どんな仕事の面接でも「なぜこの仕事をしようと思ったのですか」と聞かれることは間違いなくあるはずです。また「なぜ我が社に入社したいと思うのですか」という質問も、よく聞かれます。よくされる質問だけに当たり障りのない答えをしがちですが、それでは他の志望者と差をつけることができません。介護事業所の面接官は、どのような志望動機を持つ人を採用したいと思っているのでしょうか。ここでは介護経験がある場合とない場合の、それぞれについて紹介します。

 

介護経験のないケース

1.前職で身についた経験を活かしたい
とりわけ前職で接客業やサービス業に従事していた場合に有効です。またクレーム対処力や家族対応能力も介護業界では貴重なスキルになります。介護経験がない場合、あえて別の土俵で勝負することで個性が光ることがあります。
2.高齢者が好き、ではなく認知症についてもっと知りたい
高齢者が好きだから、誰かの役に立ちたいからという志望動機はもっともありふれており、没個性的な理由です。たとえそのような理由だとしても認知症高齢者に対象を絞ることで、一気に具体的で実践的な内容となり、好感を得られるでしょう。
3.体の頑丈さをアピールする
介護は体を使う仕事です。どれだけ注意していても腰痛になってしまうことはあります。体の頑丈さは、腰痛での離職がないとアピールすることでもあります。すでに腰痛を持っている人の場合、あらかじめ伝えておく方が入職後に伝えるよりもよいでしょう。
4.趣味も立派なアピールポイント
介護経験がない場合は特技や長所をアピールすることになります。介護に関係ないからといって臆することはありません。何かに打ち込んできた経験があるのならば、それは十分評価に値することです。楽器演奏などの趣味はレクリエーションでも活かせます。
5.得意なことがないなら健康や睡眠状態について
趣味も長所もないという人は特技に眠ることと書くのは有効です。施設で働く場合、勤務は不規則になりがちです。早出遅出に加えて夜勤もありますから、どうしても生活リズムが乱れがちになってしまいます。いつでも・どこでも眠れる人は生活リズムが乱れても睡眠時間を確保しやすく、介護士として魅力的な資質の持ち主と言えます。
6.自信がないことをはっきり伝える
慢性的に人手不足な介護業界では、職員教育の主役はOJTです。一緒に仕事をしていく中で教えられることがほとんどですから、分からないことを分からないと伝えることが非常に重要となります。働く前から自分の不安を明確にし、発信することはマイナスではありません。むしろ自己覚知ができている証として評価されます。

介護経験があるケース

7.前職の不満ではなく達成したことを述べる
経験者の場合、まず確実に「なぜ前職を辞めたか」を聞かれることになります。ここで面接官が聞きたいのは、前職の不満ではなくステップアップへの意気込みです。前職の不満を面接の場で述べるよりも、何を達成してきたか、新しい職場で何を実現したいかを語るほうが意欲を認められやすいのは言うまでもありません。
8.人間関係はデリケートな話題
介護はチームワークですから、職員同士の人間関係が重要になります。ギスギスした人間関係ゆえに前職を辞めたという人もいるでしょう。しかしながらその理由は、介護業界でもっともNGな回答です。人間関係で辞める人は、次の職場でも同じ理由で辞めていくというのが介護業界の常識です。人間関係の話題に触れるのは、よほどのことがない限り避けるのが無難でしょう。
9.「家が近い」は高評価!?
軽んじられがちですが、職場と自宅との距離も非常に重要な要素です。施設の場合早出遅出があるため、通勤時間が長いと出勤もしくは退勤できないなどの勤務制限がかかってしまいます。前職は通勤が大変で退職し、もっと家から近い場所を選んだというのは、説得力があるだけでなく採用者にとっても魅力的な理由です。
10.具体的なキャリアを思い描く
面接時に自分のキャリアプランを伝えることは、意欲と将来性を示すことになります。プラン通りに資格を取得している場合、説得力は否が応でも増すことになるでしょう。もちろん壮大な理想を語りながら資格を取ってきていないようでは、逆効果になりかねません。
11.自分の欠点を分析する
介護をする上でもっとも必要なものとして、自己覚知が挙げられます。自分を理解している人はストレスへの対処法を知っていますし、バイアスのかかった見方を修正し他人の価値観を認める能力に優れます。自分の欠点をあえて述べて、その上でどんな対応を取っているかまで伝えられれば、自己覚知能力の高さを示すことができるでしょう。
12.現場以外の知識やニュースに絡めた話題で話す
現場だけの知識を持った介護士は、ありふれています。世間を騒がせているニュースと介護業界の関連性や介護保険に関する話題まで語ることのできる介護士は、本当に一握りの存在です。日頃から時事問題に慣れ親しんでおき、それに関して自分なりの意見を持つことを意識してみましょう。それだけで一味違う志望者となることができるはずです。