「要介護3」と判定された方は、どんな介護サービスを受けることが出来るでしょうか?

介護保険サービスを利用するには、利用者の「介護度」を知る必要があります。要介護認定申請を行うと「介護度」がわかり、それによって使えるサービスの上限が変わってきます。 つまり、判定された介護度によって公費で受けられるサービス内容や、サービス量が変わるのです。 ケアマネジャーは、利用者さんの介護度を基に介護サービス利用のスケジュール、受けるサービス内容を定めた「ケアプラン」を作成します。

今回は「要介護度3」の方の場合、どんなケアプランが作成されるかご紹介します。

 

「要介護3」とはどんな状態?

要介護度には7段階の程度があり、低い順に、要支援1〜2、要介護1〜5となっており、要介護度3は真ん中より上のやや重い段階です。 明確に「食事に介助が必要だから要介護3」などといった基準はありませんが、おおまかな例としては以下のような状態が考えられます。

① 見だしなみや居室の掃除などの身の回りの世話が自分ひとりでできない。
② 立ち上がりや片足での立位保持などの複雑な動作が自分ひとりでできない。
③ 歩行や両足での立位保持などの移動の動作が自分でできないことがある。
④ 排泄が自分ひとりでできない。
⑤ いくつかの問題行動や全般的な理解の低下がみられることがある。

 

区分支給限度基準額によって介護保険の支給額が決まる

介護度は、介護にかかる手間を特殊な方法で時間に換算したもので、要介護3の方の要介護認定基準時間は70分以上90分未満です。 要介護度が高くなるに連れて手間も増えるため、サービスを使える上限額も上がります。 この、要介護度によって異なる支給の上限額を「区分支給限度基準額」と言います。

 

要介護度3の方は約27万円が支給限度額

要介護3の方の支給限度額は、1ヶ月におおよそ27万円弱の介護保険サービスを1割か2割の自己負担で受けられます。 つまり、2.7万円〜5.4万円までを支払うことで要介護度3の方に必要とされるサービスを受けることが出来るのです。 ただし、限度額を超えてサービスを受けた分は、全額自己負担となります。

介護サービスの種類と利用料金

では、具体的に要介護度3の方がどのような介護サービスを公費で受けられれるか見ていきましょう。 利用者さんやご家族の希望によって利用するサービスが異なりますが、公費で払われる部分が8割、9割なので利用者さんの最終的な支出額では、金額に大きな差異はありません。

 

ヘルパーの場合(居宅介護)

どんな介護サービスを利用するか考えた時に、自宅中心(居宅介護)の介護を選択するか、施設中心(入所介護)の介護を選択するかで、提供されるサービス内容も負担する費用も異なります。 自宅での生活を中心とする場合に、ヘルパーさんに介助をして貰いながら自立した生活を目指すという選択肢があります。

特に、介護に従事できるご家族がいる場合に、時間や曜日を指定してスポットでのサービス依頼をお願いできるので、家での生活を中心に考え、かつ、 ご家族が働かれている場合にヘルパーさんを利用される場合が多いです。

 

例えば、排泄のお手伝いや入浴の介助のサービスを受ける場合に、自己負担割合1割で上記のような身体介助を介護サービス利用するなら、 30分までなら1回270円程度、30分~1時間までなら430円程度となります。

 

デイサービスの場合(居宅介護)

自宅中心の生活を目指しても、支給限度額(約27万円)を超えてしまうと、残りは全額自己負担になってしまいますので、毎日ヘルパーを頼むわけにはいきません。 また、お風呂や排泄の際にバリアフリー設備があるのとないのでは利用者や介護士の負担度合いが全く異なります。

デイサービスを利用すると、日中は設備が整った環境で過ごすことができ、夜間には家族との時間を確保しながら、自立した生活を目指すことができます。 例えば要介護3の方が朝から夕方までの平均的な時間帯のデイサービスに通う場合は、自己負担割合1割で、食費等も含め1回約1,600~1,700円程度の金額がかかります。

平日毎日利用ということであれば、月に20日程度利用されるとして、1ヶ月に概ね3.2万円~3.4万円程度の料金がかかります。 要介護度3の方の場合、月に20回デイサービスを利用しても、区分支給限度基準額を超えることはありません。

 

ショートステイの場合(居宅介護)

基本はご家族が介護に従事して、介護のお休みをとるためショートステイを利用する選択肢もあります。

介護保険での短期のお泊りサービス(ショートステイ)を利用する場合、介護保険1割負担分+食費・部屋代等の実費合わせ、施設によって様々ですが要介護3の場合は1日714円程度かかります。 ご家族が急に仕事が忙しくなったり、泊まりで利用することを見越してショートステイを利用し、徐々に自宅以外のところで生活していくことを目指した利用もあります。

 

有料老人ホーム(入所介護)

「介護付き」の有料老人ホームでは、基本料金が1日幾らと決まっており、その料金の中にすべての介護料が含まれています。 その為介護度によって受けられるサービスに量の違いはなく、その方に必要と思われるサービスを必要に応じて介護職員等が行います。概ね1ヶ月の利用料金は16~20万円程度です。

また、要介護3の方ですと「特別養護老人ホーム」という比較的安価で入所できる施設への申し込みも可能になります。 その場合の料金は、筆者の住む地域では1ヶ月おおよそ、5~17万円程度になります。(ご本人の属する世帯の収入等で、利用料が違ってきます)

 

施設入所サービス付き高齢者住宅等の場合

「サービス付き高齢者住宅」に入所されている方は、介護保険の分類上「施設」ではなく「住宅」のため、サービスの使い方は在宅で生活されている方と一緒です。 利用者は日中デイサービス等を利用されたり、夜間は夜間の訪問介護を利用したりしながら過ごされます。

ホームによっては一晩~円等の定額料金でホームの職員の介護が受けられたりできるように設定されたりしています。費用は、家賃相当額や介護保険サービス料を合わせ、 1ヶ月に16~20万円程度の費用が平均的です。

まとめ

ここで紹介させていただいたものはあくまでも一例であり、実際にはケアマネジメントの流れを経て、利用者に最適と思われるケアプランを作成します。 大事なことは、利用者ご本人・ご家族・その他関係する多職種が一つのチームを組み、お互いにコミュニケーションをとりながら、常に最善と思われる方法を考え、実行していくことです。

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