厚生労働省の基準によって、「要介護認定等基準時間が90分以上110分未満又はこれに相当すると認められる状態」とされている要介護4。身体的になんらかの障害がある、もしくは認知症が進んで日常生活が困難になってきた、そんな人がこのレベルと認定されます。ほぼ日常的に介助を必要としており、一人で生活するのは非常に困難な状態となっています。とはいえ区分支給限度基準額も30,806単位まで利用可能であり、その分手厚いサービスを受けられます。家族の介護力次第ではありますが、自宅での生活を継続することも十分に可能です。より具体的な状態と利用できる介護サービスについて、詳しく見ていくことにしましょう。

要介護度4はどんな状態?

上から二番目と重度の要介護者と認定されている要介護4ですが、同じ要介護4であっても状態は多種多様です。もっとも状態にばらつきがあるのが、要介護4といえるかもしれません。


要介護認定は「介護の手間」を測るものであり、認知症の有無はさほど考慮されません(もちろん認知症に伴う介護の手間は算定されます)。そのため要介護4と判定された人の中には、認知症がかなり進んでいる人と、認知症はなく頭は非常にクリアな状態を保っているが、身体的に重度の障害を抱えている人の両極端に分かれがちです。具体的な病名でいえば前者はアルツハイマー型であり、後者は脳血管障害などによる半身不随や片麻痺の方が該当します。前者は食事や排泄といった行為そのものが理解できなくなってきており、常時の見守りや介護が必要となります。徘徊や失禁に悩まされるのもこの時期です。後者は車椅子を押す、ベッドから車椅子、車椅子からトイレに移乗する、手が動かないので食事の介助をするといった介助が必要となります。


もうひとつ要介護4と判定されるタイプの人が存在します。それは食事が食べられなくなって胃ろうを造設した場合です。認知症の進行あるいは嚥下機能の低下により食事が摂れなくなった人が胃ろうを造設されると、要介護が5から4へ下がるという逆転現象が発生します。これは本人の身体的な状態が良くなったわけではなく、介護の手間が減少したからと解釈できます。

要介護度4に提供される介護サービスの種類と発生費用は?

施設サービス

要介護4であれば、施設への入所という選択肢が現実味を帯びてくるでしょう。施設に入所する場合、支給限度基準額の30,806単位に加えて、居住費や食費が必要となってきます。とはいえ所得に応じた負担減免措置もあるため、それほど莫大な金額とはなりません。ユニット型個室の特養の場合、1ヶ月の利用料金が12、3万円程度、減免の割合にもよりますが、所得が少なければ自己負担額が6万円前後で利用できるケースもあります。もっとも現在でも必要とする人に対して施設の数は圧倒的に少なく、特養の順番待ちの問題は解消されていません。申し込みをしてから入居できるまでに2~3年かかることも珍しくなく、それまでに状態が大きく変化したり、亡くなったりするケースも十分に考えられます。

デイサービス(認知症対応型)

通所介護も家族にとって心強い味方です。要介護4で認知症が重度の場合、認知症対応型のデイサービスを利用する手もあるでしょう。一般的なデイサービスに比べると、150単位ほど高く設定されていますが、自己負担額でいえば200円弱の差であり、その差額で認知症専門のケアが受けられるメリットは計り知れません。

小規模多機能型居宅介護

通い、訪問、宿泊の3つを兼ね備えた地域密着型のサービスです。料金は1ヶ月ごとの定額制で、要介護4の場合24,350単位が必要となります。25,000円が基本料金でそこに宿泊費や食費が実費必要になると考えればよいでしょう。

施設と在宅で葛藤する要介護4

多くの家族が施設入所という選択肢を考えるのが、要介護4の状態でしょう。認知症がなく身体介護の負担しかない家族の場合、施設に預けることに大きな抵抗を覚えるようです。一方で認知症の進行によって要介護4となった場合、常時誰かの付き添いが必要であり、自宅での生活はより早い段階で困難となっていることも考えられます。どちらのケースにおいても、家族はその人の今後の人生を大きく左右する決断に迫られます。周囲の人による家族の心のケアがこれまで以上に大切になってくるのも、要介護4の大きな特徴でしょう。

 

こちらもあわせて読まれています

・要介護1の方向け介護サービスの種類と費用を解説!

・要介護2のサービス内容とは?現役ケアマネジャーが紹介する、要介護2の方向けのケアプラン事例

・要介護3の方向け介護サービスの費用はどのくらい?サービス種類と自己負担額を解説