職場紹介インタビュー日本ホスピスホールディングス株式会社
多職種のメンバーが連携して「できない」を「できる」に変える
年齢や性別に関係なく、私にチャンスをくれた会社―日本ホスピスホールディングス株式会社 桑原様インタビュー
「おうちが病院」だから、24時間ずっと安心
当社が運営するホスピス住宅は、形態としては住宅型有料老人ホームに属するものです。名前は「ファミリー・ホスピス」、そしてコンセプトは「おうちが病院」。病院ではなくておうち、だけど、医療的なケアも受けられるというところがユニークな点です。
訪問介護・訪問看護のサービスがおうちにいながら24時間受けられる施設は、現時点では他になかなかないと思います。通常の老人ホームは、看護ステーションを併設した介護施設であることが多いのですが、夜間は介護士のみになってしまうため、特に難病の方の容態が急変したときに対応するのが難しい状況です。
しかし、当社のホスピス住宅には看護師が24時間いて、いつでもすぐに対応できます。これは利用者様にとっても安心ですし、介護士にとっても非常に心強いものです。
多職種のメンバーが連携して、オーダーメイドのサービスを提供
私は、現在「ファミリー・ホスピス池上ハウス」にてサービス提供責任者をしています。
サービス提供責任者(サ責)とは、各利用者様のサービス計画を立てたり、利用者様と訪問介護員やケアマネジャーの間に入ってさまざまな調整をしたりする仕事です。業務内容は多岐にわたり、利用者様がより質の高いサービスを受けられるために「何でもやる」という言葉がぴったりだと思います。
仕事をするうえで一番大事にしているのは、「その利用者様にとって最適なサービスとはなにか?」を常に考えることです。介護サービスは、利用者様の暮らしに直接関わるものです。利用者様のご病気の状況や要介護度だけでなく、暮らしに関する考え方やルール、ご要望などは一人ひとりまったく異なります。
そこで私たちは、看護師やケアマネジャーなどが職種の垣根を超えて連携し、利用者様一人ひとりの状況に合わせたオーダーメイドのサービスを提供できるようにしています。
時間とともに病気も進行していくので、いつでも最適なサービスを提供できるよう、ご利用様のモニタリングも大切にしています。
▲多職種のスタッフで暮らしをサポート
多職種ならではの難しさは、話し合いをくりかえすことで解決
看護職、介護職、リハビリ職など多職種の方が同じ環境で働いていて、看護師は医療ケア、介護士は生活ケア…と仕事内容も立場も違うので、はじめは想像以上にコミュニケーションが難しいと感じていました。
例えば、看護師が血圧・点滴などの処置をしている最中に、利用者様が急にトイレに行きたいとなると、看護師にとっては「それは介護の仕事だから…」という話になり、どのように対応するか困っていました。
逆に介護士は、爪切りやひげそりは医療行為になり、やってあげたくても自分にはできないもどかしさがあります。職種関係なく協力できればよいのですが、はじめはお互いにカバーし合うのが難しかったのです。
こういった話はどの職場にもあることだと思いますが、当社は管理職の方がしっかり対応してくれました。話し合いの場を設けたり、管理者が双方の本音を聞いて現場に反映したり…とさまざまな工夫を何度もくりかえしたことで、状況は徐々に変わっていきました。
今では、お互いのできること、できないことを協力しながら利用者様をサポートする体制ができていると思います。
認知症の母を笑顔にできるケアマネジャーにあこがれて
私は、介護業界に入る前はバイオマス燃料発電の売電を行うベンチャー企業で働いていました。油脂化学が自分の専門だったことと、ベンチャーで人手もなかったので、原料開発から現場仕事まで何でもやっていましたね。
ある時、母が認知症になってしまい、いきなり介護をすることになりました。当時は介護の知識も経験も一切なかったので、突然変な行動をしたり徘徊したりする母を怒鳴って落ち込ませてしまうような日々が続きました。これではいけないと思いつつ、自分でもどうすればよいかわからなかったのです。
しかしデイサービスから帰ってくると、いつも母は笑顔になっていました。さらに月1回家にやってくるケアマネジャーの方を見ていて、人から頼られ、感謝されて、かっこいい仕事だなと感じるようになりました。
そこで会社を休職して2年間介護の専門学校に通うことにしたのです。その後、会社を退職して介護業界に入り、当社に入るまで2社に勤務しました。
介護福祉士を取得後5年間、ケアマネジャーに近い立場の仕事で経験を積みたいと思い、サービス提供責任者という仕事がそれに近かったので、この職責を任せてくれるところ…で探していたときに「ウィルオブ介護」の方に当社を紹介いただきました。
▲感謝されるともっと頑張ろうと思える
▲利用者様が笑顔になれるサービスを提供したい
年齢や性別に関係なくチャンスを与えてくれる会社
私は56歳のときに当社に転職してきました。正直なところ「歳だから、今から新しい仕事や責任のある仕事はできない」というような年齢差別が、前の職場にはたしかにあったと思います。
しかしこの会社には、年齢や性別の差別は全くありませんでした。「年齢のわりに経験が浅ければサービス提供責任者候補にはしてもらえないかも…」と思っていたのですが、当社は私にチャンスを与えてくれたのです。
また当社では、何か失敗した時に、アドバイスはいただきますが、怒られたことがありません。逆に「課題が見つかってよかったね」と言ってくれます。「これで次に失敗しなくなるね」「ひとつ経験を積んだね」というスタンスで接してくれるのです。この会社に入社できて本当によかったと思っています。
「できない」を「できる」に変えていく
当社のサービスを利用されるのは、一人では生活できない方がほとんどです。
身の回りのことができない状況にもかかわらず身寄りがなくて独居で生活されている方や、元々はきれい好きだったけれど病気の進行で自分ではお風呂に入れなくなってしまった方など、暮らしのなかで「できない」を抱えている方ばかりです。
それを、私たちがサービスを組むことによって「できる」に変えていくこと、利用者様の生活の質が高まって笑顔が増えて感謝してもらえること、それが私の一番のやりがいです。
私の現時点のスキル・知識では、質の高いサービスがまだまだ実現できていないと思っています。介護の知識や法律のことなど、たくさん覚えなくてはいけないことがあります。
今は実際に現場で勉強させてもらいながら、より質の高いサービスを提供できるように、もっともっと力をつけるのが課題ですね。
▲ご家族も過ごせるチェアベッドをご用意
▲利用者様が楽しめるイベントも開催
介護業界での転職を考えている方へ
私は介護業界で2回転職しています。転職が多いことに負のイメージを持つ方もいますが、実際は転職がすばらしい人との出会いにつながることも多いものです。私自身、はじめは介護と無縁の仕事をしていましたので、いろんな方と出会ったおかげで今の自分があると思います。
色々親身になってアドバイスしてくれた「ウィルオブ介護」の担当者の方からいただいた、「人間万事塞翁が馬」という言葉が、私にとってとても大切なものになっています。今の状況が不幸であるかどうかはわからない。転職によって不幸を幸に転じることができるかもしれないので、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
企業プロフィール
For the smile すべては笑顔のために
住宅型有料老人ホームもしくはサービス付き高齢者向け住宅・訪問看護・訪問介護をベースに、地域の中でサービスを展開しています。
- 社名
- 日本ホスピスホールディングス株式会社
- 本社
- 東京都千代田区丸の内3丁目3-1 新東京ビル2階
- 設立
- 2017年1月
▲東京都大田区にある「池上ハウス」