医療相談員とは、医療を受ける上で発生してくる悩みを受け付ける専門家です。介護職においては、高齢者が退院後にうまく療養ができるように、相談を受け付けて支援を行っていきます。

医療相談員になるためには必要な資格はありません。無資格者でもなることはできますが、「社会福祉士」や「精神保健福祉士」の資格を持っていることを必須としている勤務先が多いので、いずれかの資格を取得しておく必要があるでしょう。

詳しい仕事内容やなり方を確認していきましょう。

医療相談員(MSW)とは?

医療相談員とは、医療を受けていて発生する「悩み」解決の専門家です。特徴をまとめると以下の通りです。

  • 療養中の心理的、経済的な問題の相談を受け入れる
  • 退院時には、その後の生活の相談も受け入れる
  • 医療相談員を配置している医療機関は少なく、求人もあまりない

病気になると、本人だけでなく周囲の家族も悩みを抱えてしまいがちです。

「治療費は捻出できるだろうか?」「退院したときの生活をどうしたらいいだろうか?」「今後どうなるのか?」といった不安や課題が多く出てきてしまうことでしょう。

しかしそれらの悩みは、医師や看護師に相談することができません。このときに、支えになってくれるのが医療相談員です。

相談員は、これらの経済的な課題や心理的な悩みに対して、自治体の助成金制度を紹介したり、自宅の環境整備に関する助言などをしたりして支えになってくれます。

仮に、入院をしたときには、入院する部屋を調整したり、退院時には福祉用具業者と調整を行って、自宅の改修をしたりもしてくれます。

病気に苦しむ人の心理的な問題を解決してあげたいと感じている人は、やりがいを持って働けるでしょう

ただし、医療相談員はそれほど多く存在していません

日本医療社会事業協会により、概ね50床から100床につき1名という配置基準が提示されていますが、各医療機関で働いている医療相談員の人数は、多くても10名程度しかいない可能性が高いです。

求人数自体が比較的少ないため、なりたくてもなかなか求人に出会えないことがあるようです。ですので、なりたいならば、定期的に求人をチェックすることが大切になります。

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介護職における医療相談員(MSW)の役目

介護職において医療相談員は、退院時の支援や地域連携を行う役目を有しています

若年層と違って、介護を必要とする高齢者は一度病気になると退院後も長く自宅で療養を続けないとならないということがよくあります。

入院によって足腰が弱ってしまい、退院はできたものの介護依存度があがってしまった、ということもあるのです。

医療相談員は、ケアマネージャーと連携を取りつつ、高齢者の退院後の生活を支えていきます。そして、医療費をどのようにねん出するか、自宅療養をどう行うかという問題を解決します。

問題解決のために、自宅の改修や生活スタイルの提案をしたり、高齢者を支える地域活動を紹介したりします。高齢者が、長期にわたってよりよい生活ができるように支えるのが介護における医療相談員の果たすべき使命です。

医療相談員(MSW)の仕事内容

医療相談員は、患者からの相談を受けて、それを解決するために以下のような業務を行います。

相談を受ける

医療相談員は、医療機関において「社会福祉相談室」や「医療相談室」といった部屋に常駐し、患者からの悩みを受け付けます。相談される悩みとしては、以下のようなものがあります。

療養中の心理的・社会的問題の解決、調整援助

病気を抱えてしまうと、心理的・社会的問題が生じてきます。「病気のせいで仕事を失いそう」「病気を治すためのお金がない」といった悩みに対して、社会福祉の専門的知識や技術に基づいて、必要な援助を実施します。

退院援助

退院をする際には、「今のままの自宅で療養できるか不安」といった悩みを抱えてしまいがちです。このような、退院に伴い生ずる心理的・社会的問題を解決するために、社会福祉の専門的知識および技術に基づいて退院後の選択肢を説明し、相談に応じて必要な援助を実施します。

社会復帰援助

病気によって、職を失ってしまうことも少なくありません。そのような患者が円滑に社会復帰できるように、求人紹介や援助制度の紹介などを実施します。

受診・受療援助

入院をしたり、療養生活をスタートしたりする際に、必要となる準備の援助を実施します。

経済的問題の解決、調整援助

医療費、生活費に困っている患者を、社会福祉、社会保険などの機関と連携を図り、各種制度を十分に活用できるための援助を実施します。

地域活動

患者が、地域サービスに不満を抱えている場合、その不満が解消されるように関係機関、関係職種などと連携し、システムを改善するように提案します。

医療相談員(MSW)になるには?

医療相談員になるためのに、特別な資格は存在しません

しかし、多くの医療機関では、社会福祉に関する知識があることを採用条件としています。ですから、医療相談員として活躍するには、社会福祉に関する知識があることの証となる資格が必要です。

たとえば、以下のような資格を取得すると、社会福祉の知識がある証になります。

社会福祉士・・・社会福祉専門職の国家資格。ハンディキャップのある人から相談を受け、悩みを解決できるように支える専門職のための資格です。社会福祉士について、詳しくはこちらの記事でご確認いただけます。

精神保健福祉士・・・精神保健福祉職の国家資格。精神障害者に対する相談援助などを行う専門職のための資格です。精神保健福祉士について、詳しくはこちらの記事でご確認いただけます。

これらの資格を取得するには、介護の大学や専門学校で、指定の科目を履修し、国家資格に合格しなくてはなりません。いずれも難易度の高い資格ですから、医療相談員になる難易度は高いといえそうです。

ただし、「社会福祉士」や「精神保健福祉士」の資格を持っていれば医療相談員以外の職種でも活躍できます。ですので、他のポジションでの活躍も検討しつつ、資格取得のための勉強をスタートしてみましょう。

どんな転職先・求人があるの?

ここでは、生活相談員・支援相談員・医療相談員の求人情報をみてみましょう。
(※2021/2現在の情報です。情報は変わる可能性があります。)

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おわりに:医療相談員は、退院後の高齢者の療養を支える役目を果たす

医療を受ける上で、経済的・心理的悩みを抱える人は少なくありません。医療相談員は、福祉制度や助成金を紹介するなどして、それらの悩みを解決していきます。

介護職においては、退院後に続く高齢者の長期療養を、経済的にも心理的にも支える役目を果たします。

医療相談員の、社会的認知度は低く、求人数も多くはありません。しかし、大勢の利用者から感謝され笑顔に出会える医療相談員は大変やりがいのある仕事でもあります。

なるには、「社会福祉士」や「精神保健福祉士」といった資格が必要になってきます。これらの資格の取得難易度は高いですが、取っておくと、医療相談員以外のポジションでも活躍できるので、取得をしておいて損はないでしょう。

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