(1) 短期入所生活介護とは?

短期入所生活介護とは、介護施設に数日〜30日間の入所を行いながら受ける介護サービスのことです。一般的には、「ショートステイ」という名称でよく知られています。

短期入所生活介護の目的はおもに、自宅に引きこもりがちな被介護者の心身機能の回復や維持をはかり、コミュニケーションをうながすことにあります。

それと同時に、家族などの介護者の負担を軽くする目的もあり、たとえば仕事や病気などが原因で介護ができなくなった、あるいは被介護者の身体状況が悪化した、などという緊急時にも利用することができます。

短期入所生活介護の種類

短期入所生活介護のサービスには、大きく分けて以下の3種類があります。

短期入所生活介護

食事や排泄、入浴など日常生活を広くサポートする身体介助や、リハビリテーションによる機能訓練やレクリエーションなども行います。

短期入所療養介護

医療ケアが必要な被介護者が利用するサービスです。それにくわえて、身体介助や機能訓練なども同時に行われます。医療ケアが行われる分、基本料金も高くなっています。

有料ショートステイ

有料老人ホームで提供されるサービスです。介護保険サービスの適用外となるため、一泊5,000円からほどの料金がかかります。その分、希望した日時に利用しやすく、サービス内容もより充実したものとなっています。

介護保険の利用条件

介護保険による短期入所生活介護を利用するには、65歳以上の高齢者か、40〜64歳の特定疾患の患者で、要介護・要支援の認定を受けている必要があります。

また、短期入所生活介護を利用できる期間は以下のように決められています。

  1. 要介護認定期間の半数
  2. 一ヶ月につき連続30日まで

そのうえで、以下のように要介護度に応じて、一ヶ月あたりの利用可能日数が定められています。

要介護・要支援度 利用可能日数
要支援1 9~10日
要支援2 17~18日
要介護1 24~27日
要介護2 24~27日
要介護3 26~28日
要介護4 30日
要介護5 30日

これは、ほかの介護保険サービスをいっさい利用しなかった場合の最大日数なので、状況によっては異なってくることもよく説明しておきましょう。

また、やむをえない事情などがあるときは、これ以上の日数でも利用できる場合があります。そのため、ケアマネージャーへの相談をうながすようにしてください。それ以外の場合でも、基本的に連続で4日以上の短期入所生活介護を利用する際には、ケアマネージャーによるケアプランの作成が必要となります。

短期入所生活介護の費用

介護保険で利用できる短期入所生活介護には、1日あたりの基本料金が決められています。

基本料金は、要介護度、および短期入所生活介護の種類や居室のタイプによってそれぞれ異なりますが、だいたい500〜1,000円前後となっています。

一方、食費や居住費は介護保険の適用外となり、各施設によって料金もさまざまです。ただし、世帯の収入が低い場合には食費と居住費に負担限度額がさだめられているので、それを超える分については介護保険から支給されることになります。

ほかにも、レクリエーション費などを合わせると、短期入所生活介護では、だいたい一日に2,500〜6,000円程度の費用が必要となります。

(2) 短期入所生活介護を提供する施設

短期入所生活介護のサービスは、その内容によって提供する施設も異なっています。利用者の状況によってどの施設を選ぶかも異なってくるので、よく確認しておきましょう。

短期入所生活介護

短期入所生活介護は、以下のような施設で行われています。

老人短期入所施設 自宅で介護を受けることがむずかしくなった被介護者が利用する
特別養護老人ホーム 民間の有料老人ホームとくらべて安価で入居できる
ショートステイ専門施設 短期入所生活介護のサービスのみを提供する

短期入所療養介護

短期入所療養介護は、以下のような施設で行われています。

介護老人保健施設 医療法人や社会福祉法人などが医療ケアやリハビリを目的に運営
介護療養型医療施設 病状が安定した要介護者の医療ケアや介護を行う

有料ショートステイ

有料ショートステイは、以下の施設で行われています。

有料老人ホーム 民間が運営する介護施設でサービス内容や料金もさまざま

(3) 短期入所生活介護の部屋のタイプ

短期入所生活介護の施設は、かつては特別養護老人ホームや介護老人保健施設などに併設された「併設型」や、施設の空きベッドを利用した「空床利用型」などが多く見られました。しかし、現在では専用の施設による「単独型」が増えてきています。

それぞれ、部屋のタイプによっても以下のような違いがあります。

従来型個室

以前から多くあるタイプで、1人ずつトイレなどをそなえた個室が用意されています。食堂や浴場、機能訓練などを行うスペースについては、共用となっているところがあります。

多床室

1部屋に2人以上が入居しているタイプです。医療施設を利用した短期入所生活介護に多く見られます。こちらも、食堂や浴場、機能訓練などを行うスペースについては、共用となっているところがあります。

ユニット型個室

部屋は1人ずつの個室ですが、食堂や浴場以外にも、入所者同士で談話などコミュニケーションがはかれる共同生活スペースが設けられているのが特徴です。サービスの提供も個人ごとではなく、10人程度の人数を1つのユニットとしてあつかい行います。

ユニット型個室的多床室

ユニット型個室と同じタイプですが、天井と壁の間に隙間が空いて部屋がつながっていて、よりコミュニケーションの取りやすい多床室の要素も持っています。かつては、ユニット型準個室といわれていました。

(4)短期入所生活介護の人員配置基準

短期入所生活介護では、以下のように人員基準がさだめられています。利用者の数や定員などによって違いがあるので、よく確認しておきましょう。

スタッフ 人数
医師 1人以上
生活相談員

利用者100人につき1人以上(常勤換算)

うち1人は常勤(定員20名未満の併設事業所はのぞく)

介護職員または看護師・准看護師

利用者3人につき1人以上(常勤換算)

そのうち1人は常勤(定員20名未満の併設事業所はのぞく)

栄養士 1人以上(定員40名以下の事業所は一定の条件で必要なし)
機能訓練指導員 1人以上
調理員・その他 適当数

(5)短期入所生活介護で働く上で大事なこと

短期入所生活介護では、利用者は一ヶ月足らずの短い期間で入所と退所をくりかえしていくことになります。

つまり、それだけさまざまなタイプの要介護者と接することができるということになり、これはほかの介護サービスとくらべても大きなメリットとなります。

利用者のなかには、さまざまな症状や要介護度、そして性格の人がいます。その一人ひとりに対応していくだけでも、介護職としてのスキルはかなり上達していくことでしょう。

一方で、それだけの対応をしっかりこなしていくには、自分自身でも柔軟な姿勢や考え方が必要になってくることを忘れてはいけません。利用者によっては、さまざまな家庭の事情や背景をかかえ、また長い時間を家族と離れて暮らすことになるので、精神的に不安を感じている人も数多くいます。

特に、認知症の人は環境の変化についていきづらいので、短期入所生活介護ではその点も十分に配慮したコミュニケーションを取っていく必要があるでしょう。

スタッフ間でもよく情報を共有して、短期間でも利用者が快適に過ごすことができるように、その個性にもっとも適したサービスを提供できるように心がけましょう。

(6)短期入所生活介護について知り、いいサービスを提供できるようにしよう

短期入所生活介護は、短期間だけ入所するという、デイサービスと施設サービスの中間のような特徴を持った介護サービスです。

そのため、デイサービスよりもしっかりとしたサポートを受けることができ、なおかつ気軽に利用しやすいというメリットをそなえています。

その使いやすさもあって、特に最近では利用者同士のコミュニケーションも重視した、単独型のユニット型個室タイプも増えてきました。今後は、地域包括ケアシステムによる自宅での介護が推し進められていることもあり、ますますその活用ももとめられていくことになるでしょう。

短期入所生活介護は、家族の負担を減らすことはもちろんですが、何より利用者本人が自立した、生き生きとした暮らしをしていくうえで、とても重要な役割をはたしています。

そのよりよいサービスを提供するためにも、短期入所生活介護の特徴についてよく知っておくようにしましょう。