認知症ケア専門士とは、認知症患者に対して、症状を理解しながら介護を行うための資格です。

超高齢化社会の進行に伴い、認知症患者は増えてきています。そのような認知症の患者を支えながら介護を行い、周囲の介護職員に認知症患者への正しい接し方を指導するのが、認知症ケア専門士の仕事です。

取得するには、3年の実務経験と二回の試験に合格しなくてはなりません。詳しく資格取得のメリットや仕事内容を確認しておきましょう。

認知症ケア専門士とは?

「認知症ケア専門士」は、2005年に創設された民間資格です。高齢化社会によって、増え続ける認知症患者に対して、症状を理解しながら介護を行うために創設されました。

認知症ケア専門士は、資格取得が難しく、専門性の高い資格です。ただし、この資格を取得すれば、認知症ケアの理念から、予防法まで認知症という症状自体のことを広く知り、認知症の人とうまくコミュニケーションを取りながら支援ができるようになります。

しかしながら、あくまで民間資格なので、施設ごとに認知症ケア専門士を配置しなくてはならない義務もありませんし、この資格がないと認知症の患者をケアできないということもありません

そのため、取得しても就職に結びつかないこともある資格です。

あくまで、自己鍛錬のための資格、仕事の質を高めるための資格と考えておきましょう。実際、看護師が仕事の質を高めるために取得することも多いようです。

  • 認知症患者に対して、症状を理解しながら介護を行うための資格
  • あくまで民間資格なので取得しても就職に結びつかないこともある

認知症ケア専門士の役割

超高齢化社会になる2025年には、認知症患者が700万人を超えると試算されています。認知症ケア専門士は、認知症の正しい知識と理解のもと、うまく認知症患者に対応していくのが役割になるのです。

たとえば、認知症の患者さんが食事をしなかった場合、それが消化機能の衰えによるものなのか、認知症によるものなのか、を正しく判断し、適切に処理をしなくてはなりません。

認知症への理解が足りないと、身体機能が弱っていて食事がしにくい状態にあるにも関わらず「認知症だから食事をした気になって拒んでいるだけ」と判断し、無理やり食事をさせてしまって、大きな医療ミスにつながることもあるのです。

認知症ケア専門士は、認知症のケアに関するさまざまな専門知識と介護技術を兼ね備えたエキスパートとして、認知症の患者さんを支えるだけでなく、同僚の介護職員を指導し導くという役割も果たすのです。

  • 2025年には、認知症患者が700万人を超えると試算されている
  • 認知症の正しい知識と理解のもと、うまく認知症患者に対応していくのが役割
  • 同僚の介護職員を指導し導くという役割も果たす

認知症ケア専門士の仕事内容

認知症ケア専門士は、認知症の患者のことを正しく理解して、介護を行うのが仕事になります。

たとえば、認知症の患者は、もの忘れをしてしまうことが少なくありません。同じ話を何度もしたり、同じ質問を繰り返したりします。

そのような症状に対する理解がない介護職員は、「忘れたの?」「さっきもいいましたよ」と注意をして、認知症の人を怒らせることがあるのです。

認知症ケア専門士ならば、そのような相手の状況をしっかりと理解し、うまく会話をすることができるでしょう。

また、認知症の進行が進むと、脳の視床下部という部分にある満腹中枢に障害が発生し、食事をしていないのに食事をした気になったり、さっき食べたばかりなのにまだ食事をしていないと思い込んだりしてしまうことがあります。

そのような症状をきちんと理解し、食事の管理をするのも認知症ケア専門士の仕事になります。

認知症ケア専門士のやりがい

認知症ケア専門士のやりがいは、患者や同僚から頼りにされるという点にあるでしょう。

認知症を理解している介護職員はまだまだ少ない状態にあります。そのため、認知症への無理解から生じる患者との衝突により、職員は疲弊やストレスを抱えています。

もちろん、認知症の高齢者も、自分を理解してくれない職員に不満や不信感をためこんでいるはずです。

しかし、認知症ケア専門士は、認知症患者をきちんと理解し、心を安らげてあげることもできます。また、職員にも安心感を与えることができるでしょう。

職場において、いなくてはならない存在として一目置かれるので、やりがいを感じられるはずです。給料アップにつながる可能性もありますし、認知症の知識がある人を求めている施設も増えてきているので、就職や転職時に有利になるでしょう。

認知症ケア専門士が活躍できる施設とは?

認知症ケア専門士が活躍できる施設としては、介護保険施設やグループホーム、有料老人ホームなどが存在します。

また介護事業所だけでなく、医療機関や地域包括支援センターといった相談窓口でも、認知症ケアの知識を活用できるといえるでしょう。

認知症ケア専門士になる方法

認知症ケア専門士になる方法を確認しておきましょう。

認知症ケア専門士には資格が必要?

認知症患者のケア業務は資格なしでも行えます。

認知症ケア専門士の資格取得のメリット

認知症患者のケア業務は資格なしでも行えます。しかし、認知症患者のケア専門士の資格があれば、自分が認知症の知識を持っている専門家であることを証明できるメリットがあります。

認知症ケア専門士の資格のとり方

認知症ケア専門士の資格のとり方を確認しておきましょう。

受験資格を満たす

認知症ケア専門士になるには、受験資格を満たす必要があります。受験には、認知症ケアの関連機関や団体において、受験年の3月31日より10年以内に3年間の実務経験があることです。

受験資格を満たすことができれば、実務経験証明書と願書を提出し、試験を受けます。

1次試験と2次試験面接に合格する

第1次試験(マークシート式・五者択一)と2次試験面接(認定委員会より出題される事例問題の論述と当日発表されるテーマについて、スピーチとディスカッションを行う)に合格します。合格率は低く、50%前後です。

登録申請

試験に合格出来たら登録申請をします。なお、認知症ケア専門士は更新制の資格です。5年に一度のペースで更新手続きを行う必要がありますので、忘れないようにしましょう。

認知症ケア専門士の資格取得のための勉強方法とは?

認知症ケア専門士は、独学で勉強が可能です。一次試験は認知症ケア標準テキスト第1巻~4巻から出題されるので、テキストを何度も読み、内容を理解して暗記しておきましょう。

二次試験の対策としては、日ごろから、テキストを読んで学んだことから、自分の意見をしっかり持って考えを述べることができるように特訓しておきます。

なお、独学だと勉強が長続きしない場合は、対策講座などに参加するのもおすすめです。

また、認知症と障害の講習が必須になったヘルパーの仕事の変化については、こちらの記事で解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

おわりに:認知症ケア専門士は、今後需要が高まる資格

日本は2025年に超高齢化社会に突入するとされています。そのため、認知症をきちんとケアすることができる認知症ケア専門士の需要は今後も高まっていくことが予想されるのです。

認知症ケア専門士の資格を取るには、筆記試験による一次試験と面接による二次試験に合格しなくてはなりません。試験の難易度は高く、なるには実務経験なども必要です。

取得が難しい資格ですが、取得すれば、認知症の高齢者の強い味方になれるというやりがいもあります。取得をぜひ目指してみてくださいね。

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