地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護とは、地域にある家庭的な介護施設のことです。地域との交流が根強いところも多く、ボランティアスタッフの方にも手伝ってもらいながら介護サービスを提供することができます。
研修などがしっかりとしている施設が多いので、初心者でもきちんと働くことができる施設といえるでしょう。
ただし、要介護3以上の人が多く入所している施設なので、介護の入門資格である「介護職員初任者研修」は持っていたほうが就職に有利ですし、入社後、施設でもしっかりと活躍していくことができます。
目次
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護とは?(地域密着型特別養護老人ホーム)
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護とは、その施設がある市町村に住んでいる人しか利用できない「特別養護老人ホーム」のことです。高齢者の方が住み慣れた地域で安心して生活するために存在している施設です。
定員は、29名以下で、より地域に根差した住まいとしての小規模特別養護老人ホームとしての役割を担っています。施設は小型ですが、受けられるサービスは、通常の特別養護老人ホームと共通していて、生活支援や機能訓練などを利用者に提供しています。
急な状態変化に備えて、看護師を配属している施設が多くあり、介護だけでなく医療サービスを受けることも可能です。
利用できるのは、原則、要介護3〜5の認定をされた方のみとなります。そのため、介護の依存度が比較的高い利用者が多いといえるでしょう。
※要介護1〜2の方でも、特別な事情や条件によっては、入所が認められることもあります。
入居者の部屋は個室の場合が多く、以下のような居室のタイプがあります。
- ユニット型個室・・・共有スペースが併設されている個室
- ユニット型準個室・・・一つひとつの個室が仕切りなどで区切られていて完全な個室になっていないタイプ
- 従来型個室・・・共有スペースのない個室
- 多床室・・・定員2人以上の、個室ではない居室
高齢者が地域との交流を持ちながら、自分らしく介護を受けられることを大切にしている施設ですから、夫婦の場合は一緒の居室に住み続けることもできるようです。
介護職員以外の専門スタッフは?
地域密着型特別養護老人ホームでは、介護職員をはじめ、医師、看護職員、栄養士、機能訓練指導員、介護支援専門員が配属されています。
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護で働くメリット
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護で働くメリットを3つご紹介します。
初心者でも働ける
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護では、複数の介護スタッフで最大29名の高齢者の介護をします。一人になる時間がほとんどないので、未経験者であっても先輩スタッフに教えてもらいながら働けるというメリットがあります。
さらに、施設によっては看護師やリハビリスタッフも多く常勤しているので、高齢者の体調などで不安なことがある場合、他職員に気軽に尋ねることもできます。
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護の多くは、独り立ちまでの期間を長めに設定されていて、いきなり多くを任されません。施設によっては、業務の流れがルーチン化されているケースが多く、仕事の流れなども覚えやすいです。
排泄介助や入浴介助など複数の職員で対応するため、助け合いながらの業務が可能な点も魅力といえるでしょう。
業務を通して成長できる
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護に入居してくるのは要介護3以上の方です。
さまざまなケースを抱えている入居者の介護をすることになるので、介護技術の向上が期待できます。
介護の依存度が高い入居者の介護は大変な部分もあります。しかし、共同空間が多く死角が少ないため事故のリスクが低いですし、他のスタッフとの連携がしっかり取れている施設が多いので、安心して実地で自分のスキルを伸ばしていくことができます。
地域や家族の人との交流が持てる
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護は、入居している高齢者の方が地域との関わりを大切にしながら、介護を受けられる環境が整っています。
そのため、地域のボランティアスタッフや家族の方との交流を密にしている施設が多いです。地域の人に支えられることも多く、施設に対する地域からの理解度も高いです。
入居者の方と、散歩に出かけた際にはご近所の方々とあいさつを交わしたり会話をしたりと、地域と支えあいながら働いているという実感が持てるので、働いていてやりがいを感じられるメリットがあります。
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護の大変さ
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護の大変さは、要介護度が高い利用者が多いという点にあるでしょう。
介護付き有料老人ホームといった他の入所施設に比べて、身体介助が多く、体力的な負担が高い業務をこなさなくてはなりません。また、24時間介護を行うので、夜勤があるという点も生活リズムが不規則となるので大変な面となりそうです。
これらを踏まえると、「元気な利用者のお世話をしたい!」と考えている方にとっては、あまり向いていない介護施設かもしれません。
重度の高齢者の介護をする自信がないという方は、面接などで「利用者の要介護度」や「必要とされる介護スキル」を詳しく聞いておくこともおすすめです。自分の目でどんな高齢者が入居しているか見学しておけば、働く始めたのちのギャップも少ないでしょう。
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護で働くには資格が必要?
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護で働くには、資格は不要です。
ただし、介護依存度の高い入居者が多いので、ある程度の介護スキルや何らかの資格を保有しておいたほうが、きちんと活躍できます。
保有していることが望ましい資格は下記です。
初任者研修
介護職で働くなら必須とも言える資格です。詳しくはこちらの記事で紹介しています。
実務者研修
介護職員初任者研修を取得している方が目指すべき次の資格です。詳しくはこちらの記事で紹介しています。
介護福祉士
取得までに時間は要しますが、キャリアアップのためにとっておきたい資格です。
施設によっては有資格者の給与を高くしていることもあるので、積極的に取得しておきましょう。
地域密着型特別養護老人ホームはどんな転職先・求人があるの?
特別養護老人ホームの実際の求人情報をみてみましょう。
(※2020/09現在の情報です。情報は変わる可能性があります。)
特別養護老人ホームのフルタイムのパート求人
フルタイムのパート求人です。入居者の介護全般(食事・入浴・排泄等)が主なお仕事になります。無資格からでも働けます。
給与・手当
時給は960円~。通勤手当や資格手当もあります。
特別養護老人ホームの正社員求人
正社員の求人です。月9日のおやすみがあり、働きやすい環境です。
特別養護老人ホームにおける、介護職員・ホームヘルパー業務全般、入浴や排せつ、食事などの身体的サポートや、買い物や掃除、洗濯など日常生活のサポートなどが主なお仕事です。
給与・賞与
月給は186,500円~。賞与は年に2回あって充実しています。
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護に転職するのは難しい?
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護は、転職が難しい施設ではありません。
地域との関わりを大切にしながら介護を受けたいと考える高齢者が増加していることもあり、施設の新設も進んでいます。そのため、求人も常に一定数存在しています。
ただし、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護に入居えきる高齢者は要介護3以上の方ばかりです。ある程度の介護能力がなくては、仕事をすることができません。
ですので、転職をしたいならば、初任者研修などの資格を取得したり、研修期間の長い施設を選んだりしてみましょう。
おわりに:働きながらスキルアップしたいなら地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護に転職しよう
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護は、地域密着型の小規模入居施設です。介護依存度の高い入居者を複数のスタッフで介護していくことになります。
未経験でも他のスタッフに教えてもらいながら仕事ができますし、さまざまな症状の方の介護をすることで知識を増やしていくことも可能です。
やる気があって、スキルアップしたい人にはおすすめの施設といえるでしょう。肉体的にきつい部分もありますが、施設の新設も相次いでいるので、転職難易度は低めです。
ぜひ、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護への転職を検討してみましょう。