看取り介護とは、終末期に入った高齢者の方が安らかにその人らしく最期を迎えられるように支援する介護のことです。ターミナルケアが医療的ケアを重視するのに対し、看取り介護では利用者の心のケアを大切にする点に特徴があります。

看取り介護を行う施設は、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設があります。看取りは、介護職員にとって労力や心理的負担もかかる介護なので、看取りを行う施設の給与は高めの傾向があるようです。

看取りは、確かに大変な介護ではありますが、人間の最期に立ち会え、やりがいがあるというメリットもあるのです。この記事では、看取りがどのような仕事で転職先にはどのようなものがあるのかを確認していきます。

介護職における看取り介護とは?

介護職における看取り介護について、どのようなサービスでターミナルケアとはどう違うのかを確認しておきましょう。

看取りとは?

看取りとは、高齢者が自然に亡くなる過程を見守って支えることを意味します。

たとえば、看取り事業に関する支援や協議をも行う「公益法人全国老人福祉施設協議会」は看取りを以下のように定義しています。

看取りとは、近い将来、死が避けられないとされた人に対し、身体的苦痛や精神的苦痛を緩和・軽減するとともに、人生の最期まで尊厳ある生活を支援すること

出典:特別養護老人ホームにおける看取り介護指針・説明支援ツール(平成27年度介護報酬改定対応版)

看取りが導入される以前は、病院に入院をして、延命治療を受けるのが一般的な最期の迎え方でした。

点滴や胃ろうといったたくさんの管を体に通し、時には、人工呼吸器を付けられ、ほとんど意識のないままベッドに寝かされている状態で延命されるのが一般的でした。

このような高齢者の状態は、スパゲティ症候群とも揶揄され、「はたして人道的な行為か?」と議論されることもあったのです。

多くの管が体に通されるのは、ときには苦痛も伴います。そうした状況を踏まえ、平成18年4月の介護報酬改定において「看取り介護加算」が創設されました。

看取り介護では、過度な医療的ケアを行わず、人生の最期の時までその人らしさを維持できるように、苦痛をなくし、慣れ親しんだ施設で、ご家族やスタッフなどの見送りにより最期を迎えられるようにします。

近年、注目され、評価されている最期の迎え方で、2021年度に介護報酬改定では、厚労省が施設内の看取りに関するサービスへの評価を見直すことが決定していて、これまで看取り加算は、利用者が亡くなった日から起算して30日までしか算定できなかったのに対し、2021年の4月からは、30日より前にさかのぼって加算できるようになりました。

ターミナルケアとの違い

ターミナルケアとは、医療や看護を重視した介助のことです。

看取りは、病状の改善が見込まれない方に対し、延命治療のような積極的な医療行為は行いません。しかし、ターミナルケアは、チューブによって食べ物を胃に送り込む「経管栄養」や「胃ろう」、酸素吸入や点滴も積極的に実施します。

体の痛みなどを取り除く「身体面のケア」、患者の不安や恐怖を緩和する「精神面のケア」、費用などの負担を取り除く「社会面のケア」の3つを行い、高齢者の命を支えます。

  • 看取りとは、高齢者が自然に亡くなる過程を見守って支えること
  • 過度な医療的ケアは行わない
  • 医療や看護を第一とはしない点でターミナルケアとは異なる

看取り介護の仕事内容

看取り介護の仕事内容は、利用者本人とその家族への支援の2つにわかれます。

利用者本人を支援する仕事

利用者本人を支援する仕事は、以下のようなものがあります。

食事のケア

利用者ひとり一人のペースや欲求にあわせて食事や水分を提供します。看取り介護では、利用者本人が食べたいものを食べたいときに提供します。家族からの差し入れにも柔軟に対応します。

さらに、利用者の嚥下能力や体調などに合わせて、食品と水分の形態を変えて、流動食にすることもあります。

排泄ケア

適切な排泄が行えるようにケアします。必要に応じて、下剤なども投与します。利用者の排せつ物を観察し、利用者の体調を把握します。

清潔保持

頭髪のケアや寝具の清潔、朝晩の洗顔、口腔ケアを行います。

心をリフレッシュさせるために、利用者の身体状況を見ながら、入浴介助を行います。もし入浴が難しい場合は清拭をします。

苦痛緩和ケア

肉体的・精神的な苦痛を緩和するためのケアを行います。体の痛みを取り除けるように寝返りをさせたり、冷え解消のために足先をあたためたりします。

なお、利用者の中には、死への不安感を持つ人もいます。そのような人へ、言葉がけをしたり寄り添ったりします。

家族を支援する仕事

家族を支援するために以下のような仕事をします。

報告・連絡

家族に対して、利用者の病状や様子をこまかく伝えます。また、家族の希望を聞き取り、希望を可能な範囲で実現させます。

危篤時と死後の支援

利用者が危篤を迎えたら、家族に連絡をし、立ち会えるようにします。利用者の死後は、遺体のさまざまな変化を理解し、家族をケアします。

看取り介護ができる施設とは?

看取り介護ができる施設は、以下の2つです。

  • 介護老人保健施設(老健)
  • 特別養護老人ホーム(特養)

なお、「看取りケア」は現在一般的になりつつある最期の迎え方です。ですので、今後は看取りを行う施設が増えていくことが予想されます。

看取りを行う施設は、病院よりも持ち物などの規定が柔軟で、本人の好きな食べ物を持ち込めたり、身に着けていたものを持ち込めたりする施設が多いようです。

看取り介護ができる転職先・求人情報

看取り介護ができる実際の求人情報をみてみましょう。(※2021/04現在の情報です。情報は変わる可能性があります。)

特養での看取りも行うケアスタッフの求人

正社員の求人です。無資格からOK。介護老人福祉施設での高齢者に対する介護全般が主なお仕事で、看取りの研修・スキルアップ研修も行っています。

月給17.4万円~。労災保険・雇用保険・社会保険完備です。

サービス付高齢者住宅で看取りも行う介護職員の求人

正社員の求人です。初任者研修(ヘルパー2級)以上の資格と介護経験が必須になります。

風通しの良い施設で、看取りを含めた介護業務を行います。月給 21万円~。年間休日110日以上です。

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看取り介護は研修が必要

看取りは、その人の人生の最期を支える仕事です。看取り介護の質が低い場合、その人の人生そのものを台無しにしてしまう可能性もあるのです。

そのため、看取りに関わるスタッフは、看取りの研修を受ける必要があります。研修を通じて、看取りに関する知識を深めて、業務にあたります。

おわりに:看取りは、利用者の最期を支えられるやりがいのある仕事

看取りは、高齢者の最期を、肉体的にも精神的にも支える施設です。過度な医療ケアや延命を行わない点で、ターミナルケアとは異なります。

利用者の最期を支える仕事は大変さも伴います。しかし、家族や利用者に感謝されることが多いというやりがいも存在しています。

看取りの業務を行うには、心理的な覚悟や業務への理解が必要になってきますが、業務にあたる前には研修を受けることができるので安心です。

利用者の最期に寄り添う覚悟については、以下の職場紹介インタビューが参考になります。ぜひ確認してみてくださいね。

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