ご家族からの「ありがとう」の言葉はとてもうれしく感じました
以前、介護老人保健施設に支援相談員として勤務していました。
あるとき、自宅で転倒して入院し、リハビリのために当施設に入所された方の担当になりました。
歩行が不安定なため歩行器の利用が不可欠なのですが、認知症の症状があり、なかなか安全な動作を覚えられない状態にありました。
加えて、自宅での転倒は初めてではなく、今までも何度も転倒していたとのことで、今後も転倒リスクがかなり高い状態でした。
ご本人とご家族は、自宅退所を強く希望されていましたが、施設職員としては、安全面を考えるなら、施設入所を検討した方が良いレベルでした。
カンファレンスやご家族が面会に来られたときに、ご本人の状態や転倒リスクについて情報提供を行いますが、ご家族の希望は変わりません。
結果、どうにかして安全な自宅生活が行える方法を考えよう、ということで、職員でも目標を共有しました。
使用する歩行器の選定に、自室や行動範囲の環境調整、福祉用具の検討を行いました。また、ご家族への助言、退所後に使用する福祉サービスなど、
考えられる様々な調整を行い、各サービス担当者との情報交換も行いました。
そうして、その方は無事、自宅に帰ることが出来ました。
無事に自宅に帰れたこと、ご家族からの「ありがとう」の言葉はとてもうれしく感じました。
何よりも、その後しばらくして、その方が自宅で元気に過ごしている話を伺う機会があり、本当にうれしかったです。
自宅に帰ることを諦めなくて良かったと、強く思ったケースでした。