知らない」「面識がない」ということを、敬意を示しながら伝える謙譲表現です。ビジネスシーンでは、取引先や上司との会話、電話対応、メールなど幅広い場面で使用されています。
ただし、どのような状況でも使えるわけではなく、「人」を対象とすることや、相手との関係性に応じた表現を選ぶことが重要です。ここでは、「存じ上げない」がよく使われる代表的な場面と、自然に使うためのポイントを詳しく解説します。
相手の名前や人物について知らないとき
「存じ上げない」は、相手の名前や人物について知らないことを、敬意を保ちながら丁寧に伝えたいときに使う表現です。特に、取引先や顧客、上司などから「〇〇様をご存じですか」と尋ねられた際に、「申し訳ございませんが、〇〇様は存じ上げません」と回答することで、単に「知りません」と言うよりも柔らかく礼儀正しい印象を与えられます。
また、初めて名前を聞く人物だけでなく、「面識がない」「人物について詳しく知らない」という場合にも使用できます。ただし、「存じ上げない」は人物を対象とする表現であるため、会社名や商品名、制度などには使えません。相手への敬意を示しつつ、自分がその人物を認識していないことを伝える場面で用いるのが適切です。
取引先や目上の人に関する情報を持っていないとき
取引先や上司、役員など目上の人に関する情報を知らない場合は、「存じ上げない」を使うことで、相手への敬意を保ちながら丁寧に伝えられます。例えば、「〇〇様をご存じですか」と尋ねられた際に、「申し訳ございませんが、その方は存じ上げません」と答えれば、単に「知りません」と伝えるよりも柔らかく、礼儀正しい印象を与えられるでしょう。
また、知らないことを伝えるだけで終わらせるのではなく、「確認いたします」「担当者へ確認のうえご連絡いたします」といった一言を添えることで、誠実な対応につながります。特にビジネスでは、相手との信頼関係を築くことが重要です。情報を把握していない場合でも、丁寧な言葉遣いとその後の対応を意識することで、相手に安心感を与えられるでしょう。
担当者・関係者について確認されたとき
ビジネスでは、取引先や社内の関係者について「○○様をご存じですか」「担当の△△様とは面識がありますか」と尋ねられることがあります。そのような場合、相手のことを知らないのであれば、「存じ上げない」を用いることで、敬意を保ちながら丁寧に回答できます。
例えば、「申し訳ございませんが、○○様のことは存じ上げません」「恐れ入りますが、その担当者様は存じ上げておりません」といった表現が自然です。一方で、「知りません」と答えると、ぶっきらぼうな印象を与えることがあるため、社外の相手や目上の人とのやり取りでは避けたほうがよいでしょう。
また、担当者が分からない場合でも、そのまま会話を終えるのではなく、「確認いたしますので少々お待ちください」「担当部署へ確認のうえ、改めてご連絡いたします」と続けることで、より丁寧で誠実な対応になります。
介護現場で利用者様やご家族について尋ねられたとき
介護現場では、利用者様やご家族、ケアマネジャー、医療機関の担当者などから、特定の人物について質問を受けることがあります。その際、面識がない相手や担当外の利用者様については、「申し訳ございませんが、その方は存じ上げません」と伝えることで、丁寧かつ適切に回答できます。
また、介護職では個人情報の保護が重要であるため、知っている内容であっても安易に回答できないケースがあります。そのような場合は、「担当者へ確認いたします」「担当職員よりご案内いたします」といった一言を添えることで、誤解や情報漏えいを防ぎながら誠実な対応につながります。
「存じ上げない」は、知らないことを伝えるだけでなく、相手への敬意を保ちながら適切なコミュニケーションを取るための表現です。利用者様やご家族との信頼関係を築くためにも、状況に応じてほかの丁寧な表現と組み合わせて使用しましょう。
転職活動で応募先の担当者や関係者について聞かれたとき
介護職への転職活動では、採用担当者や施設長、紹介された職員などについて尋ねられる場面があります。その人物と面識がない場合は、「申し訳ございませんが、〇〇様は存じ上げません」と伝えることで、相手への敬意を保ちながら知らないことを丁寧に伝えられます。
例えば、転職エージェントから「〇〇施設の施設長をご存じですか」と聞かれた際や、応募先から「〇〇主任とはお話しされましたか」と確認された際にも、「現時点では存じ上げません」「まだお会いしたことがないため存じ上げません」と答えれば自然です。
一方で、「施設については存じ上げません」とすると、人ではなく施設を対象としているため不自然な表現になります。この場合は「施設については存じません」「詳しくは承知しておりません」と言い換えるのが適切です。転職活動では、対象が人物なのか物事なのかを意識して使い分けることが、丁寧で好印象なコミュニケーションにつながります。
「存じ上げない」を使う際の注意点
「存じ上げない」は、相手への敬意を示しながら「知らない」ことを伝えられる便利な敬語表現ですが、使い方を誤ると不自然な日本語になったり、かえって失礼な印象を与えたりすることがあります。
ここでは、「存じ上げない」を使用する際に押さえておきたいポイントや、誤用を避けるための注意点を具体例とともに解説します。
冷たい印象にならないようクッション言葉を添える
「存じ上げない」は丁寧な敬語表現ですが、「知りません」という内容を伝える言葉であるため、使い方によっては相手に冷たい印象や素っ気ない印象を与えてしまうことがあります。そのため、「申し訳ございませんが」「恐れ入りますが」「あいにくですが」といったクッション言葉を添えるのがおすすめです。
例えば、「その方は存じ上げません」とだけ伝えるよりも、「申し訳ございませんが、その方は存じ上げません」や「恐れ入りますが、私では存じ上げません」のように前置きを加えることで、相手への配慮が伝わり、柔らかな印象になります。
「存じ上げておりません」との使い分けに注意する
「存じ上げない」と「存じ上げておりません」は、どちらも相手のことを知らないことを伝える敬語表現ですが、丁寧さや使用される場面に違いがあります。
「存じ上げない」は会話でもメールでも使用できる一般的な表現で、「その方は存じ上げません」や「私は存じ上げないのですが」のように比較的自然な言い回しとして用いられます。一方、「存じ上げておりません」は、「存じ上げる」に「おります」を加えた、より丁寧で改まった表現です。そのため、重要な取引先へのメールや正式な文書、接客など、特に礼儀が求められる場面で使われることが多くあります。
なお、どちらの表現も対象は人物が基本です。会社名や商品名、制度など人以外には使用せず、「存じません」「承知しておりません」などの表現を選ぶようにしましょう。場面や相手との関係性に応じて使い分けることで、より自然で丁寧なコミュニケーションにつながります。
「知りません」と言い切るよりも丁寧な表現を選ぶ
「知りません」は文法的には間違いではありませんが、ビジネスシーンではぶっきらぼうな印象を与えたり、相手によっては冷たい対応だと受け取られたりすることがあります。特に、取引先や上司、お客様など目上の人に対して使用すると、配慮に欠ける印象につながる可能性があるため注意が必要です。
そのような場面では、「存じ上げません」「存じません」「承知しておりません」などの丁寧な表現を選ぶことで、相手への敬意を示しながら、知らないことを自然に伝えられます。また、単に「存じ上げません」と答えるだけでなく、「申し訳ございませんが、存じ上げません」「確認のうえ改めてご連絡いたします」といった一言を添えると、より誠実で配慮のある印象になります。
ビジネスでは、伝える内容だけでなく伝え方も重要です。知らないことを伝える場面だからこそ、相手との関係性に応じて丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
介護現場では個人情報への配慮を忘れない
介護現場で「存じ上げない」を使用する際は、丁寧な言葉遣いだけでなく、個人情報への配慮も欠かせません。利用者様やご家族、職員に関する情報は、知っている内容であっても本人の同意なく第三者へ伝えることは避ける必要があります。
そのため、「申し訳ございませんが、その件については存じ上げません」や「私からはお答えいたしかねます」「担当者よりご案内いたします」といった表現を用いることで、相手に失礼な印象を与えず、適切に対応できます。
介護職では、利用者様との信頼関係を築くことが重要です。敬語を正しく使うことに加え、守秘義務や個人情報保護の意識を持って受け答えをすることが、安心してサービスを利用していただくためにも大切なポイントといえるでしょう。
「存じ上げない」を使った例文
「存じ上げない」は、相手や第三者について知らないことを丁寧に伝える際に用いられる謙譲表現です。ビジネスシーンでは、取引先から人物について尋ねられたときや、社内で担当者・関係者について確認されたときなど、さまざまな場面で使用されています。
取引先の担当者について確認されたときのメール例文
取引先から特定の担当者について尋ねられたものの、面識がない場合は、「存じ上げない」を用いることで、相手への敬意を保ちながら丁寧に回答できます。ただし、「存じ上げません」と伝えるだけでは素っ気ない印象を与えることがあるため、必要に応じて確認する姿勢や代替案を添えることが大切です。
| 件名:Re:ご担当者様について 株式会社〇〇 △△様 お世話になっております。株式会社□□の○○です。 お問い合わせいただきました〇〇様につきましては、誠に恐縮ではございますが、私では存じ上げません。 お急ぎのところ恐れ入りますが、社内で確認のうえ、担当者より改めてご連絡させていただきますので、今しばらくお待ちいただけますと幸いです。 何卒よろしくお願いいたします。 |
社内で目上の人や関係者について尋ねられたときのメール例文
社内で役員や他部署の責任者などについて質問されたものの、面識がない場合は、「存じ上げない」を使うことで丁寧に回答できます。知らないことを伝えるだけで終わらせず、「確認いたします」などの一言を添えると、より誠実な印象になります。
| 件名:Re:〇〇部長について 〇〇部長 お疲れ様です。 お問い合わせいただきました〇〇様につきましては、誠に恐縮ですが、私自身は存じ上げません。 そのため、現時点では詳細をご案内できかねますが、担当部署へ確認のうえ、必要な情報が分かりましたら改めてご連絡いたします。 お急ぎのところ恐縮ですが、今しばらくお時間をいただけますと幸いです。 何卒よろしくお願いいたします。 |
介護施設で利用者様やご家族について確認されたときのメール例文
介護施設では、利用者様やご家族に関する情報は個人情報に該当するため、「存じ上げません」と伝えるだけでなく、「担当者へ確認いたします」「個人情報保護の観点から回答できない場合があります」といった一文を添えることが大切です。知らないことを丁寧に伝えるだけでなく、適切な対応方法を案内することで、相手に安心感を与えられます。
| Re: 利用者様についてのお問い合わせ 〇〇様 お世話になっております。〇〇介護施設の△△です。 お問い合わせいただきました〇〇様につきましては、申し訳ございませんが、私自身は存じ上げません。 また、利用者様やご家族に関する情報は個人情報保護の観点から、担当者以外がお伝えできない場合がございます。 ご確認をご希望の場合は、担当職員へ引き継ぎのうえ、改めてご連絡させていただきますので、恐れ入りますが少々お時間をいただけますと幸いです。 ご不便をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。 |
電話対応で相手の名前や所属がわからないときのメール例文
電話では担当者の名前や所属が聞き取れなかったり、初めて連絡を受けたりすることがあります。そのような場合は、「存じ上げない」を用いることで、知らないことを失礼なく伝えられます。ただし、「存じ上げません」と伝えるだけで終わらせるのではなく、相手の名前や所属を確認したい旨を添えると、丁寧で円滑なやり取りにつながります。
| 件名:お電話の件について 株式会社〇〇 △△様 いつもお世話になっております。株式会社□□の〇〇です。 先ほどはお電話をいただき、ありがとうございました。 恐れ入りますが、お電話ではお名前とご所属を十分に確認できず、現時点ではどなた様か存じ上げませんでした。 お手数をおかけいたしますが、お名前とご所属、ご用件をあらためてご返信いただけますと幸いです。確認後、速やかに対応させていただきます。 何卒よろしくお願いいたします。 |
介護職への転職活動では、応募先とのメールや電話、面接など、さまざまな場面で丁寧な言葉遣いが求められます。「存じ上げない」のような敬語を適切に使えることは、相手に誠実で礼儀正しい印象を与えるポイントの一つです。
しかし、「どの敬語を使えばよいか分からない」「応募先とのやり取りで失礼がないか不安」と感じる方も少なくありません。
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「存じ上げない」への返信例
「存じ上げない」と言われた場合は、相手が「知らない」と丁寧に伝えているだけであり、失礼な表現ではありません。そのため、返信する際は相手を責めるような言い方を避け、必要に応じて追加情報を伝えたり、お礼を述べたりすることが大切です。
例えば、取引先や上司から「その方は存じ上げません」と返信があった場合は、人物の所属や役職などを補足して再度確認をお願いすると、スムーズにやり取りを進められます。また、応募先とのメールや介護職の転職活動では、丁寧な言葉遣いを心がけることで、誠実で礼儀正しい印象を与えられるでしょう。
ここでは、取引先・上司・応募先など、さまざまなビジネスシーンを想定した「存じ上げない」への返信例をご紹介します。
取引先から「存じ上げない」と返信された場合
取引先から「申し訳ございませんが、その方は存じ上げません」と返信があった場合は、否定的な印象を受ける必要はありません。「存じ上げない」は、人物について知らないことを丁寧に伝える謙譲表現であり、ビジネスでは一般的に使われています。
返信する際は、相手が知らないことを前提に、必要な情報を補足するとやり取りがスムーズです。例えば、「ご確認ありがとうございます。○○株式会社の営業担当である△△と申します。改めてご紹介させていただきます」のように、所属や氏名、用件を簡潔に伝えると親切な印象を与えられます。
また、相手を責めるような表現や、「ご存じないのですね」といった言い回しは避けましょう。相手の回答に感謝を伝えたうえで、必要な情報を丁寧に共有することが、円滑なビジネスコミュニケーションにつながります。
上司や社内の相手から「存じ上げない」と言われた場合
上司や社内の相手から「その方は存じ上げません」「その件は存じ上げません」と返答された場合は、相手が知らないことを丁寧に伝えているため、必要に応じて追加情報を伝えたり、お礼を述べたりするのが適切です。無理に説明を求めるのではなく、相手が判断しやすい情報を補足すると、その後のやり取りがスムーズになります。
| ご返信ありがとうございます。 承知いたしました。 〇〇株式会社の△△様で、先日お問い合わせをいただいた件についてご連絡しております。お心当たりがございましたら、ご確認いただけますと幸いです。 何卒よろしくお願いいたします。 |
応募先から担当者を知らないと伝えられた場合
応募先から「申し訳ございませんが、その担当者は存じ上げません」と返信があった場合は、無理に話を進めようとせず、相手の回答を受け止めたうえで必要な情報を補足することが大切です。
| ご返信いただきありがとうございます。 承知いたしました。ご存じないとのこと、ご回答いただきありがとうございます。 差し支えなければ、現在の担当者様またはお問い合わせ先をご教示いただけますでしょうか。 お忙しいところ恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。 |
相手が担当者を把握していないケースや、部署異動などにより担当が変わっているケースも少なくありません。「なぜ知らないのですか」と追及するのではなく、感謝を伝えたうえで代替の連絡先や担当部署を確認すると、丁寧で好印象なやり取りにつながります。
介護施設から利用者様や関係者について回答を控えられた場合
介護施設から「申し訳ございませんが、その方については存じ上げません」「個人情報のためお答えできかねます」といった回答を受けた場合は、無理に詳しい情報を尋ねず、理解を示す返信をすることが大切です。介護施設では、利用者様やご家族の個人情報を保護する義務があるため、回答を控えることは適切な対応といえます。
| ご回答いただきありがとうございます。 個人情報へのご配慮について承知いたしました。 ご丁寧にご説明いただき、ありがとうございます。 また必要な事項がございましたら、改めてご相談させていただきます。 今後ともよろしくお願いいたします。 |
相手に追加情報を伝えて再確認を依頼する場合
相手から「存じ上げません」と返信があった場合でも、必要な情報が不足していることが原因であるケースは少なくありません。そのような場合は、追加情報を伝えたうえで、改めて確認をお願いするとスムーズにやり取りを進められます。
例えば、同姓の担当者が複数いる場合は会社名や部署名を添えたり、取引先であれば所属部署や役職を伝えたりすると、相手も確認しやすくなります。
| ご返信ありがとうございます。ご存じないとのこと、承知いたしました。 恐れ入りますが、私が申し上げておりますのは『〇〇株式会社 営業部の△△様』でございます。 お手数をおかけしますが、改めてご確認いただくことは可能でしょうか。何卒よろしくお願いいたします。 |
「存じ上げない」の言い換え表現
「存じ上げない」は、人物について「知らない」ことを丁寧に伝える際に適した敬語表現ですが、状況によっては別の言い回しを使った方が自然な場合もあります。
例えば、人ではなく物事や制度について述べる場合は「存じません」や「承知しておりません」が適切です。また、その場で判断できないことを伝える場合には「分かりかねます」、面識がないことを伝えたい場合には「面識がございません」など、伝えたい内容に応じて使い分けることで、より正確で相手に配慮したコミュニケーションができます。
ここでは、「存じ上げない」と意味が近い代表的な言い換え表現を紹介するとともに、それぞれの意味やニュアンス、適した使用場面の違いを詳しく解説します。場面に応じて適切な表現を選べるようになれば、ビジネスメールや介護現場、転職活動などでも、より自然で丁寧な受け答えができるようになるでしょう。
存じません
「存じません」は、「知る」の謙譲語である「存じる」を否定した敬語表現で、人だけでなく物事や情報、内容など幅広い対象に使用できます。そのため、「存じ上げない」と似ていますが、使う対象が異なる点が大きな違いです。
例えば、「その方は存じ上げません」は人物に対して使うのが適切ですが、「その制度については存じません」「その商品は存じません」のように、人以外を対象とする場合は「存じません」を用います。また、「存じません」は人物に対して使うこともできますが、相手への敬意をより強く示したい場面では「存じ上げません」の方が自然です。
このように、「人には『存じ上げない(存じ上げません)』、人以外には『存じません』」と使い分けることで、より正確で丁寧な敬語表現になります。
わかりかねます
「わかりかねます」は、「わかる」に「〜かねる(〜することが難しい)」を組み合わせた丁寧な表現で、「判断できません」「お答えできません」という意味を表します。
「存じ上げない」が人物について「知らない」ことを伝えるのに対し、「分かりかねます」は、事実関係や状況、判断を求められた際に回答が難しいことを伝える場面で使用します。
例えば、「現時点では詳細は分かりかねます」「担当者ではないためお答えいたしかねます」といった使い方が一般的です。一方で、人物について「〇〇様は分かりかねます」と表現すると不自然になるため、その場合は「〇〇様は存じ上げません」を使うのが適切です。
対象が「人」なのか「内容・判断」なのかを意識して使い分けることで、より自然で丁寧なビジネスコミュニケーションができます。
把握しておりません
「把握しておりません」は、「現在その情報を確認・認識できていない」ことを丁寧に伝える敬語表現です。「存じ上げない」が主に人物を対象とするのに対し、「把握しておりません」は予定や進捗、状況、数値などの情報に対して使用します。
例えば、「現在の進捗は把握しておりません」「詳しい状況は把握しておりませんが、確認のうえご連絡いたします」のように使うことで、情報を持っていないことを伝えつつ、その後の対応も示せます。ビジネスシーンや介護現場でも、事実を曖昧に答えず、確認してから案内する姿勢を示せるため、誠実な印象を与えられる表現です。
一方で、人に対して「○○様は把握しておりません」と使うのは不自然なため、その場合は「存じ上げません」や「面識がございません」を用いるようにしましょう。
承知しておりません
「承知しておりません」は、「その内容を把握していない」「知らされていない」という意味を丁寧に伝える敬語表現です。「存じ上げない」が人物を対象とするのに対し、「承知しておりません」は予定や規則、商品、サービス、手続きなど、人以外の事柄に対して使われることが多い点が大きな違いです。
例えば、「その件については承知しておりません」「現在の状況は承知しておりません」のように使用します。一方で、「〇〇様は承知しておりません」と人を対象に使うのは不自然なため、「〇〇様は存じ上げません」と表現するのが適切です。
また、「承知しておりません」は、単に知らないことを伝えるだけでなく、「確認のうえご連絡いたします」などの一言を添えることで、相手に誠実で配慮のある印象を与えられます。対象が「人」か「事柄」かを意識して、「存じ上げない」と使い分けることが大切です。
「存じ上げない」を使う際に覚えておきたいビジネスマナー
「存じ上げない」は、相手への敬意を示しながら「知らない」という意思を伝えられる便利な敬語表現ですが、使い方によってはそっけない印象や誤解を与えてしまうことがあります。特にビジネスシーンでは、単に「存じ上げません」と伝えるだけでなく、その後の対応や言葉遣いにも配慮することが大切です。
例えば、確認できる内容であれば「確認いたします」と付け加えたり、お詫びやクッション言葉を添えたりすることで、相手に与える印象は大きく変わります。また、介護職では利用者様やご家族との信頼関係を築くため、個人情報への配慮や丁寧な説明も欠かせません。ここでは、「存じ上げない」を適切に使うために押さえておきたいビジネスマナーを、具体的な場面を交えながら解説します。
知らないことを伝えるときは謝意や配慮を添える
「存じ上げない」は丁寧な敬語表現ですが、状況によっては「知らないので対応できません」と受け取られ、冷たい印象を与えてしまうことがあります。そのため、知らないことを伝える際は、「申し訳ございませんが」「恐れ入りますが」などのクッション言葉や、「確認いたします」「お調べしてご連絡いたします」といった配慮のある一言を添えることが大切です。
例えば、「申し訳ございませんが、その方は存じ上げません」だけで終えるよりも、「申し訳ございませんが、その方は存じ上げません。担当部署へ確認いたします」と続けることで、相手に誠実で前向きな印象を与えられます。
ビジネスシーンや介護現場では、単に「知らない」と伝えるのではなく、相手への配慮や今後の対応を示すことで、より信頼されるコミュニケーションにつながるでしょう。
確認できる内容であれば「確認いたします」と伝える
「存じ上げない」は、現時点で知らないことを丁寧に伝える表現ですが、それだけで会話やメールを終えてしまうと、相手に「対応してもらえない」という印象を与えることがあります。そのため、確認可能な内容であれば、「確認いたします」「担当者に確認のうえ、ご連絡いたします」といった一言を添えることが大切です。
例えば、担当者の在席状況や手続きの進捗、資料の有無などは、その場では存じ上げなくても確認できる場合があります。「申し訳ございません。現時点では存じ上げませんが、確認して折り返しご連絡いたします」と伝えることで、丁寧さだけでなく、相手に寄り添う姿勢や誠実さも伝えられます。
ビジネスや介護現場、転職活動のいずれにおいても、「わからない」で終わらせず、その後の対応まで示すことが、信頼されるコミュニケーションにつながるでしょう。
報告・連絡・相談では曖昧なまま答えない
ビジネスでは、報告・連絡・相談(報連相)の場面で、知らないことを曖昧なまま答えないことが大切です。分からない内容を推測で伝えてしまうと、誤った情報が共有され、業務上のトラブルや相手からの信頼低下につながる可能性があります。
そのような場合は、「申し訳ございませんが、その方は存じ上げません」「現時点では把握しておりません」などと正直に伝えたうえで、「確認して改めてご連絡いたします」と続けるのが適切です。知らないことを認めることは決して失礼ではなく、正確な情報を提供しようとする誠実な姿勢として評価されます。
特に介護職では、利用者様やご家族に関する情報を取り扱う機会が多いため、不確かな内容を伝えることは避けなければなりません。わからない場合は担当者へ確認し、正確な情報をお伝えすることが、信頼されるコミュニケーションにつながります。
介護職では個人情報や守秘義務を意識して回答する
介護職では、利用者様やご家族に関する情報を取り扱う機会が多いため、「存じ上げない」を使う際も個人情報や守秘義務への配慮が欠かせません。
例えば、利用者様から「〇〇さんをご存じですか」と尋ねられても、業務上必要のない情報を安易に伝えることは避けるべきです。
面識がない場合はもちろん、「申し訳ございませんが、その方は存じ上げません」と丁寧に回答し、知っている場合でも開示できない内容であれば「恐れ入りますが、個人情報に関わるためお答えいたしかねます」「担当者よりご案内いたします」と伝えるのが適切です。利用者様やご家族との信頼関係を築くためにも、正しい敬語だけでなく、守秘義務を守った誠実な対応を心掛けましょう。
転職活動では丁寧さと誠実さが伝わる表現を選ぶ
転職活動では、応募書類や面接だけでなく、採用担当者とのメールや電話でのやり取りも評価の対象となるため、丁寧で誠実な言葉遣いを心掛けることが大切です。
「存じ上げない」を使う場合も、知らないことを伝えるだけで終わらせるのではなく、「申し訳ございませんが、〇〇様は存じ上げません」「確認のうえ改めてご連絡いたします」のように、クッション言葉や今後の対応を添えると、礼儀正しい印象を与えられます。
また、わからない内容を曖昧なまま回答したり、知ったかぶりをしたりすることは避けましょう。分からないことは素直に伝え、必要に応じて確認する姿勢を示すことが、応募先からの信頼につながります。
特に介護職は利用者様やご家族とのコミュニケーションが重要な職種であるため、転職活動の段階から適切な敬語を身につけておくことが大切です。
介護職では、利用者様やご家族、職場のスタッフなど、多くの方と信頼関係を築くために、適切な言葉遣いや丁寧なコミュニケーションが求められます。また、転職活動では応募先とのメールや電話、面接など、敬語を使う場面も少なくありません。
「正しい敬語に自信がない」「応募先とのやり取りで失礼がないか不安」と感じている方は、介護職専門の転職エージェント「ウィルオブ介護」にご相談ください。
ウィルオブ介護では、求人紹介だけでなく、履歴書・職務経歴書の添削や面接対策、応募先とのやり取りに関するアドバイスまで、転職活動を総合的にサポートしています。安心して転職活動を進めたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
「存じ上げない」の英語表現
「存じ上げない」は、日本語特有の謙譲表現であるため、英語に一語で対応する表現はありません。そのため、英訳する際は「知らない」という意味だけでなく、相手への敬意や丁寧さも考慮して表現を選ぶことが大切です。
ここでは、「存じ上げない」に近い意味を持つ英語表現や、それぞれのニュアンスの違い、ビジネスシーンでの使い分けについて詳しく解説します。
I do not know him/her.
「I do not know him/her.」は、「その人を知りません」「その人とは面識がありません」という意味の英語表現です。日本語の「存じ上げない」に近い意味で使われますが、英語では謙譲語のような敬語表現はないため、丁寧さの度合いは文法ではなく言い回しによって表現します。
そのため、ビジネスシーンで「存じ上げない」のニュアンスを伝えたい場合は、「I do not know him/her.」だけではやや直接的な印象を与えることがあります。取引先や初対面の相手とのやり取りでは、「I’m afraid I don’t know him/her.」や「I’m sorry, but I don’t know him/her.」のように、クッションフレーズを添えると、より丁寧で柔らかい印象になります。
また、この表現は「その人を知らない」という意味であり、会社や商品、出来事などには使用しません。人に対して「存じ上げない」と伝えたい場面で用いるのが適切です。
I am not familiar with that person.
「I am not familiar with that person.」は、「その方のことはよく存じ上げません」「その方とは面識がありません」という意味で使われる英語表現です。「familiar with」は「よく知っている」「詳しい」という意味を持つため、人物について使うと「その人について詳しく知らない」「親しい間柄ではない」というニュアンスになります。
日本語の「存じ上げない」と近い意味を持ちますが、ビジネスシーンでは「知らない」と断定するよりも柔らかい印象を与えられる表現です。ただし、「存じ上げない」が持つ謙譲語としての敬意までは含まれないため、より丁寧に伝えたい場合は「I’m afraid I’m not familiar with that person.」や「I don’t believe we’ve met.」などの表現を用いると、より礼儀正しい印象になります。
I have not had the pleasure of meeting him/her.
「I have not had the pleasure of meeting him/her.」は、直訳すると「その方にお会いする機会に恵まれておりません」という意味で、英語圏のビジネスシーンで使われる非常に丁寧な表現です。単に「知りません(I don’t know him/her.)」と言うよりも柔らかく上品な印象を与えられるため、初対面の人物について話す場面や、取引先・顧客など目上の相手との会話に適しています。
例えば、「申し訳ありませんが、その方は存じ上げません」と伝えたい場合は、「I’m afraid I have not had the pleasure of meeting him yet.」のように表現できます。相手への敬意を示しながら、面識がないことを自然に伝えられるため、フォーマルなビジネスメールや商談、国際的なコミュニケーションで覚えておくと便利なフレーズです。
I am afraid I am not aware of that person.
「I am afraid I am not aware of that person.」は、「申し訳ありませんが、その方のことは存じ上げません」という意味で使われる丁寧な英語表現です。文頭の「I am afraid」は、残念ながら・申し訳ありませんが、というニュアンスを加えるクッションフレーズであり、相手への配慮を示しながら回答できます。また、「be aware of」は「~について認識している・知っている」という意味があり、「that person」と組み合わせることで、人物について存じ上げないことを自然に伝えられます。
ビジネスシーンでは、海外の取引先から人物について尋ねられた際や、社内で海外の関係者について質問を受けた際などに使われます。相手に失礼な印象を与えにくく、丁寧さを重視したい場面に適した表現です。ただし、面識がないことをより強調したい場合は、「I have not had the pleasure of meeting him/her.」の方が自然なケースもあります。状況に応じて使い分けることで、より適切なコミュニケーションが取れるでしょう。
ビジネスメールで使いやすい丁寧な英語表現
「存じ上げない」を英語で表現する場合、日本語のような敬語表現は存在しないため、丁寧な言い回しを選ぶことが大切です。ビジネスメールでは、単に「I don’t know」と伝えるよりも、「I’m afraid I am not familiar with that person.(申し訳ありませんが、その方は存じ上げません)」や「I have not had the pleasure of meeting him.(その方とはまだお会いしたことがありません)」のような、配慮を感じさせる表現がよく用いられます。
また、相手に失礼な印象を与えないためには、「I’m afraid(恐れ入りますが)」や「Unfortunately(あいにくですが)」などのクッションフレーズを添えるのも効果的です。英語圏のビジネスシーンでは、相手への敬意や配慮は敬語そのものではなく、丁寧な語句や柔らかな表現によって示されるため、状況に応じて適切なフレーズを使い分けましょう。
「存じ上げない」と似た表現の違い
「存じ上げない」は、相手に対して「その人を知らない」ことを丁寧に伝える敬語表現ですが、似た意味を持つ言葉はいくつもあります。例えば、「存じません」「承知しておりません」「分かりかねます」「面識がございません」などは、いずれもビジネスシーンで使われる機会が多い表現です。
しかし、それぞれ敬意を向ける対象や「知らない」内容が異なり、適切な場面で使い分けなければ、不自然な印象や誤解を与えてしまうことがあります。特に「存じ上げない」は人物に対して使う表現であり、物事や情報に対して使うのは適切ではありません。
ここでは、「存じ上げない」と混同されやすい表現との違いを分かりやすく解説します。意味やニュアンス、使える相手や場面を比較しながら紹介するので、ビジネスメールや介護職でのやり取り、転職活動などで状況に応じた適切な言葉を選べるようになりましょう。
「存じ上げない」と「存じません」の違い
「存じ上げない」と「存じません」はどちらも「知らない」を丁寧に伝える敬語ですが、使う対象が異なります。
「存じ上げない」は、人や人物との面識・認識がないことを表す謙譲表現です。例えば、「その方は存じ上げません」「〇〇様のことは存じ上げておりません」のように、相手や第三者について述べる際に使用します。
一方、「存じません」は、物事や内容、事実を知らないことを伝える表現です。「その件については存じません」「詳しい事情は存じません」のように、情報や知識に対して使うのが基本となります。
つまり、「人」には「存じ上げない」、「物事」には「存じません」を使い分けることが重要です。この違いを理解しておくことで、ビジネスメールや転職活動、介護現場でのやり取りでも自然で正しい敬語表現を使えるようになります。
「存じ上げない」と「わかりかねます」の違い
「存じ上げない」と「分かりかねます」は、どちらも相手に対して「答えられない」ことを丁寧に伝える表現ですが、使う場面や意味は異なります。
「存じ上げない」は、「知らない」の謙譲語であり、人や人物に関する知識や面識がないことを表す際に使用します。例えば、「その方は存じ上げません」「担当者様のことは存じ上げておりません」のように、対象が人である場合に適した表現です。
一方、「わかりかねます」は、「わかりません」をより丁寧に伝える表現で、現時点では判断できない、情報がなく回答できないという意味を持ちます。人物だけでなく、スケジュールや仕様、料金、対応可否など幅広い内容に使用できるのが特徴です。
つまり、人について「知らない」ことを伝える場合は「存じ上げない」、内容や状況について「判断できない」「把握していない」ことを伝える場合は「わかりかねます」を使うのが適切です。意味の違いを理解して使い分けることで、より自然で丁寧なビジネスコミュニケーションにつながります。
「存じ上げない」と「面識がございません」の違い
「存じ上げない」と「面識がございません」は、どちらも相手との関わりがないことを表す丁寧な表現ですが、意味には違いがあります。
「存じ上げない」は、相手のことを知らない、または名前や人物を認識していないことを表す謙譲語です。一方で、「面識がございません」は、相手のことは知っているものの、実際に会ったことがない、または直接の付き合いがないことを意味します。
例えば、「○○様は存じ上げません」と言えば、その人物自体を知らないことを表します。一方、「○○様のお名前は存じておりますが、面識はございません」と言えば、名前や存在は知っているものの、実際に会ったことはないという意味になります。
このように、「知っているかどうか」を伝える場合は「存じ上げない」、「会ったことがあるかどうか」を伝える場合は「面識がございません」を使うと、より正確で丁寧なコミュニケーションができます。
「存じ上げない」と「承知しておりません」の違い
「存じ上げない」と「承知しておりません」はどちらも「知らない」ことを丁寧に伝える表現ですが、対象となるものが異なります。
「存じ上げない」は、人について「面識がない」「その人物を知らない」という意味で使う謙譲表現です。そのため、「その方は存じ上げません」「〇〇様のことは存じ上げておりません」のように、人を対象として使用します。
一方、「承知しておりません」は、事実や情報、予定、内容などを把握していないことを伝える表現です。「その件については承知しておりません」「詳細は承知しておりません」のように、人ではなく物事や情報を対象とするのが基本です。
例えば、担当者の名前を知らない場合は「〇〇様は存じ上げません」、新しいルールや日程を知らない場合は「その件は承知しておりません」と使い分けるのが適切です。対象が「人」なのか「情報・内容」なのかを意識すると、自然で正しい敬語表現になります。
相手・対象・場面別の使い分け
「存じ上げない」は、人に対して「知らない」「面識がない」ことを丁寧に伝える謙譲表現です。そのため、取引先や上司、顧客など目上の相手との会話やビジネスメールで使用するのが適しています。
一方で、人以外の物事や内容については「存じません」や「承知しておりません」を使うのが自然です。例えば、「その制度は存じません」「詳細は承知しておりません」と表現します。
また、判断や回答ができない場面では、「わかりかねます」を用いることで、丁寧に回答を保留できます。さらに、相手との面識がないことを強調したい場合は、「面識がございません」という表現も適しています。
このように、「存じ上げない」は相手・対象・状況によって適切な表現を選ぶことが重要です。意味の違いを理解して使い分けることで、ビジネスシーンや介護職、転職活動などでも、より自然で礼儀正しいコミュニケーションにつながります。
「存じ上げない」に関するよくある質問(FAQ)
「存じ上げない」は、ビジネスメールや会話でよく使われる敬語表現ですが、「メールで書いたら失礼にあたるのか」など、細かな使い方に迷う方も少なくありません。また、似た表現との使い分けや、より自然な言い回しについて疑問を持つケースも多く見られます。
ここでは、「存じ上げない」に関して特によく寄せられる質問を取り上げ、それぞれわかりやすく解説します。実際のビジネスシーンや転職活動、介護現場でのコミュニケーションにも役立つポイントを紹介していますので、正しい敬語表現を身につけたい方はぜひ参考にしてください。
メールで「存じ上げない」と書くと失礼になりますか?
メールで「存じ上げない」と記載すること自体は失礼ではありません。むしろ、「知らない」を謙譲語で表現した丁寧な言い回しであり、取引先や上司など目上の人に対しても適切に使用できます。
ただし、「存じ上げません」「存じ上げておりません」の一言だけで終えてしまうと、冷たい印象や突き放した印象を与えることがあります。そのため、「申し訳ございませんが」「あいにく」「現時点では」などのクッション言葉を添えたり、「確認のうえ改めてご連絡いたします」のように今後の対応を伝えたりすると、より丁寧で誠実な印象になります。
また、「存じ上げない」は人物に対して使う表現です。商品や制度、内容などについては「存じません」「承知しておりません」「把握しておりません」などの表現を選ぶのが自然です。相手や対象に応じて適切な敬語を使い分けることで、ビジネスマナーを踏まえた印象の良いメールになります。
まとめ
「存じ上げない」は、「知らない」を謙譲語で丁寧に表現した言葉であり、自分をへりくだることで相手への敬意を示すビジネスシーンに適した表現です。ただし、人に対して使う表現であることや、物事に対しては「存じません」を使うなど、正しい使い分けを理解しておくことが大切です。
また、メールや電話対応、転職活動、介護現場などでは、「恐れ入りますが」「確認いたします」などの一言を添えることで、より丁寧で誠実な印象を与えられます。本記事でご紹介した例文や言い換え表現を参考に、状況に応じて適切な敬語を使い分けてみてください。
介護職への転職活動では、応募先とのメールのやり取りや面接、入職後のコミュニケーションなど、適切な敬語が求められる場面が数多くあります。
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