看護師と言えば、病院で働いているイメージが強いのではないでしょうか? 実は介護施設で看護師として働く、という選択肢もあります。ポイントは、看護をするのが「高齢者」が対象であること。病院との仕事とは何が違うのでしょうか。その実態について迫ります。

介護施設の看護職員とは?

介護施設の看護師は、その名の通り、介護施設で働く看護師のことを指します。介護施設もさまざまありますが、施設の特徴によって看護師の仕事もまったく異なります。

一般病棟の看護職員との違いは?

病院での看護師の役割は患者様のお世話であることに対し、介護施設で高齢者のお世話をするのは主に介護職の方。つまり、看護師が高齢者のお世話をするわけではありません。しかしながら、まったくお世話をしないのか、と言うと、それはまた違ってきます。
利用者様がその人らしく生活を送るには? ご家族が求めることとは? 看護師はそれを常に考えながら利用者様個々のマネジメントを行います。

看護職員の主な仕事内容

では、看護師は介護施設でどのような仕事を行っているのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

  • 施設全体の安全な環境の確保
  • インフルエンザ発生の予防、蔓延の防止
  • 感染性胃腸炎など感染症発生の予防、蔓延の防止
  • 感染症を発症した入居者の管理
  • 薬の管理(投薬・服薬管理)
  • バイタルチェック
  • 吸引、呼吸器ケア
  • 褥瘡のケア
  • 睡眠のケア
  • 他職種との連携を図るマネジメント など

一日の流れ(有料老人ホームバージョン)

8:30 出勤~申し送り
9:30 当日受診予定者の確認と準備
(内服薬の準備、バイタルチェックなど)
11:30 休憩(交代で1時間)
13:30 訪問診療医の補助等
(レクリエーションの参加など)
15:00 利用者様のバイタルチェック
16:30 申し送り
18:00 退勤

この仕事のやりがい


看護師としての知識を発揮できる点が大きなやりがいでしょう。また、高齢者とそのご家族の方から「ありがとう」と笑顔で感謝されることも看護師の醍醐味です。

この仕事の大変なところ

介護施設には医師が常駐しているわけではありません。そのため、利用者様から医療的な相談をされるとどうしても返答に困ってしまいます。自分の判断で返答してしまうと責任も取れませんし。そんな時はひとりで背負い込まず、担当主治医などに相談するようにしましょう。

看護職員が活躍できる職場

看護師の主な職場として、下記が挙げられます。具体的に見ていきましょう。

特別養護老人ホーム

65歳以上で要介護の高齢者が居住する施設です。看護師は入居者100人につき3名の常駐が義務付けられています。

介護老人保健施設

医師、看護師ともに24時間体制で常駐する施設です。入居者100人にあたり、看護師は10人以上配置されます。

有料老人ホーム

介護付きと住宅型があり、介護付きの場合は入居者30人あたり1人の看護師が配置されます。

グループホーム

認知症状がある高齢者を受け入れる施設です。看護師の役割は、点滴や胃ろうなど。なお、看護師の配置は、法律上は義務付けられていません。

サービス付き高齢者向け住宅

基本的に介護サービスは行わず、日常生活の主なことは利用者様本人で行う施設です。そのため看護師の主な業務は、利用者様の安否確認や医療的な相談などになります。

パートや派遣でも介護職員になれる?

パートや派遣でも看護師の求人は豊富にあります。ただし、施設によって時給に大きく差があるため、求人を探す際には看護師専門の転職エージェントなどに登録するのが良いでしょう。

未経験から介護職員になれる?

看護師の未経験には2通りあります。まずは看護師未経験の場合です。勤務できないことはありませんが、介護施設には「研修」というものがほとんどないため、いざ現場で働こうと考えても戸惑ってしまうことばかりになってしまいます。

次に、介護施設が未経験という場合。基本的に看護師として医療行為に関わった経験があるのなら、問題はありません。ただし、介護施設は高齢の方とコミュニケーションを取ることが看護師のひとつの仕事でもあるので、コミュニケーションが苦手、という方には少し厳しいかもしれません。

ですが、早々にあきらめてしまう前に、一度転職サービスに相談してみるのも手です。自分の得手不得手を伝えて、希望にあった施設を紹介してもらえる可能性が高いので、ぜひ相談してみてはいかがでしょうか。

こちらの記事では、現役の介護士がおすすめする転職サービスを紹介していますのでぜひお役立てください。

看護職員として働くメリットとデメリット

介護施設で看護師として働くメリットは、ほぼ残業がないことが挙げられます。病院では急な患者様が来院すると否が応でも対応する必要があります。一方、介護施設は急に利用者様が入ってくるということはありません。

次に、病院よりも体力を使わなくて済むという点も大きなメリットです。病院での看護師の役割は、体力勝負的な一面も多いもの。介護施設にもよりますが、比較的介護施設では元気な高齢者も多く、体力を使わない傾向にあります。

一方デメリットは、なかなかスキルアップがしにくいところでしょう。介護施設の看護師の役割は利用者様の健康管理がメイン。病院のようにさまざまな症例に出会えて学ぶことができる、という環境ではありません。看護師としてスキルアップがしたい、と考える方には介護施設は物足りなく感じることも多いでしょう。

そして繰り返しになりますが、利用者様から医療的なことを相談されても困ってしまうということです。決してひとりで背負わず医療のプロにお任せするようにしてください。

覚えておこう!介護施設の看護職員の要件・資格

介護施設の看護師になるためには、看護師免許が必要です。看護師は、「保健師助産師看護師法」によって定められた国家資格で、厚生労働省がその国家試験を年に1度施行しています。合格率は90%程度とかなり高めです。一度取得すると一生困らない免許であるし転職の際にも役に立ちますよ。

この仕事に向いているのはどんな人?

介護施設の看護師に向いているのは、高齢者との交流に興味がある方です。もちろん中には気難しいお年寄りもいらっしゃいますが、一度心を開いてもらえると揺るぎない信頼関係を築けることのも高齢者の特徴です。また、人の役に立ちたい、と考える方も介護施設の看護師には向いています。高齢者看護やターミナルケアに興味がある方にもおすすめです。

また、病院とは異なり残業も少なくプライベートも充実できるので、メリハリをつけて働きたい方も介護施設の看護師向きと言えるでしょう。

看護師をのんびり長く続けたい方は介護施設の看護師をチェックしよう

看護師=病院、という働き方が王道ですが、王道から少し目を離すと自分らしい働き方が見えてくるものです。それが介護施設、という選択肢もアリではないでしょうか?

もちろん自分と相性が合う施設を探すことが重要ですが、辛くなったら転職すれば良い、という考え方もあります。人間、ストレスがいちばん怖い病気であることを看護師であれば知っているのではないでしょうか? できるだけストレスフリーで、楽しくのんびり働きたい。それを実現してくれるのが、介護施設の看護師なのかもしれません。