「Chance-Making Company」を企業のビジョンに掲げ、理想の介護転職をサポートする「ウィルオブ介護」。
今回は、X(旧Twitter)で現役介護職員として介護に関するポジティブな発信をしているのぶさん(@nobu_fukushi)にインタビューを実施。
のぶさんが発信を続けている原動力や介護職の魅力、キャリア形成など盛りだくさんでお話を伺いました。ぜひ最後までご覧ください!
目次
介護職のポジティブな面を世の中に発信したい。フォロワーさんからの反響が投稿を続ける原動力に
のぶさんのご経歴
高校卒業後、埼玉県にある福祉系の大学に入学しました。福祉系の大学を志したきっかけは、漠然と「社会にとって良いことがしたい」と思ったからです。
入学当初は福祉の知識を何も持ち合わせていませんでしたが、在学中に社会福祉士の資格を取得することができました。
卒業後は地元の新潟県に戻り、特別養護老人ホームに入職しました。最初はショートステイの介護職員として4年ほど勤務し、その後は長期入居している利用者さんの生活相談員兼介護職員を経て、現在はショートステイの生活相談員と介護職員の両方を担当しています。
のぶさんがX(旧Twitter)上で発信するきっかけ
当時のTwitter上で「介護職」を検索すると、ネガティブな情報や愚痴ばかりが目に入ってきて、そのことに違和感を覚えたことがきっかけです。
たしかに介護職は大変なこともありますが、その一方でやりがいを感じられることや利用者さんに癒されることも多々あります。
そういった介護職のポジティブな面も発信したいと強く思うようになり、2021年の3月ころから投稿しはじめました。
投稿を続けていくうちに、フォロワーさんやコメントの数が徐々に増えていき、反響の大きさを実感しました。
ちなみにフォロワーさんは、僕と同じく介護職として働かれている方が多いですね。僕の投稿に共感してもらえて嬉しいですし、僕自身もフォロワーさんのお話を聞くことが日々の楽しみです。
のぶさんがXに投稿する原動力
先ほどもお伝えしたように、フォロワーさんから反応をいただけることが原動力になっています。
僕の投稿を見て、「こんな考え方があるんだ」「現場で試してみます!」というコメントやDMをもらったり、なかには「のぶさんの投稿を印刷して職場に貼りました」と言ってくれたりしたフォロワーさんもいました。
たしかに本業の仕事もしながらの発信は時間や労力を使うので大変なこともありますが、辞めたいと思ったことは一度もありません。嬉しい反応が返ってくるとモチベーションにつながります。
今後も介護についてより理解を深めながら、投稿を見た方がポジティブになれるような発信を続けていきたいです。
利用者さんの役に立てることが一番のやりがい。総合的に人間力が向上することも介護職で働く魅力のひとつ
介護職のやりがいと具体的なエピソード
利用者さんと些細なことで笑っている時間や、自分の行動が利用者さんのお役に立てたと感じられる瞬間が特にやりがいを感じます。
なかでも忘れられないのは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患う70代女性の利用者さんのことです。もともと旦那さんと2人で暮らしていましたが、症状が進行するにつれて在宅介護が難しくなり、入所されました。
しかし、その方が入所して間もなく、肺がんと診断された旦那さんが施設から車で1時間ほど離れた病院に入院することに。この話を聞いて、「利用者さんと旦那さんを絶対に離ればなれにしたくない」という思いが強くなりました。
そこで、旦那さんのいる病院へ定期的に利用者さんをお連れし、直接会う機会を設けてもらいました。
人によっては「親族でもないのに、介護職員がそこまでしなければいけないのか?」と思われるかもしれません。
しかし、病院に利用者さんをお連れしたことで、最期のお見送りも悔いなくできたと聞いたとき、自分の務めを十分に果たすことができたと心から思いました。僕自身にとっても忘れられない経験です。
介護職として働くポジティブな面
介護職として勤務すると、料理や洗濯など生活に必要なスキルが必然的に身につきます。僕自身も介護職の経験があったからこそ、子どものオムツ交換を最初からスムーズにできました。
介護未経験で入職したスタッフから「お皿は何回ゆすいだほうが良いですか?」と聞かれたこともありますが(笑)、そのスタッフも経験を積んで、当たり前のことが当たり前にできるようになっています。
また、給与もそこまで低いわけではなく、頑張れば頑張った分だけ給与に反映される仕組みです。努力をきちんと評価してもらいたい方にとって、介護職はポジティブに感じられると思います。
介護職で苦労したことや大変だったこと
まだ新人介護職員だったころに、夜勤で1人の時間帯におむつ交換に入ったら、全身の着替えが必要な状態になっていた利用者さんがいたときは大変でした。
また、職場の人間関係に多少悩んでしまったこともあります。というのも、利用者さんファーストで「何時間でも残業します!」といった思いが強すぎる職員と、「必要最低限の業務だけ終わらせてできるだけ早く帰りたい」という職員が対立してしまったことがあったからです。
どちらの言い分も決して間違いではなく、それゆえに衝突してしまうこともあります。誰もが働きやすいと感じられる環境をどのようにつくっていけばいいのか、時に悩んでしまいますね。
大変だったときの乗り越え方
まず、「自分1人ができることは限られている」と念頭に置き、対処するようにしています。例えば、「人手不足だから職員を増やしてほしい」と思ったところで、すぐに即戦力の人材が入職してくれるとは限りません。
そのうえで、目の前の課題に一つひとつ向き合いながら、解決に向けてしっかり行動することが大切だと思います。
また、悩みを抱え込まずに誰かに相談したり、助言を求めたりすることも必要です。僕自身も新人のころは分からないことだらけで、先輩職員に相談にのってもらったり、利用者さんから教えてもらったりすることも多々ありました。
相談にのってもらいながら経験を積んでいくうちにできることが増えていきましたし、成功体験が自信につながりました。
働いていて大変なことはたくさんありますが、それ以上に喜びややりがいを大いに感じています。介護という仕事に愛情と誇りもあります。
これまで多くの経験をしてきたからこそ、大変な思いをしても、笑って対応できるようになったことは大きいかもしれません。
専門的な資格があれば、キャリアの幅が広がりやすい。利用者さんやそのご家族から信頼してまかせてもらえる
のぶさんが考える介護職のキャリアパス
初任者研修と実務者研修を経て、介護福祉士という流れが一般的ですが、ほかにも認知症介護実践者研修や認知症介護実践リーダー研修など、認知症に関する研修があります。
また、介護福祉士の資格を持っている人であれば、喀痰吸引等制度の研修をはじめ、より専門的な知識や資格を取得して、業務の幅を広げていく方が増えてきたという印象を受けます。
最近では、介護にまつわる資格が加算の算定要件になっている場合も多々あります。例えば、認知症の研修を修了している職員を配置していないと算定できない加算もあり、結果的に介護報酬が少なくなってしまいます。
こうした事情もあり、加算を算定したい施設からすると「資格を取得している方にぜひ入職してほしい」と思っているはずなので、キャリアアップを考えているなら資格の取得はますます重要になってくるのではないでしょうか。
組織内でキャリアアップしていくのであれば、「当たり前のことを当たり前に行う」という信頼の貯金が重要だと考えています。結局、やるべきことをきちんとやれる人が評価され、周囲からの信頼を積み重ねることができます。
信頼されるようになれば、さまざまな業務を任せてもらえますし、ゆくゆくはリーダーや主任などのキャリアアップにつながります。
介護職がキャリアアップするメリット
専門的な資格を持っていると、利用者さんやそのご家族の方に安心してもらえることが大きなメリットだといえるのではないでしょうか。
また、職員間でも資格を取得している職員への信頼は高まりますし、本人にとっても仕事がしやすくなるはずです。先ほどの話にもつながりますが、資格の取得次第で事業所からの歓迎度合いが大きく変わってきます。
近年では特に多くの施設で、認知症関連の資格を取得している職員を求めているので、キャリアアップのチャンスが広がると思います。
「キャリアアップしたいけど、何から手をつければいいかわからない」方へ
介護職の経験がどれくらいあるのかにもよりますが、入職して間もない方であれば、目の前の業務にたいして丁寧に向き合うことがキャリアアップへの一番の近道だと思います。
経験を積むうちに周りが見えてきたら、初任者研修や実務者研修にステップアップしていく流れがおすすめです。
また、現時点ですぐに資格取得を考えていない方でも、介護業界で需要が高い資格の情報を収集しておくだけでも今後のキャリアが大きく変わってくると思います。
のぶさんが考える良い職場の選び方
利用者さんの視点に立っている施設がおすすめです。
例えば、施設内の張り紙ひとつとっても、高い位置に張り紙があると車椅子を使用している利用者さんは無理な姿勢で見上げることになりますし、張り紙の存在に気付かず大事なお知らせを見逃してしまうかもしれません。
一方、手すりの位置に張り紙があれば、車椅子で移動していても目に入りやすく、利用者さんのことを考えて細かな気配りができている施設だと判断できます。
また、匂いも重要な指標だと思います。施設に足を踏み入れた瞬間、排泄物の臭いがするような施設は衛生面の管理を疑ってしまいます。
一方、良い施設は時間によっては炊きたてのごはんの香りや淹れたてのコーヒーの香りがして、どこかほっとするような雰囲気を感じられます。そこまで配慮が届いている施設であれば、働きやすさも期待できます。
こうしたことは実際に施設を訪れないとわからないことだと思うので、面接などのタイミングであわせて確認してみてくださいね。
介護職に向いている方の特徴
個人的に「こういう方が向いている」「こういう方は向いていない」という観点は介護職に当てはまらないと考えています。というのも、私たち一人ひとりの性格や雰囲気が異なるように、当たり前ですが利用者さんにもそれぞれ個性があります。
明るくてムードメーカーな利用者さんもいれば、物静かで口数が少ない利用者さんもいます。物静かな利用者さんと落ち着いた雰囲気の職員の波長が合い、2人で朗らかに談笑したり、塗り絵を楽しんだりしている瞬間を何度も目にしてきました。
たとえ多くの方から好かれている人でも、たった1人の利用者さんと相性が合わないこともありますし、逆も然りです。
結局のところ、介護の仕事は人対人です。
「自分は介護職に向いていないのではないか?」と考えている方でも、自分の強みを活かせる瞬間が介護現場には必ずあります。ご自身で可能性を狭めないでほしいと強く願っています。
のぶさんからのメッセージ
冒頭でお伝えしたとおり、「介護職=辛い」というネガティブなイメージが未だに先行しがちです。
しかし、実際に働いてみると、利用者さんから教えてもらうことや、やりがいや達成感を覚える瞬間が多々あります。決して、ネガティブなことだけではありません。
介護職のポジティブな面をもっと知ってほしいですし、これから介護職を目指したい方にも届いたら嬉しいですね。介護職は楽しいことがたくさんあり、生活に欠かせないスキルが身につきます。
ぜひ一緒に介護現場を盛り上げていきましょう!
今回は、のぶさんから介護職として働く魅力や、介護職のキャリア形成など素敵なお話を伺いました。
特に、「大変なことがあったら、まずは目の前にある業務に真摯に向き合うことが大切。また、独りで抱え込まずに誰かに相談してほしい」という言葉が印象的でした。
ウィルオブ介護では、「介護職の仕事にやりがいを感じているけど、今の職場に不満がある」という方の相談も歓迎しています。ぜひお気軽に、ウィルオブ介護の無料相談をご活用ください!
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